頸静脈孔部腫瘍48症例の経験に基づいて,臨床上の特徴,手術法,下位脳神経機能を中心とした手術成績と転帰について報告した。手術はtransjugul arapproachを基本としたが,腫瘍の進展状況に応じて他のアプローチを併用した。手術死亡例はないが,転移性腫瘍3例,ユーイング肉腫1例,形質細胞腫1例はいずれも術後3~15ケ月以内に腫瘍再発で死亡した。頸静脈孔神経鞘腫25例の下位脳神経機能の転帰;舌下神経麻痺は腫瘍摘出によって4/7で改善がみとめられたが,9,10,11th.nに関しては改善例はなく,それぞれ28%,24%,12%に悪化が認められた。初発症状で最も高頻度に認められた難聴は,12/14で不変,2/14で悪化した。
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