人工臓器
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25 巻, 3 号
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  • 三澤 吉雄, Ray C-J CHIU, 上沢 修, 長谷川 嗣夫, 布施 勝生
    1996 年25 巻3 号 p. 749-752
    発行日: 1996/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    拡張型心筋症を対象としたDynamic Caldiomyoplastyの臨床応用により, 術後の臨床症状や心収縮力の改善などが報告されている。本術式の循環補助メカニズムとしては心収縮補助のみならず, 広背筋被覆そのものによる心拡張予防効果や心筋壁応力減少効果などの関与が示唆されている。われわれは, Dynamic Cardiomyoplastyがこれらの相互作用により不全心臓のremodelingにも影響して心臓の拡張を防止し, また心臓の収縮力を改善すると考えている。本術式には被覆した広背筋のconditioningに約2ヵ月を要する点, 原疾患に起因する術後の不整脈死対策として骨格筋刺激装置にautodefibrillatorを内臓することが望まれるなど改善すべき点があるものの, donorを必要としない点, 免疫抑制剤に起因する合併症の心配が全くない点, 侵襲の少ない手術である点などのメリットがあり, 心不全の外科治療のひとつとして期待できる。
  • 西原 克成, 丹下 剛, 松田 良一, 瀬野 久和, 梁井 皎, 藤井 和子, 田中 順三, 広田 和士
    1996 年25 巻3 号 p. 753-758
    発行日: 1996/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    著者らは、系統発生学・個体発生学と生体力学、分子遺伝学の三者を統合したTrilateral Researchにより実験進化学手法を考案した。すなわち、現生の動物を用いて、生体材料に進化の過程で発生した生体力学刺激を加え、細胞レベルで組織を誘導する手法を開発した。この新手法により、脊椎動物の遺伝と免疫現象を研究した結果、免疫系が「細胞レベルの消化を中心とした同化・異化のシステムに相当する」という新しい概念を提唱した。この手法により、ヒドロキシァパタイトチャンバーを用いて、ハイブリッド型の人工骨髄造血巣の誘導に、哺乳類のみならず生きている化石といわれる内骨格に骨髄腔を持たない古代魚サメを用いた実験においても成功した。また、生体力学刺激によるセメント芽細胞の誘導にも成功した。さらに、この手法の応用により、自家肝臓・膵臓のin vivoの組織培養を試みた。
  • 許 俊鋭, 上田 恵介, 宮本 直政, 元山 猛, 横手 祐二, 朝野 晴彦, 荻原 正規, 半田 宣弘, 見目 恭一, 関口 敦, 尾本 ...
    1996 年25 巻3 号 p. 759-764
    発行日: 1996/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    過去4年間にDCM4例にVAS治療を施行し、3例に国循型、1例にTCI社製VASを使用した。術前の左室駆出率は平均12.5%、心胸比は平均69.3%で、術前3例にIABPおよびPCPS補助が施行された。術前心停止症例はVAS補助後も意識回復せず第14病日に死亡した。3例は術後2日以内に人工呼吸器より離脱し、腎機能は1~2週間、肝機能は3~4週間で回復し、2~4週間で歩行可能となった。国循型2例では左室機能の回復は見られず、43日、44日目に死亡した。TCI症例では著明な左室機能の改善が見られたが、26日目にポンプ脱血管より大量出血し40日目に死亡した。末期的DCM症例4例にVAS治療を施行し3例は1カ月以上生存した。特にTCI-VASは左心機能の回復にも有効であった。しかし、補助1カ月後より右心不全の進行や出血などの合併症が見られ、更なる臨床経験の蓄積が必要と考えられる。
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