日本胸部疾患学会雑誌
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23 巻, 9 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 山口 豊
    1985 年 23 巻 9 号 p. 967-968
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 泉 孝英
    1985 年 23 巻 9 号 p. 969-970
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 佐竹 辰夫
    1985 年 23 巻 9 号 p. 971-980
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    難治化の要因については, 既に1972~74年に histamine 吸入試験とSAB所見の併用から 1) 著しい気道過敏性, 2) 慢性気管支炎の合併, 3) 慢性肺気腫の合併, などをあげた. 今回, 新たに, 4) 慢性副鼻腔炎の合併, 5)β受容体刺激剤連用による薬剤耐性のほか, 6) 抗原の吸入による感作・発作の反復がβ受容体数の減少のみならず, 運動などに際する catecholamine の分泌亢進抑制を起して気管支拡張剤投与時におけるcAMPの上昇を抑制し, 要因となりうることを報告した. しかも検討の過程で, cAMPが血漿では増加, 肺・気道系では不変という場合もあることが分った. 更に, 難治化・重症化の要因としての気管支粘液栓の成立機序を究明し, 気管支攣縮もその主因になりうることを証明した. 一方, 迷走神経興奮のみならず, β受容体の不完全遮断状態にもある難治患者の薬物療法としては, 新抗コリン剤の開発, adenyl cyclase に直接作用する forskolin のほか, cGMPを増加させる 8Br-cGMP, nitroprusside などの臨床応用が有望なことを強調した. なお, 最後にまとめた「一般的な管理・治療の方針について」は, 紙数の関係で別の論文 (診断と治療73巻12号, 1985) に記した.
  • James C. Hogg
    1985 年 23 巻 9 号 p. 981-990
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    The inflammatory process consists of an exudative phase where fluid and cells leave the circulation and accumulate in the tissue, and a proliferative or repair phase where connective tissue is deposited to form a scar. When this process occurs in mucus membranes, it is associated with a shedding of epithelial cells and an increase in the amount of mucus that is produced. An inflammatory process in the small airways can show all of the changes that occur as part of this general pattern. For example, in asthma there is marked epithelial shedding leading to increased epithelial cell turnover and thickening of the basement membrane associated with a thick mucus exudate which can occlude the airways. While the smooth muscle in the airway wall tends to proliferate, there is relatively little deposition of collagen in the airway wall and no organization of the exudate in the airway lumen. This contrasts sharply with situations where more severe tissue injury is followed by organization of the exudate in the airway lumen with marked collagen deposition leading to the airway obliteration. Between these two extremes the histological appearance of the inflammatory process can be quite varied and includes epithelial changes such as goblet cell and squamous cell metaplasia, an infiltration of inflammatory cells into the airway wall, hypertrophy and hyperplasia of the airway muscle and less prominent deposition of collagen in the airway wall and lumen. The rather stereotyped nature of this response makes it extremely difficult to associate specific stimuli with a typical response so that a diagnosis of small airways disease may be too non-specific to be helpful. However, it seems likely that a better understanding of the nature of the inflammatory process in the peripheral airways will lead to a clearer concept of the pathogenesis of several obstructive lung diseases.
  • 川上 義和
    1985 年 23 巻 9 号 p. 991-997
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    慢性気管支炎, 気管支喘息, サルコイドーシスおよび肺癌の患者およびその家族について, 遺伝因子, 家族性因子を調べた. 慢性気管支炎の息子は, 肺気量が小さく permeability が大きく末梢気道の気流低下がみられ, 白血球のC5aに対する走化性も低下していたが, 娘には異常がなかった. 肺門部近辺の粘液線毛クリアランスは, これら息子で低下していた. 気管支喘息 (特に非アトピー型) の同胞ではアセチルコリン閾値の低下している例が多く, 肺門部近辺の粘液線毛クリアランスは低下していた. サルコイドーシス患者には, HLA DRw52が高頻度 (83.3%), DRw53が低頻度 (41.7%) であった. 肺癌では血清セレン, ビタミンEの低下があり, 息子, 娘でとくに腺癌家族ではこれら双方の低下があった. ビタミンAには差がなかった. リンパ球における benzopyrene に対する姉妹染色分体交換の誘導性は, 癌家系で非癌家系よりも高かった.
  • 金野 公郎
    1985 年 23 巻 9 号 p. 998-1003
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    呼吸筋は心筋に匹敵する vital pump である. しかし呼吸筋は心筋に比べて筋自体が複雑な geometry と physiological な interactions を有し, さらには随意性および不随意性の control 下にあることなど, その検索範囲も広く, 研究 target として温存されて来た. しかし近年呼吸筋の疲労による換気 generator としての機能不全が呼吸不全の病態形成に重要な役割を果すことが知られ, 呼吸筋不全という新しい臨床命題のもとに病因, 診断, 重症度判定, 治療などの臨床アプローチがなされてきた. 本稿においては, これらの事項に関しとくに治療に焦点を絞りわれわれの研究結果と知見を中心に述べた. 主な診断アプローチとして Konno-Mead diagram と呼吸筋筋電図周波数解析を概説し, 又重症度判定の目安として横隔膜の energy demand としての tention time index を示した. 治療に関しては薬物療法としてコエンザイムQ10を臨床導入し, 一方人間工学的療法の開発機器として: 1) レスピレーター装着用発声装置, 2) 体位変換型ベッド式換気補助装置, 3) 携帯用換気補助装置, 4) 携帯用O2富化装置を開発し, 一部臨床応用の実例を示した.
  • 福田 健, 牧野 荘平, 本島 新司, 池森 亨介, 戸田 正夫, 山井 孝夫, 山田 吾郎, 湯川 龍雄, 志田 寿夫
    1985 年 23 巻 9 号 p. 1004-1011
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    気管支喘息患者の肺実質系導管部の形態を健常人および肺気腫患者と比較するため, 当教室の選択的肺胞気管支造影実施症例の中から37例の気管支喘息患者, 14例の準健常人, 10例の肺気腫患者のフィルムを選び出し, 肺胞道または呼吸細気管支と考えられる輪状陰影の直径を測定した. 喘息群, 健常人群, 肺気腫群の輪状陰影直径は各々342±69, 523±75, 904±97μm (平均土SD) で, 喘息群では健常人群より有意 (p<;0.001) に小さかった. 喘息患者の中で, 肺気腫群の平均値-2SDの710μmを越したものは皆無であった. 喘息群の輪状陰影直径は年齢, 罹患年数との間には相関がなかったが, 感染型, 混合型患者の直径はアトピー型に比べ大きく, ステロイド依存性の重症者は軽症者に比べ大きい傾向にあった. このように, 喘息患者の肺実質系導管部の形態学的変化は平滑筋収縮に起因すると思われる狭窄であり, 肺気腫の前段階と考えられる導管部拡張は認められなかった.
  • 津田 富康, 水城 まさみ, 吉松 哲之, 鬼塚 徹, 青木 隆幸, 安部 康治, 岡嶋 透
    1985 年 23 巻 9 号 p. 1012-1017
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    正常家兎肺および完全アジュバントにて肺肉芽腫を誘発させた家兎肺におけるACE活性の局在とその変化を ACE substrate film 法を用いて検討した. 正常肺では bronchus associated lymphoid tissue のみに活性が認められ, その他の肺構成分子や肺胞マクロファージには活性は認められなかった. アジュバント肺炎肺の2週めの肺では肉芽腫と肺洗浄液中の肺胞マクロファージに活性が認められるようになった. 次に4週めの肺では, ACE活性は肉芽腫内で増強されると共に肉芽腫に近い肥厚した肺胞壁に接した肺胞腔, 血管内に強い活性が出現していた. またこの期の肺胞マクロファージにも強い活性が証明された. 以上のことより正常肺のACE活性は substrate film 法では証明し得ない程低値であるが, しかしアジュバント肺炎肺のACE活性は肉芽腫はもとより肉芽腫に近い肺胞や血管内にも増強されることが証明された.
  • 内田 裕子, 清水 佳代子, 北村 諭, 高久 史麿
    1985 年 23 巻 9 号 p. 1018-1023
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    能動感作モルモットの気管および肺組織切片を用い, 抗原である卵白アルブミン投与により惹起される収縮反応におよぼす薬物の効果について検討した. 気管組織切片の収縮反応は, mepyramine, AA-861 前投与により有意に減弱され, 両者併用により減弱の程度はさらに大となった. 肺組織切片の収縮反応は, mepyramine, methysergide, AA-861 前投与により有意に減弱され, 3薬剤併用により減弱の程度はさらに大となった. また indomethacin 追加により収縮反応はさらに減弱された. 以上の実験成績より, 抗原投与により, モルモット感作気管組織からは主としてロイコトリエンとヒスタミンが, 肺組織からは主としてロイコトリエン, ヒスタミン, セロトニンが産生・放出される可能性が示唆された.
  • 気管支肺胞洗浄による検討
    杉本 峯晴, 中嶋 博徳, 安藤 正幸, 西 隆二, 興梠 博次, 島津 和泰, 菅 守隆, 荒木 淑郎
    1985 年 23 巻 9 号 p. 1024-1029
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    眼科的所見からサルコイドーシスを疑われて内科に紹介された患者で, 胸部写真に異常が認められない11例を対象に診断の目的で気管支肺胞洗浄を行いその所見を検討した. その結果6例では正常所見であったが, 5例にリンパ球比率の増加 (26~51%), あるいはT紬胞サブセットの異常 (OKT4+細胞比率の増加, OKT8+細胞比率の減少, OKT4+/OKT8+比の上昇) が認められた. これらの5例に経気管支肺生検を施行し3例にサルコイドーシスの組織学的診断を行うことができた. 一方, 末梢血Tリンパ球のサブセットおよび血清ACE活性はすべて正常範囲にあり, サルコイドーシスの存在を推測する指標にはならなかった. 以上より, 正常胸部写真を示すブドウ膜炎患者ではサルコイドーシスが疑われる場合には気管支肺胞洗浄細胞の解析が本症の診断に役立つものと考えられた.
  • 金森 一紀, 岡藤 和博, 藤村 政樹, 越野 健, 西岡 真二, 魚谷 浩平, 吉田 喬, 松田 保
    1985 年 23 巻 9 号 p. 1030-1035
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    55歳の男性, 自己免疫性溶血性貧血にて8年間ステロイド投与を受けていたが, 呼吸困難を認め胸部X線写真にて間質陰影の増加を呈し経気管支肺生検にて間質性肺炎と診断された. 2ヵ月後に増悪をきたし, 気管支肺胞洗浄にてリンパ球の増加, OKT4+細胞の増加を認めた. 血清中サイトメガロウイルス抗体価は32倍であった. プレドニゾロン増量でも充分な改善は得られず, アザチオプリンを併用したが著変なかった. 8ヵ月後発熱とともに間質性肺炎が再度増悪し, パルス療法やサイクロホスファマイドを使用したが呼吸不全にて死亡した. 剖検にて著明や間質性肺炎と cytomegalic inclusion body が広範にわたって認められ, サイトメガロウイルス肺炎の合併が示唆されたが, その発症には免疫抑制剤やパルス療法が関与していると考えられた.
  • 西村 正治, 鈴木 章彦, 中野 郁夫, 与沢 宏一, 阿部 庄作, 川上 義和
    1985 年 23 巻 9 号 p. 1036-1040
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    1年半程前から家兎をペットとして飼育している31歳男性が, 約7ヵ月前から反復する喘息発作のため入院した. 入院後症状は寛解したが, 入院時に末梢血で好酸球増多があり, 血清IgEは著増していた. 皮内反応では兎毛抗原に対して15分後および6時間後に陽性で血清沈降抗体も陽性. 兎毛抗原の吸入誘発試験により, 吸入直後と吸入6~8時間後にピークを持つ典型的な二相性喘息反応を証明しえた. 試験外泊による環境曝露試験の際に2日目から発熱, 咳嗽, 喀痰, 軽度の喘鳴が出現し, 5日後の胸部レ線検査で両肺びまん性浸潤影を認めた. 以上より本症例は兎毛抗原によって発症したPIE withasthma とも診断できる症例であり, 過敏性肺臓炎やアレルギー性気管支肺アスペルギルス症との異同について考案を加えた.
  • 鈴木 幹三, 山本 和英, 岸本 明比古, 早川 富博, 山本 俊幸
    1985 年 23 巻 9 号 p. 1041-1046
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    ピペラシリン (PIPC) による薬剤誘起性肺炎の2例を報告した. 症例1は64歳, 男性. 肺炎に対しPIPC治療22日目より弛張熱が出現, 胸部X線写真でスリガラス様陰影と胸水を認め, PIPCの投与中止により軽快した. 症例2は79歳, 男性. 肺炎のためにPIPC治療11日目より間歇熱が出現, 胸部X線上スリガラス様陰影が認められ, この陰影は消退傾向を示したが消長した. PIPCをセフメノキシム (CMX) に変更したところ解熱, 胸部X線所見も軽快した. 両症例とも, 臨床経過およびリンパ球刺激試験 (LST) がPIPCに陽性を示したことより, PIPCによる薬剤誘起性肺炎と診断した. PIPCによる薬剤誘起性肺炎の最初の報告例と思われる.
  • 綾部 公懿, 高平 良二, 川原 克信, 母里 正敏, 石橋 経久, 横山 忠弘, 田川 泰, 山下 三千年, 富田 正雄, 斉藤 厚, 原 ...
    1985 年 23 巻 9 号 p. 1047-1051
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は45歳の女性で検診にて胸部レ線上, 異常影を発見された. 胸部レ線上中肺野末梢側に胸壁に接する境界明瞭な淡い均等性の半球上の陰影がみられ, CTスキャン検査により, 陰影は均等性でそのCT値が-140と正常脂肪組織に近似していたことより胸腔内脂肪腫 (胸壁型) が疑われた. 開胸術により腫瘍は容易に摘出され, 組織検査にて良性脂肪腫と診断された. 本邦における胸腔内脂肪腫報告例のうち胸壁型の症例を中心に検討し, 特にその診断においてCTスキャン検査が有用であることを報告した.
  • 気管支肺胞洗浄法の有用性
    岡 三喜男, 野口 雄司, 松本 好幸, 鶴川 陽一, 河野 謙治, 荒木 潤, 峯 豊, 神田 哲郎, 斉藤 厚, 原 耕平, 塚崎 邦広 ...
    1985 年 23 巻 9 号 p. 1052-1058
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    悪性疾患 (肺癌, 悪性の血液疾患) とステロイド治療中のサルコイドーシス患者に併発した, Pneumocystis carinii 肺炎 (PC肺炎) の5例を経験した. いずれの症例も, 低酸素血症と両側びまん性陰影を有していた. 全例に, 酸素投与下でBALを行い, うち2例にTBLBを併用し, いずれの検体からも Pneumocystis carinii を証明した. 合併症として, 2例にBALによると思われる一過性の発熱をみとめたが, 重篤な合併症はみられなかった. PC肺炎の診断手段として, BALは, 簡便かつ安全に, 短時間で, しかもベッドサイドで施行できる有用な検査法と考えられた. さらに, BALFでの細菌, 真菌, ウイルスの検索, 細胞診などを行うことにより, BALの免疫不全患者における呼吸器合併症の診断に価値が高められるものと考えられた.
  • 高瀬 恵一郎, 大谷 信夫, 北川 駿介, 前川 裕, 松田 正史
    1985 年 23 巻 9 号 p. 1059-1064
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    67歳, 男性, 血痰を主訴として来院し精査の結果原発性膵癌の肺転移であることがわかった. 入院50日目頃より急性腎不全を併発した. 時を同じくして左側胸・腹部の浮腫, 左腹部痛と共に左にのみ限局した胸水貯留をみた. 胸腔穿刺にて著明な低蛋白と尿素窒素, クレアチニン高値を示した液体が得られた. 腹部CTスキャンを施行したところ右腎嚢胞と左腎周囲の urinoma がみられた. 経皮的左腎瘻設置術を行い尿を排出した結果, 血清BUN・クレアチニンは急速に低下した. それと共に浮腫も胸水も急速に消失し, また腹痛も消えた. 30日後, 誤飲のため急死. 剖検にて左尿管の癌浸潤による閉塞が確認された. 臨床経過より urinoma から進展した urinothorax であると診断した. 本疾患は非常に稀であり我々の報告は本邦では初めてである.
  • 岡 三喜男, 河野 謙治, 神田 哲郎, 斉藤 厚, 原 耕平, 鮫島 恭彦, 松本 道彦
    1985 年 23 巻 9 号 p. 1065-1069
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    39歳, 男性. 両側中下肺野にびまん性浸潤影を有し, TBLBでクリプトコッカスを証明した. 肺クリプトコッカス症として治療し, 一旦改善の傾向にあったが, 陰影の増悪をきたし死亡した. 剖検で悪性リンパ腫が, 両肺にびまん性に浸潤し, これに併発した肺クリプトコッカス症であることが明らかとなった.
  • 1985 年 23 巻 9 号 p. 1070-1077
    発行日: 1985/09/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
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