森林利用学会誌
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18 巻, 3 号
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論文
  • 李 成基, 峰松 浩彦, 李 甲淵
    原稿種別: 本文
    2003 年 18 巻 3 号 p. 159-165
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    林道開設に伴う流出土砂の制御に関しては,これまで植生による裸地の減少と関連付けて検討されることが多かった。細粒土流出の発生源は主として,林道の路面,切取り斜面,盛土斜面部ではあるが,路面の場合,基本的には舗装によって制御する工法がとられる。本研究では,路面の粗レキが細粒土の制御に果たす効果を浮遊砂流出のメカニズムを通して検討し,かつ路面の残存細粒土量から流出最大濃度の推定を行った。その結果,粗レキを含んだ場合,浮遊砂の流出メカニズムは細粒土のみの状態と異なり,流出量は少なくなることを明らかにした。浮遊砂の流出速度は流出量のベキ乗に比例する形をとることを示した。さらに,流量のベキ乗の変化はレキの混合量によって異なることを示した。面積あたりのレキ混入率で表した場合,約50%のときに最小となり,レキの最適な敷設状態を示すことができ,この値を境にレキが少なくても多くても流出濃度は高くなることを示した。さらに,最大流出量の推定は路面の残存細粒土量およびレキ混入量との関係から可能となった。
  • 伊藤 崇之, 上村 巧
    原稿種別: 本文
    2003 年 18 巻 3 号 p. 167-174
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    自走式搬器を用いて集材作業を1人で行うための自動化技術開発の一環として,搬器の走行・停止の自動化に関する機構の開発を行った。集材作業を1人で円滑に行うためには,搬器を荷掛けおよび荷おろし地点近傍の目標点に停止させる必要があり,走行距離を正確に計測しなければならない。走行距離計測装置を試作して走行試験を行いその特性を解析した結果,計測誤差と搬送質量および支間傾斜角との間に1次の相関が認められた。これは,主索の振動加速度による計測用シーブのはね上がりが主な原因と推察され,実用に際して大きな停止位置誤差が生じることが予測された。そこで,搬器位置の基準点を主索上に設定して停止位置の再設定を自動で行う機構を開発するとともに,搬送質量と計測誤差の比例関係によって計測誤差を予測して計測距離を補正する方法を開発した。荷の積み下ろしを伴う搬送試験を行った結果,支間傾斜角によって適合度が異なったものの,搬器の停止位置の累積誤差を大幅に抑制することが可能となった。
  • 市原 恒一, 藤井 禧雄, 高久 博昭
    原稿種別: 本文
    2003 年 18 巻 3 号 p. 175-182
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    傾斜地を走行するトラクタの転倒を防止するために,倒立形二重振り子によりローリング角を簡易に測定する装置について研究した。はじめに,この運動方程式を導き,パラメータの値が一定の関係になると,ローリング角の振動数が振り子の固有振動数である場合を除き,正確な傾斜角が測定できることを確認した。さらに,トラクタ本体と仮想した振動台に二重振り子を取り付けた実験装置において,振動台の振動による振り子の挙動を測定した。その結果,運動方程式の解とずれが生じたため,固有振動数などを利用して運動方程式を修正した。修正した運動方程式の解は実験結果とおおむね一致し,この装置は固有振動数を除けば正確なローリング角が測定できることを明らかにした。
  • 小林 洋司, 櫻井 倫
    原稿種別: 本文
    2003 年 18 巻 3 号 p. 183-188
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    公共事業は工事の各段階において評価が義務づけられている。しかしその評価方法については評価項目を含め様々な見解がある。ここでは基本的に林野庁の考え方に基づいた新たな考え方を示し,輸送機能と施業機能の林道の基本的機能について取り上げ,具体的にどのくらいの値になるか,GISを用い具体的対象区域について試算した。林道の森林の公益的機能を除いた施業機能効果について費用対効果を計算したところ,林道作設費単価をmあたり10万円, 20万円, 30万円として計算したところ,費用便益比はそれぞれ13.04, 6.50, 4.34となり,その値は予想以上の大きな値となった。林小班の面積,評価の考え方によってかなり異なると思われる。この結果が評価方法の一助になると考えられる。
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