刈払機を用いた下刈り作業中に発生した休業を伴う災害を加害物別に被災部位の分布を図示し,被災の要因を分析した。主たる被災要因は転倒とキックバックであった。被災位置は下肢に多く分布するが,使用する刈払機のタイプにより被災位置の分布は異なる。機械のタイプにより被災しやすさに違いがあり,2グリップ式ハンドルおよび固定式スロットルレバーの刈払機で刈刃接触による災害の起きやすいことが推察できた。被災者は作業経験3年未満の者と60才以上の者に多かった。作業地の傾斜が増加すると転倒が関係した被災件数も増加する傾向があったが,キックバックが関係した被災は作業地の傾斜による影響は小さいと考えられた。被災位置の分布および被災状況から考えて,刈刃および飛来物による被災を減少させるためには防護具の使用が有効と考えられた。特に,膝から足首の範囲は防護具によって容易に防護が可能であると考えられた。
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