森林利用学会誌
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35 巻 , 1 号
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特集巻頭言
論文
  • 有水 賢吾, 毛綱 昌弘
    2020 年 35 巻 1 号 35.7
    発行日: 2020/01/31
    公開日: 2020/02/22
    ジャーナル 認証あり

    森林作業道の自動走行における走行可能領域判別のために,深層畳み込みニューラルネットワークを用いたセマンティックセグメンテーションの適応性を評価および検討した。本研究では深層畳み込みニューラルネットワークを用いたセマンティックセグメンテーションとして最も一般的な手法である完全畳み込みネットワークについて検討を行い,作業道を撮影した画像をデータセットとして用いた。車道クラス,背景クラス,車道クラスと背景クラスの間にあたるバッファクラスの3 クラス分類を行った結果,96.7 ~97.2%と高い総合精度が得られた。これらの結果より,先行研究のある一般道路での検出結果と同程度の精度での検出が可能であることを示した。個別クラスでは,車道クラスの適合率が96.7 ~97.5%,バッファクラスの適合率が67.4 ~71.6%,背景クラスの適合率が98.5 ~98.6%であり,本研究で用いたモデルによるバッファ部分の高精度の検出は困難であることが示唆されるものの,車道クラスは高精度で検出が可能であり,車両が通行可能な十分な道幅が確保されている場合であれば本研究で提案した手法による作業道のローカル経路設定が可能であることが示された。

  • 佐藤 高士, 古林 敬顕, 根本 和宜, 中田 俊彦
    2020 年 35 巻 1 号 35.15
    発行日: 2020/01/31
    公開日: 2020/02/22
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,持続可能な森林利用について森林資源を継続的に最大限利用するための計画と定義し,福島県奥会津地域を対象に伐出工程の林業機械の生産性について評価した。奥会津地域の森林空間情報をもとに持続可能な森林利用に必要な各年の伐出量を導出した。次に三島町西方地区において,複数の林業機械の組み合わせである伐出システムを設計し労働生産性を分析した。その後,奥会津地域全体にこの労働生産性を適用し,持続可能な森林利用のための所要人員数を分析した。結果,奥会津地域においては年間160 ~ 180 ha を継続的に伐出・造林する必要があった。三島町西方地区での伐出システムの生産性評価の結果,急傾斜林地では3.3 ~ 8.3 m 3 /person-day,緩傾斜林地では38 ~ 53 m 3 /person-day の労働生産性を示した。森林を伐出するための必要人員は,はじめの50 年間は34 ~ 110 人, 50 年目以降は34 ~ 76 人となった。労働生産性について他地域との比較を行ったところ,緩傾斜林地ではオーストリア等の林業先進国と同等程度の労働生産性であった。一方,急傾斜林地では現況のわが国と同等かそれ以上の労働生産性であり,林業先進国と同程度の生産性の実現のためには林内路網の拡充や実働時間の見直し等の施策が必要である。

  • 斎藤 真己
    2020 年 35 巻 1 号 35.25
    発行日: 2020/01/31
    公開日: 2020/02/22
    ジャーナル 認証あり

    スギ の裸苗生産を省力化するため,苗畑への苗の植え付け作業に「たまねぎ用移植機」を活用したところ,1 時 間あたり約 1,800 本 / 人の植え付けが可能になった。これまでの手植えの場合は,1 時間あたり 150 ~ 180 本 / 人程度だったため,本機を使用することで 10 倍以上の作業効率になった。本移植機のセル苗の適合サ イズは,苗高 5 ~ 15 cm 程度であり,播種当年の生育終了期(10 月中旬)にこの規格の得苗率が最も高く なる播種時期は,5 月中旬だった。また,8 月中旬に苗高の測定を行い,10 cm 以上あった苗には成長抑制 剤であるエスレル 10 を散布し,5 cm以下だった苗には追肥による成長促進を行った。これらの処理によって, 播種当年の 10 月中旬に 90 %程度の苗が規格内に収まった。春期に集中している育苗作業を分散化するため, 通常は春に行う 2 年生苗の植え付け作業を前年の秋に早めて行ったところ,翌春の活着率は 95 %程度と高 かった。このことから,植え付け時期を秋にずらすことで年間の作業時期を分散化することができた。

速報
  • 猪俣 雄太, 山田 健, 宗岡 寛子, 佐々木 尚三, 古家 直行
    2020 年 35 巻 1 号 35.31
    発行日: 2020/01/31
    公開日: 2020/02/22
    ジャーナル 認証あり

    車両系集材機械の生産性は走行距離の影響を受ける。この機械の走行距離には伐区内の走行距離と伐区外の走行距離の2種類がある。伐区内走行距離は積み込み地点によって集材サイクルごとに変化し,伐区外の走行距離は土場の位置等が変わらない限り,集材サイクルごとの違いはない。車両系集材機械の生産性向上のためには,両者の走行距離が生産性に与える影響を把握する必要があるが,これまで伐区外走行距離の計測事例はない。そこで,本研究では伐区外走行距離が走行集材機械の生産性に与える影響を明らかにすることを目的に,北海道の国有林の施業伐区を対象に,路網図から車両系集材機械の走行距離と,林道からの遠さの指標として,林道と伐区とを最短で結ぶ直線距離を計測した。計測結果より,本研究の対象地では最短直線距離が 1500 m以上の伐区では,林道を走行しないこと,林道と伐区とをつなぐ伐区外森林作業道の走行距離は最短直線距離 1000 mまでは増加傾向であることを明らかにした。北海道の目標である集材距離 500 m以内は,現状では最短直線距離 50 m以内に限られ,その条件下では伐区外走行距離がフォワーダの生産性の約7%を減少させることが分かった。

  • 橋本 良子, 木村 友子, 小林 真優子, 三谷 清
    2020 年 35 巻 1 号 35.39
    発行日: 2020/01/31
    公開日: 2020/02/22
    ジャーナル 認証あり

    「東京の木多摩産材」取扱事業者の森林認証取得における東京都の支援事業の効果及び今後の認証取得や継続に向けた課題を明らかにした。資本金額を企業規模とみなした場合,「東京の木多摩産材」取扱事業者の企業規模は大きいとは言えず,「東京の木多摩産材」取扱事業者が森林認証を取得あるいは継続していくためには経済的支援が必要と考えられ,東京都の支援事業は認証継続のために有効である。「東京の木多摩産材」を扱う二次加工等川下の事業者に森林認証取得拡大の余地はあり,これら事業者を把握できる仕組みが検討されれば,川下事業者の森林認証取得の誘導につながる。結果として森林認証のロゴマークのついた「東京の木多摩産材」製品を供給する等,森林認証が「東京の木多摩産材」の発信力の強化に寄与できると考えられる。

  • 梶谷 肇, 加治佐 剛
    2020 年 35 巻 1 号 35.45
    発行日: 2020/01/31
    公開日: 2020/02/22
    ジャーナル 認証あり
研究・技術資料
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