本研究の目的は,野積み保管やフレコン保管では自然乾燥が困難であるチップを,通気性素材を用いたフレコンを利用することで乾燥させることを目指して,通気型フレコン内部における含水率の変化過程をモデル化することである。このために,通気型フレコンを模した疑似フレコンにチップを詰め,恒温器内において乾燥させ,含水率を測定するとともに,温湿度を記録した。この結果,フレコン表面からの距離によって乾燥の仕方が異なり,フレコン表面付近は指数関数的に含水率が減少するのに対し,フレコン内部では逆S字型を描いて減少することが明らかとなった。これらを,それぞれ指数曲線とロジスティック曲線を用いてモデル化した結果,両者ともよくあてはまり,これらを用いたフレコン全体の含水率変化も再現することが可能であった。ロジスティックモデルの係数のうち,乾燥速度を規定する係数は通気性面からの距離に応じて小さくなり予想通りの性質が見られたが,乾燥開始時期を規定する係数の解釈には不明な点が残った。
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