森林利用学会誌
Online ISSN : 2189-6658
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22 巻, 1 号
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論文
  • 近藤 道治, 今井 信
    原稿種別: 本文
    2007 年 22 巻 1 号 p. 5-14
    発行日: 2007/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    点状複層林で下木損傷を軽減する新たな方法として,上木を列状に伐採する方法について検討した。複層林の上木を列状に伐採した場合の下木損傷率は32.2%であった。この結果を,上木を点状伐採した場合の39.3%と比較すると,列状伐採と点状伐採の下木損傷率の差は小さかった。列状伐採と点状伐採の下木損傷率を作業種別に比較すると,列状伐採の損傷軽減効果は伐倒作業で認められたが,集材作業では認められなかった。その原因は,今回の伐採地では地形に凹凸があり,伐採列の方向と最大傾斜方向が一致しない場合が多かったためと考えた。傾斜が20度を超える比較的傾斜の急な斜面での集材作業で,最大傾斜方向と伐採方向のずれ(偏角)に対する下木損傷の関係を調べたところ,偏角が大きくなるほど下木の損傷本数が増加した。また,偏角が大きくなるほど,樹木の成長や材の経済価値に重大な影響を及ぼす「倒伏」被害の割合も高くなる傾向がみられた。地形を考慮して偏角20度未満で列状伐採を実施した場合,下木損傷率は27.2%と推定でき,列状伐採は点状伐採に比べて下木損傷の軽減効果が十分に期待できた。
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