p16陽性中咽頭癌は治療に奏効することが多く,予後良好な疾患として知られている。今回われわれは,当科におけるp16陽性中咽頭癌Stage Ⅲ症例の初回治療の選定について検討した。
初回治療は化学放射線療法(Chemoradiotherapy=CRT)13例,導入化学療法(Induction chemotherapy=ICT)3例,手術2例,その他5例であった。全体の5年粗生存率(OS)は78%,5年無再発生存率(RFS)は69%で,初回治療別(CRT/ICT/手術/その他)5年OS:77%/67%/50%/100%,5年RFS:69%/67%/0%/100%であった。
本検討症例のp16陽性中咽頭癌Stage Ⅲに対するCRTおよびICTでの治療成績はともに70%程度と比較的良好であった。検討の結果,20 pack-years以上の喫煙と60歳以上の症例は予後不良であることが伺えた。
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