日本胸部疾患学会雑誌
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29 巻, 4 号
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  • 伊奈 康孝, 高田 勝利, 宮地 厚雄, 野田 正治, 佐藤 俊英, 羽柴 初美, 伊藤 伸介, 飯島 直人, 山本 正彦, 森下 宗彦, ...
    1991 年 29 巻 4 号 p. 407-412
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシス (サ症) と肺結核症患者 (Tbc) において単球及び肺胞マクロファージ (AM) 上のIL-2レセプター (IL-2R) の発現状況とその発現機構につき検討した. 正常者単球にはIL-2Rは発現していなかったが, サ症, Tbcの単球上には発現していた. サ症, TbcのAM上IL-2Rは正常者AM上IL-2Rに比べて有意に増強していた (p<0.01, p<0.01). 又, サ症, Tbcで増加していると報告されているIFN-γより, 正常者単球上にIL-2Rが誘導され, AM上IL-2Rは発現が増強された. この誘導能は, protein kinase C inhibitor と calmodulin antagonist により阻止された. 又, calcium ionophore と protein kinase C activator であるPMAにより, 単球上IL-2Rは誘導された. 以上より, サ症, Tbcにおける単球, AM上IL-2Rの誘導, 増強にはIFN-γが関与している可能性が考えられ, IFN-γはIFN-γレセプターに結合後 protein kinase C 系と calcium-calmodulin 系の2系を介してIL-2Rを発現すると考えられる.
  • 永田 真, 田部 一秋, 保谷 功, 木内 英則, 坂本 芳雄, 山本 恵一郎, 土肥 豊
    1991 年 29 巻 4 号 p. 413-419
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    化学伝達物質遊離抑制薬レピリナストがテオフィリンの体内動態に対して影響を及ぼすか否かを明確にする目的で, 気管支喘息患者10名を対象にレピリナスト300mg/日を2週間投与した前後でアミノフィリンの静脈内投与による loading test を行ない, テオフィリンの薬物動態値の変動の有無を検討した. その結果, レピリナスト投与前後のテオフィリンの半減期は各々7.25±2.43hrならびに7.82±3.35hrであり, 有意な変動は認められなかった. レピリナスト投与前後のテオフィリン・クリアランスは各々0.047±0.018l/kg/hrならびに0.047±0.020l/kg/hrであり, 有意な変動は観察されなかった. 統計上レピリナストはテオフィリンの体内動態を修飾しないことが判明した.
  • 藤下 雅敏, 片岡 隆策, 小林 誠, 三好 勇夫
    1991 年 29 巻 4 号 p. 420-428
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    アスペルギローマを除く肺真菌症32例につき臨床的検討を加えた. 主原因となった真菌はアスペルギルス, カンジダ, クリプトコッカス, トリコスポロン, ムコールがそれぞれ14, 8, 4, 4, 2例であった. アスペルギルス, カンジダ, ムコールは全例院内感染であった. トリコスポロン, クリプトコッカスは3/4が院外感染であり, 前者の2例は外泊時に感染したと思われた. 肺以外の臓器感染はアスペルギルスでは4/14にあったが, カンジダ, クリプトコッカス, トリコスポロンでは全例に存在した. 胸部X線写真ではアスペルギルスの air-crescent sign と, 胸膜を底とする限局性浸潤影で始まりしだいに大葉性肺炎影に進展する所見が特徴的であった. このような陰影をみた時はすみやかに amphotericin B を投与すべきである. びまん性粒状影はアスペルギルス, カンジダ, トリコスポロンにみられ, 特に院外感染の時は imidazoles, triazoles を考慮すべきである.
  • 赤柴 恒人, 佐々木 巌, 倉科 桂司, 吉沢 孝之, 大塚 健蔵, 堀江 孝至
    1991 年 29 巻 4 号 p. 429-434
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    ポリソムノグラフィーで確診された, 閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSAS) 15例の上気道 (上咽頭~下咽頭) を, 覚醒時に, computed tomography (CT) で検索し, 気道面積を算出した. 健常者4例についても, 同様にCTを撮り, 最も狭い気道面積 (minimum area: MA) を比較すると, OSASでは14.7±20.0mm2,コントロールは80.0±33.1mm2で, 両者間に有意差 (p<0.01) を認めた. MA領域は, 4例は下咽頭に, 11例は中咽頭に認められ, コントロールでは, 全例中咽頭に認められた. MAと年齢, 体重, ポリソムノグラフィー上の異常呼吸の指標との相関を検討したが, いずれも相関を認めなかった. 10cmH2Oの圧で鼻CPAP (NCPAP) を施行中にCTを同様の条件で撮影し, 気道面積を比較した. NCPAPにより, 全上気道面積の増加が認められ, MAも有意な増加 (p<0.01) が認められた.
  • 中沢 浩二, 山崎 晃, 谷口 正美
    1991 年 29 巻 4 号 p. 435-438
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    気管支喘息患者60例 (男子30例, 女子30例) の血清総コレステロール, 中性脂肪, HDL-コレステロール (HDL-C) LDL, VLDL, ApoA1, A2, FB, 動脈硬化危険指数等を測定し対照161例と比較検討した. 喘息患者は血清総コレステロール中性脂肪, LDL, VLDL, Apo 蛋白B, 動脈硬化危険指数等が対照に比し低くHDL-C, Apo A2, が高値であった. 9年間観察しえた喘息患者の1例では症状の改善と共に血清総コレステロールの上昇とHDL-Cの低下をみた.
  • 宮沢 輝臣, 胤森 信宏, 内海 敏雄, 片山 繁, 古川 典子
    1991 年 29 巻 4 号 p. 439-443
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    成人呼吸窮迫症候群 (ARDS) 5例に対して末梢肺動脈造影 (BOPA) を施行し, 内腔欠損・血管中断像 (PAFD) を4例に認め, 同時に肺高血圧症, 肺血管抵抗増大およびDICを認めた. PAFDはこのような急性肺損傷における指標として病態の把握に有用であると考えた. さらにPAFDを認めた4例に urokinase を注入し, そのうち3例にBOPAで血管再開通を認めた. またDICに対しては, heparin および gabexate mesilate を投与し有効と考えた. 以上よりARDSの肺血栓・塞栓症における抗凝固・血栓溶解療法の重要性が示唆された.
  • 宮崎 英士, 津田 富康, 鬼塚 徹
    1991 年 29 巻 4 号 p. 444-451
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    基礎疾患を有さない原発性肺クリプトコッカス症の肺病巣組織に対し, 各種モノクローナル抗体を使用して免疫組織化学的に詳細に検討した. 光顕像では, 中心部に巨大な壊死組織がみられ, その周囲に典型的な類上皮細胞肉芽腫が多数認められた. 病巣部にはTリンパ球が散在性に分布し, そのうちOKDR (+), γ-IFN (+), 1L-2R (+) を示す活性化リンパ球の存在が認められた. CD4/CD8比は2.0で, CD4優位の浸潤を示し, 肉芽腫形成にCD4陽性細胞優位であることが重要な条件と考えられた. また, 肉芽腫近傍には, CD21 (+), CD24 (+), s-IgD (+) 及びs-IgM (+) を示すBリンパ球の集団が認められ, 病巣局所でのBリンパ球の増殖が考えられた. 病巣周囲の肺胞腔内肺胞マクロファージはCD11 (+), CD36 (-) を呈し, その一部はIL-1 (+) を示した. 一方, 類上皮細胞もCD11 (+), CD36 (-) を示し, 一部はIL-1 (+), IL-2R (+) を示した. また, CD1陽性に染まるランゲルハンス巨細胞が散在性に認められた.
  • 三嶋 理晃, 杉浦 直治, 福永 隆文, 川上 賢三, 田中 瑩子, 筒井 多佳志, 西村 浩一, 久野 健志
    1991 年 29 巻 4 号 p. 452-459
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    ボディーボックス内で安静呼吸をしている被験者の box flow (Vb) と mouth flow (Vm) の位相差をVb-Vmループの面積から算出する方法を考案し, これを各種肺疾患患者について比較検討した. その結果, 慢性肺気腫 (CPE) やびまん性汎細気管支炎 (DPB) 等の閉塞性障害群では正常群に比較して有意に高値を示していた. これに対して間質性肺炎 (IP) では正常範囲であった (正常: 3.76±1.71度, CPE: 10.70±4.93度, DPB: 10.81±3.15度, IP: 3.83±0.15度). また閉塞性障害を示す肺機能の指標と良好な相関を認めた (1秒量, 1秒率, 残気率との相関係数: -0.634, -0.610, 0.803). 本法は安静換気状態で閉塞性肺疾患の重症度を把握できる検査法として臨床的に有用であると思われる.
  • prednisolone 連日服用後の aminophylline ならびに epinephrine 注射による呼吸機能改善効果の検討
    戸田 正夫, 本島 新司, 福田 健, 牧野 荘平
    1991 年 29 巻 4 号 p. 460-468
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    SAB像上鑑別された, 25名の慢性肺気腫ならびに慢性型気管支喘息 (CAB*3) 患者において, predonisolone 連日経口投与後の aminophylline 静脈注射および epinephrine 皮下注射 (PAE治療*4) による閉塞性換気障害の改善効果を比較検討した. 喘息様発作性呼吸困難を伴う肺気腫患者 (WPE*1) 群には, VC, RV, RV/TLC, FVC, FEV1.0, PFRおよびV75に喘息群と同程度の改善を認めたが, 発作を伴わない肺気腫 (UPE*2) 群には, 同様の効果は認められなかった. PAE治療後のWPE群における%-FEV1.0, FEV1.0%, %-MMF, %-V75, %-V50, %-V25, %-DLcoおよび%-DLco/VAは, CBA群に比し, 明らかに低値を示した. よって, WPE患者群において, 喘息に類似した可逆性気道収縮の存在が明らかとなったが, 気管支拡張剤投与により得られる寛解時点でも, 呼吸機能の異常は, 気管支喘息患者に比較し, 高度であり, 特に肺拡散能は, 両者の鑑別に有用となりうると考えられた.
  • 前原 忠史, 小林 英夫, 兼子 耕, 成清 卓二
    1991 年 29 巻 4 号 p. 469-476
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    肺原発のT細胞性悪性リンパ腫の1例を報告した. 症例は70歳女性, 発熱, 咳嗽, 喀痰を主訴とし, 左下葉全域を占める腫瘤影と胸水を認めた. 気管支鏡にて, 左B10入口部のポリープ状腫瘤と粘膜下進展が観察され, 生検組織では小型リンパ球様細胞の増殖, 浸潤像が認められた. リンパ球様細胞は pan B 細胞抗体に陰性で, pan T 細胞抗体に陽性を呈し, T細胞の monoclonal な増殖と考えられた. 他臓器には腫瘍の存在を指摘しえず, 肺原発のT細胞性悪性リンパ腫と診断した. CT像から算出した腫瘍の doubling time は134日であった. 化学療法により腫瘍の縮小 (PR) が得られた. 従来, 肺原発悪性リンパ腫の多くはB細胞性と考えられてきた. リンパ節原発の悪性リンパ腫と同様に, 免疫組織化学的検討の導入は, 肺原発悪性リンパ腫として一括されていた病態を, さらに明確化しうるものと考えられた.
  • 中澤 秀喜, 黒澤 一, 中山 勝敏, 圓谷 智夫, 渡辺 一, 林 雅人, 松岡 富男, 志村 早苗
    1991 年 29 巻 4 号 p. 477-481
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は51歳女性. 検診の胸部X線写真で左側気胸を指摘され来院. 当科入院時, 中等度の左側気胸と同側の少量の胸水貯留が認められた. 胸部X線写真及びCT上原因となるブラ及び胸膜肥厚が見られず自然気胸に伴う胸水という判断で2回にわたり脱気を行ない軽快した. 1ヵ月の入院後, 外来経過観察となったが, 2ヵ月後, 胸水貯留が著明となったため再入院. 胸水は血性でなくやや白濁した浸出液で, 真菌, 一般細菌及び結核菌が陰性, 更に細胞診で悪性所見はみられなかった. しかし, 胸水のヒアルロン酸が高値を示し, 胸水が増加傾向を示すため, 開胸下の胸膜生検を施行して悪性中皮腫と確定診断された. 本例は来院時, 自然気胸と類似した臨床像を呈した, 極めて稀な悪性胸膜中皮腫である.
  • 石田 直, 松村 栄久, 三宅 淳史, 和澤 仁, 玉田 二郎
    1991 年 29 巻 4 号 p. 482-486
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    脾膿瘍の合併が疑われた多発性肺動静脈瘻の1例を報告した. 症例は51歳, 女性. 発熱を主訴として入院. 胸部X線写真上, 多発性の腫瘤状影を認め低酸素血症がみられた. 抗生剤治療に加えステロイド剤を投与して症状の改善をみた. 肺動脈造影で左右2個ずつの動静脈瘻を認めた. 経過中, 腹部エコー, 腹部CTにて脾臓内部に不均一な低吸収領域が認められ, これは炎症所見の改善と共に消失し, 臨床経過より脾膿瘍が疑われた. 肺動静脈瘻に脳膿瘍等の感染症を合併することは知られているが, 脾膿瘍との合併の報告はなく興味深い症例と思われた.
  • 迎 寛, 石田 一雄, 小田 英俊, 崎戸 修, 織田 裕繁, 千住 玲子, 平谷 一人, 福島 喜代康, 宮崎 幸重, 小森 清和, 河野 ...
    1991 年 29 巻 4 号 p. 487-494
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は69歳男性. 発熱, 咳嗽のため近医を受診し, 胸部X線上異常影を指摘された. 抗生剤の投与を受けたが, 自覚症状ならびに陰影が悪化し, 急性呼吸不全を呈したため当科に入院した. 入院後気胸を併発し, 外科的に気胸縫縮術を施行するとともに肺生検が行われ, 病理組織学的にBOOPと診断された. ステロイド治療で寛解し, プレドニン5mgによる維持療法を行っていたが, 約2年後にBOOPの再燃がみられた. 再燃時もステロイドの増量により寛解し得たが, 肝機能の低下がみられ, 最終的には肝不全で死亡した. 本例はBOOP発症前にアプリンジンが新たに投与されており, DLSTも疑陽性であったため, 薬剤性のBOOPの可能性も考えられたが, 薬剤中止後ステロイドを維持していたにもかかわらず再燃がみられた点は, 薬剤性というより本態性のBOOPを示唆すると考えられた. また本例は発症時より再燃まで約2年間にわたる経過を観察することができ, 興味ある症例であった.
  • 中野 豊, 佐藤 篤彦, 岩田 政敏, 岡野 昌彦, 早川 啓史, 千田 金吾, 本田 和徳
    1991 年 29 巻 4 号 p. 495-500
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    50歳, 男性. 健康診断において胸部X線上異常陰影を指摘された. 右上肺野の異常陰影は, 経気管支的肺生検により, 肺癌 (腺癌T1N0M0) と診断され, 右上葉切除術が行われた. 一方, 現病歴や入院時理学的所見から, 性腺機能低下症, 慢性関節リウマチおよび間質性肺炎の合併を疑い, 内分泌学的検査, 染色体分析, 免疫学的検査を施行した. また, 開胸手術時に肺生検も併せ行った. その結果, Klinefelter 症候群, および慢性関節リウマチに伴う間質性肺炎との診断を得た. アレルギー疾患として気管支喘息の既往を有する本症例では, Klinefelter 症候群がとる染色体異常, 内分泌異常により免疫学的監視機構に変調をきたし, 悪性疾患 (肺腺癌)および自己免疫疾患 (慢性関節リウマチ) を合併したと推察される.
  • 織田 裕繁, 松竹 豊司, 崎戸 修, 迎 寛, 千住 玲子, 門田 淳一, 福島 喜代康, 平谷 一人, 小森 清和, 廣田 正毅, 原 ...
    1991 年 29 巻 4 号 p. 501-506
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    約2週間の急速な経過で改善した肺野型サルコイドーシスの1例を報告した. 症例は35歳男性で, 気管支喘息の精査中スルピリン吸入試験を施行したのち外泊し, 帰院後胸部X線上のびまん性粒状陰影と発熱で発症し, 過敏性肺臓炎や薬剤性肺臓炎との鑑別が問題になった. 気管支肺胞洗浄液ではCD4/8比が6.2と上昇し, 経気管支的肺生検と前斜角筋リンパ節生検で非乾酪性肉芽腫が証明され, サルコイドーシスの診断が得られた. 本症例は, その陰影が2週間後に無治療にて軽快した. 肺野型サルコイーシスの発症と自然経過としては, 稀な症例と思われた.
  • 多部田 弘士, 廣島 健三
    1991 年 29 巻 4 号 p. 507-511
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    重複上大静脈に下大静脈欠損を伴う Kartagener 症候群の1例を経験した. 39歳, 男性, 肺炎で入院. mirror-image dextroeardia を伴う完全内臓逆位であり, 電顕的に気管支線毛の inner dynein arm が欠損し, 鼻粘膜線毛輸送能は低下していた. McCotter II型の重複上大静脈を有し, 右上大静脈は拡張した冠状静脈洞を経て解剖学的右心房に還流していた. 下半身の血流は (半) 奇静脈連結を経て右上大静脈に還流していた. 文献上, 本例類似症例は見い出し得ず, 各種形態異常の成因として胎生期の線毛運動異常との関連が示唆され, 病態成因論的にも興味が持たれた.
  • 梅山 恵司, 熊谷 融, 榎本 和弘, 岡田 達也, 松梨 達郎, 川口 真知子, 吉本 崇彦, 平尾 文男, 玉井 正光, 渡辺 雅俊, ...
    1991 年 29 巻 4 号 p. 512-516
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は63歳女性. 2年4ヵ月の特発性間質性肺炎 (IIP) の経過中に全身倦怠感, 体重減少, 血痰, 呼吸困難の増悪のため入院. 胸部X線写真にて右中下肺野と左中肺野に粗大輪状影を認め, 胸部CT像では, 両側下葉背側面に蜂窩構造がみられた. 血中CA19-9の異常高値があり, 経過とともに増加した. 喀痰細胞診で陽性を認め, 剖検にて乳頭型腺癌・肺胞上皮細胞型を, 免疫組織染色にてCA19-9の癌細胞表面分布を証明した.
  • 1991 年 29 巻 4 号 p. 517-521
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 29 巻 4 号 p. 522-546
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 29 巻 4 号 p. e1
    発行日: 1991年
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
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