森林利用学会誌
Online ISSN : 2189-6658
Print ISSN : 1342-3134
ISSN-L : 1342-3134
17 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
論文
  • 程 培峰, 後藤 純一, 趙 文美
    原稿種別: 本文
    2002 年 17 巻 1 号 p. 3-14
    発行日: 2002/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    山岳地に開設された道路はのり面の崩落や崩壊によって,開設後の維持管理に負担を伴うことを避けなければならない。高密度に開設された作業道の切取のり面を対象に,切取り土層の安定性を判定することを目的として,地形調査と土層構造の調査,またのり面の形状調査を3路線67か所において実施し,安定斜面と損壊斜面に分類した。簡易貫入試験器を用いた土層調査の結果から,土層構造を5つの類型に区分した。厚さ50cm未満の崩積土層が基盤を覆っている類型では基盤勾配,土層深さおよびのり高によって安定性を正準相関係数0.85で判別した。厚さ50cm以上の崩積土層と風化土層からなる類型については,土質試験を実施し,粒度試験から求めた粒径2mm以下の土粒子に含まれる細粒分の重量割合と土層深さによって安定性を正準相関係数0.78で判別した。自然条件の関与が土層構造によって異なることが明らかとなり,土層構造の特性に対応した切取のり面の安定性を評価することの有効性を示した。
  • 井上 公基, 池田 健一, 石垣 逸朗, 長谷川 徹也
    原稿種別: 本文
    2002 年 17 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 2002/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    精神的作業負担を軽減させるためには,機械の操作性を向上させるだけにとどまらず,作業者の目や耳などの感覚器の連続的な緊張状態を軽減させる作業方法を検討する必要がある。本研究は,これら感覚器の連続的な緊張状態を生じる作業要素を見出すため,高性能林業機械作業現場のデータを元に,作業時間と作業手順の関係から作業改善点を検討した。その結果,高性能林業機械作業の各要素作業の所要時間をヒストグラムで表すことにより,I型のパターンに集約されることが明らかになった。本パターンの特性は,高性能林業機械作業が人力を伴う従来型森林作業に比べて,作業時間の短縮と作業の単純化に伴う典型的なものと考えられた。また,各要素作業が比較的短い時間で連続して行なわれるために,ヒストグラムの形状特性から,作業者個々の作業特性や作業の難易度を把握することが可能である。一方,作業手順は,各工程の要素作業が複雑に結びつくものと,独立した工程を単純に繰り返す2つのパターンが存在することが明らかになったが,どの要素作業においてもI型の作業特性を有することから,特に作業間の結びつきから判断すると「材なし旋回」が作業の単調性や感覚器の連続的な緊張状態を生じさせ,作業に不都合を引き起こす可能性が高い要素作業と考えられた。
速報
feedback
Top