日本では立木を伐り倒す作業で多くの死傷者が出る。しかしそれに対して日本では日本山林・林業の実情に応えた技術開発がほとんど行われていない。特に大径木はチェーンソー伐倒しか方法がなく危険である。そこで本研究はこのマニピュレータを開発することで,新たな伐倒プロセスを提案することを目的とする。大径木の伐倒を目標とする。ここで日本の伝統技能である三ツ紐伐りをエンドミルで行うマニピュレータを考案した。このマニピュレータの刃物として,エンドミルにドリルの機能を付与した特殊刃物と,刃物に合わせたスピンドルブロックを開発した。エンドミルの刃長は,鋸断面の半径分とし,アームの直動の動きだけで,3 つの弦を残して空隙を切り取ることができる機構を開発した。エンドミルの回転動力として,エンジンを採用し,アームの姿勢に関わらず,常に先端のエンドミルにエンジンの回転動力が伝わる機構を開発した。そしてこのマニピュレータを操縦し,三ツ紐伐りの3 つの弦を残して,幹を切削する制御プログラムを開発した。このマニピュレータシステムを用いて,作業現場で立木を伐り倒す実証試験を行い,作業の安全性を評価し,提案の有効性を示した。本論の目的は新しいメカニズムの考案と,そのフィージビリティスタディである。
コンテナ苗を活用した植栽作業の,作業評価および植栽器具に関する改善点や問題点を明らかにし評価するため,アンケート調査および聞き取り調査を実施した。コンテナ苗植栽作業は,裸苗植栽作業と比べて穴掘りをしやすく,苗木が植付けやすいという評価を得た。しかし,苗木の運びやすさでは,低い評価であった。コンテナ苗の植栽器具では,唐グワは平均3点台の評価が得られ,ディブルでは「握りやすさ」「力の入れやすさ」「穴掘りのしやすさ」「作業の安全さ」「作業の効率さ」で高い評価を得られ,スペードではディブルの項目に「扱いやすさ」を加えた項目で高い評価を得た。しかし,植栽器具の重量については3器具で低い評価を得た。調査の結果より,コンテナ苗植栽作業では,コンテナ苗の根鉢の改良と運搬方法の検討,植栽器具では,軽量化と植栽作業に特化した植栽器具の活用が必要であると考えられる。