β
2ミクログロブリンの除去をひとつの目的として市販されているいわゆるハイパフォーマンス・メンブレンによるダイアライザー(HPM)5種類と, 従来の透析膜によるダイアライザー(CDM)の8種類について, クリアランス, 限外濾過率ならびに分子量89から900,000におよぶ生理活性物質を含む22種類の物質を指標として, 篩係数を測定し, cut-off pointについて評価した. その結果, CDM群に比較してHPM群では, 平均してクリアランスが14%低く, 限外濾過率は6倍と高い値を示した. PMMA膜を除くHPMではβ
2ミクログロブリンに対する%篩係数は38.2%から64.0%と高かった. しかし, アルブミンや各種ホルモンの濾過率もまた高く, なかにはIg-Gの漏出を認める膜もみられた. β
2ミクログロブリンの除去のみならず生体有用物質の喪失を考慮すると, HPMの臨床使用には慎重であるべきことが示唆された.
抄録全体を表示