森林利用学会誌
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16 巻, 1 号
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論文
  • 井上 源基, 岡 勝, 広部 伸二, 山田 容三
    原稿種別: 本文
    2001 年 16 巻 1 号 p. 3-14
    発行日: 2001/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,森林作業に対する森林内の人や機械の移動現象を前提として森林内の路網と伐区などの対象域の相対的位置関係について検討した。特に多様な形態を有する対象域と路網の関係に対し,域内の各点から路網までの到達距離の分布関数について考究し,到達距離比の分布関数を基礎とした到達難易の分類を試みた。その結果,不定形対象域から路網への到達距離の分布関数として到達距離パラメータ(z)を含む一般式が提示でき,その分布曲線の曲率係数(k)やzにより対象域の形状などを考慮に入れた到達性の評価を可能にした。また域内の到達距離が最大到達距離に対して1/3以下の場所および2/3以上の場所の面積比率をそれぞれp,qとし,F_s=(1-p+q)/2で定義された到達距離指数を提示することにより,F_sと平均到達距離S_mの関係およびpとqの関係などを明らかにした。さらに対象域と路網に対する路網配置係数(f値)について言及し,fとzおよびkとの関係式としてf=1+2|k_t|を得た。
  • 岩岡 正博, 峰松 浩彦, 有賀 一広, 小林 洋司
    原稿種別: 本文
    2001 年 16 巻 1 号 p. 15-24
    発行日: 2001/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,造林作業に有効と考えられる小型の半脚式機械を開発するために,最適な歩行脚機構を明らかにすることを目的とする。このため,ナックルブームタイプと振り子タイプの2種類の脚機構を,歩行時の駆動トルクと消費エネルギーから比較した。ナックルブームタイプの脚は,緩傾斜の上りや下り歩行では前進が,中から急傾斜の上りでは後進が効率的であった。これは,既存の半脚式機械の作業方式が適切であることを示している。ナックルブーム脚を協調動作させることは,急傾斜の上りで極めて有効であり,協調制御の実現を目指す半脚式機械の開発の方向が正しいことが裏付けられた。揺動部分の長さの異なる2種類の振り子式脚を比較した結果,揺動部分の長い脚の方が,必要駆動トルクは大きくなるものの,消費エネルギーは小さくなることがわかった。本研究の設定では,先端の揺動部分の長い脚の移動速度は他より速いことから,この脚機構によって移動速度の向上が可能であることが示唆された。移動速度の向上は,半脚式機械の開発において重要な目的の一つであり,この脚機構がその可能性を持つことがわかった。
  • 松村 哲也, 井上 裕, 新田 隆三
    原稿種別: 本文
    2001 年 16 巻 1 号 p. 25-34
    発行日: 2001/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    高性能林業機械の効果的な活用のためには機械の処理能力の検証把握だけではなく,運用や維持に伴って発生するコストについても明らかにし,その削減に努める必要がある。本研究では,宮崎県林業労働機械化センター所管の稼働中プロセッサ13台を対象に,補修作業の履歴を追跡し,プロセッサ補修費用の構成を明らかにしたうえで補修費用におけるコスト削減方策を考察した。補修作業履歴追跡の結果,油圧機構を始めとする補修作業内容にも高度な技術を要しない軽微なものが多く存在することに注目し,こうした軽微な作業をユーザー自身が行うことで工賃の抑制,故障からの迅速な復帰による運用効率悪化の防止,重大な故障や損傷の予防と早期発見といった効果が得られると考えた。
  • 澤口 勇雄, 渡邉 悟, 猪内 正雄
    原稿種別: 本文
    2001 年 16 巻 1 号 p. 35-42
    発行日: 2001/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    森林内でコード方式のDGPSを行い測位率,測位精度,測位精度に影響を及ぼす要因についてPrecisionデータを基に解析した。無効測位は全データの23.1%を占めた。3D測位率と無効測位率の関係は極めて高かった。2次元空間(X,Y)における測点の平均値での測位精度は,3Dで3.27m(CEP_<95>),2Dで4.00m(CEP_<95>)となり,3Dは2Dに対して1m程度高い測位精度が期待できると推定された。高度(Z)は,(X,Y)よりCEP_<95>で36%測位精度が低下した。測位精度に影響を及ぼす要因を特定するために重回帰分析を行った。測位精度を説明する変数として衛星数とPDOPが選択され,重回帰式の決定係数は0.423だった。林況と衛星数は弱い相関関係が認められた。SAの解除は森林内での測位精度向上に貢献しないことが検証された。
  • 後藤 純一, 橋本 和紀, 程 培峰, 趙 文美
    原稿種別: 本文
    2001 年 16 巻 1 号 p. 43-50
    発行日: 2001/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    小型モービルタワーヤーダや自走式搬器を利用した軽架線集材に適合した路線配置計画のために地形要素に基づいて区分した領域について斜面傾斜,転石数,斜面型を調査した。領域をポリゴンとし,その地形・地表特性を属性としてGISに取込み,集材作業における各領域を評価するためのアルゴリズムを提案した。まず,集材線設置案を隣接ポリゴンとの位置関係から選定する。次に,集材線の優位性を最大傾斜線方向の斜面型の組合せから,また,集材作業上の適性を等高線方向の斜面型の組合せから判定する。以上の結果を用いて路線通過必要度を隣接ポリゴンに設置した集材線の支柱となるポリゴンであるか否かに基づいて判定し,手順に従って調査事例に適用し,必要度が高い地点を示した。
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