Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
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ISSN-L : 0915-7352
26 巻, 149 号
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ミニレビュー
  • Motoi Kanagawa
    原稿種別: ミニレビュー
    2014 年 26 巻 149 号 p. 41-57
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    ジストログリカンは高度な糖鎖修飾をうける膜タンパク質で、細胞外マトリックスやシナプス分子の細胞表面受容体として機能する。ジストログリカンがリガンドと結合するためには、O-マンノース型の糖鎖修飾が必要で、なかでも、O-マンノース上にリン酸ジエステル結合を介して存在する“ポストリン酸構造”と呼ばれる修飾体が、リガンド結合に直接関与するドメインと考えられている。最近、ポストリン酸修飾にかかわる分子がいくつか同定され、精密な機序によって修飾が制御されていることがわかってきた。ジストログリカンは骨格筋の維持や脳の形成など、さまざまな組織で重要な役割を担っているが、その一方で、ジストログリカンの糖鎖異常はジストログリカノパチーと総称される、脳奇形(II型滑脳症)や精神発達遅滞などの中枢神経障害を伴う筋ジストロフィーの原因になる。本稿では、ジストログリカンの糖鎖構造、修飾機序、糖鎖機能と疾患との関連について概説する。
  • Arisa Miyagawa-Yamaguchi, Norihiro Kotani, Koichi Honke
    原稿種別: ミニレビュー
    2014 年 26 巻 149 号 p. 59-69
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    脂質ラフトは、シグナル伝達や細胞接着やタンパク質輸送など重要な生命現象のプラットフォームを提供する。これら生命現象の分子メカニズムを解明するためには、個々のラフトドメインにおいて相互作用する分子を同定する必要がある。筆者らは探索分子の上に固定した西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)から300 nm以内の近傍に存在する分子を標識する新奇のEMARS法を開発した。最近、筆者らは、遺伝子工学で発現させたHRPを用いてEMARS反応を行う新バージョンのEMARSシステムを樹立した。HRPを脂質ラフト内に発現させるため、HRPをGPI-アンカー型にした。ヒト崩壊促進因子(DAF)とヒトThy-1由来のGPI付加シグナル配列をそれぞれ別個にHRPのC末端に連結した2種類のGPI-アンカー型HRP融合タンパク質(HRP-GPI)をヒトHeLa S3細胞に発現させ、生きている細胞上でこれらのHRP-GPIを用いてEMARS反応を行った。その結果、異なるGPI付加シグナル配列をもつHRP-GPIは、異なるN型糖鎖付加を受け、異なる分子会合体を形成した。今回開発した新しいアプローチは、特定のGPI-アンカータンパク質と会合する分子クラスターを同定することができる。つまり、この方法を用いることにより、個々の脂質ラフトドメインを分別することができる。
ミィーティングレポート
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