森林利用学会誌
Online ISSN : 2189-6658
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38 巻, 4 号
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論文
  • 猪俣 雄太, 中田 知沙, 山口 浩和, 上村 巧, 飛田 京子, 恒松 衛, 加藤 邦彦
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 38 巻 4 号 論文ID: 38.169
    発行日: 2023/10/31
    公開日: 2024/01/06
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は林業従事者の伐倒技能の現状を明らかにし,林業従事者において習得が不十分な技能を明確にすることである。そのために,林業従事者と林業未経験者を対象に,伐倒木に見立てた丸太に対し,伐倒ガイドライン通りに受け口と追い口を作成する模擬的な試験を行った。試験後に,受け口の深さ,受け口の向き,水平面に対する会合線の傾き,切残し幅の両端の均一性,切残し幅の5 つの項目を計測し,ガイドラインの値と計測値を比較した。その結果,受け口の深さと向きは短い林業就業年数で技能向上することが分かった。また,林業従事者が作成した受け口の深さ,切残し幅はガイドラインに近い形状を作っていた。立木の成長予測モデルを用いて,受け口の向きと会合線の傾き,切残し幅の両端の均一性から,伐倒時に周辺木に接触する割合を試算した結果,どの項目も列状間伐の接触割合は0 に近かったが,定性間伐では受け口の向きによる接触割合が20% あることが分かった。このことから,受け口の向きは短い就業年数で向上するものの,他の技能より習得が十分ではないことが分かった。

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