農業農村工学会論文集
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82 巻 , 3 号
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研究論文
  • 内村 求, 杉浦 未希子, 石井 敦
    2014 年 82 巻 3 号 p. 133-139
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/06/25
    ジャーナル フリー
    資源節約は21世紀の世界的課題となっており, 灌漑においても効率的水利用による「節水」が求められている.本稿では, 水田灌漑において節水効果が期待されている従量制による水利費賦課方式について, 三重用水地区を対象に実態を分析し, その節水効果を検討した.結果として, 平水時は従量制によって水源(元圦)からの取水量が節水されるが, 従量制の節水効果がもっとも期待される渇水時には取水量が増加し, 従量制の節水効果は認められないことが確認された.また, 渇水時において従量制が直ちに節水効果に結びつかなかった理由として, 1)基本料金制でかつ超過取水に対する料金が安く, 水利費の徴収単位期間が1年間と長いという料金体系によること, 2)加えて本地区の場合, 補給灌漑地区であるという用水事情があることを明らかにした.
  • 薗部 礼, 谷 宏, 王 秀峰, 小林 伸行, 島村 秀樹
    2014 年 82 巻 3 号 p. 141-146
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/06/25
    ジャーナル フリー
    作物の生育期に観測されたTerraSAR-Xデータを用いて北海道十勝地方における作付作物の分類を実施した.サポートベクターマシンは少数のトレーニングサンプルを用いて高い精度で分類することができるため, 幅広く使用されてきている.しかし, 良好な精度を得るためにはパラメータの調整が必要である.そこで, 本研究ではサポートベクターマシンを活用する上で最適なパラメータを検討し, 分類を実施した.
    2009年5月2日から2009年11月5日にTerraSAR-Xによって観測された16シーンを用いることによって, HH偏波を用いた場合は92.9%, VV偏波を用いた場合は91.7%の全体精度を達成することができた.また, HH, VV偏波ともに, 6月4日, 6月26日, 7月7日及び7月18日に取得された4シーンを用いることによって, 分類結果においてほぼ完全な一致(κ>0.80)を達成することができた.しかし, トウモロコシ圃場を抽出するためには, より多くのシーン(HH偏波では6シーン, VV偏波では8シーン)が必要であった.
  • 皆川 裕樹, 増本 隆夫, 工藤 亮治
    2014 年 82 巻 3 号 p. 147-156
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/06/25
    ジャーナル フリー
    ある閾値を超える雨量規模を持つ豪雨を対象として, その総雨量と内部波形の模擬発生手法を開発した.本手法は豪雨回数の発生, 各イベントの総雨量の決定, 総雨量の1時間雨量系列への配分, 内部波形パターン発生の4手順から成り, 必要なパラメータは実測豪雨より推定する.例えば模擬発生期間を100年として得られた305個の豪雨データを実測豪雨と比較した結果, その発生頻度および雨量の強度分布をよく再現できることが示された.一方, 内部波形の模擬発生では, 相関性を備えた擬似雨量から成る参照波形を新たに発生させ, それを基準に雨量値を並べ替える点が特徴である.これらにより得た多様な波形パターンは実測に近い自己相関性を備えており, 豪雨の内部波形特性までも再現できることが確認された.本手法により, 気候変動を想定した計画降雨波形や短期集中波形等の模擬発生も可能となる.
  • 澤田 豊, 園田 悠介, 小野 耕平, 井上 一哉, 毛利 栄征, 有吉 充, 河端 俊典
    2014 年 82 巻 3 号 p. 157-163
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/06/25
    ジャーナル フリー
    近年, 耐用年数を迎える農業用管路の増加に伴い, 非開削での施工が可能な管路更生工法の採用が進展している.しかしながら, 更生管の力学挙動は未解明で, 設計手法も確立されていない現状にある.更生工法では, 老朽化した既設管を撤去せずに管路を更新するため, 半永久的に更生管外周に既設管が残存する.本研究では, 既設管損傷レベルと荷重条件を変化させた土中埋設実験を実施し, 既設管が更生管力学挙動に与える影響について検討した.その結果, 既設管損傷レベルの進行に伴い, 更生管のたわみが増大することが明らかになった.また, 損傷状態によっては, 既設管と更生管が点接触することで, 局所的に卓越したひずみが発生することがわかった.さらに, 地表面偏心荷重の場合, ひずみが卓越する箇所が損傷レベルにより異なることが明らかになった.
研究報文
  • 柿野 亘, 伊藤 寿茂
    2014 年 82 巻 3 号 p. 165-172
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/06/25
    ジャーナル フリー
    栃木県東部に位置する喜連川丘陵に属する谷津水路で, 路肩の崩れによる水路の閉塞で隣接する水田への氾濫および水路下流での水涸れが発生した.この水路に生息するヨコハマシジラガイの生息に与えた影響を調べるために2012年2月19日に6コドラート内での採捕調査, 環境調査, 2月18日, 12月9日に地権者へのヒヤリングを実施した結果から次の知見が得られた.1)少なくとも10日間の水涸れによる斃死率は0.29であった.2)生残率と平均中層深さ, 最深中層深さには有意な正の相関関係が認められた.3)表層での斃死率が最も高く, 斃死個体は凍死した可能性がある.地権者らによる共同作業によって水涸れは比較的短期間で解消されたが, 今後, 水路の維持管理の不徹底な状況が継続すると, 本種の生息環境や水路生態系の変質につながると懸念された.
  • 有森 正浩, 林 春奈
    2014 年 82 巻 3 号 p. 173-179
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/06/25
    ジャーナル フリー
    北海道芽室地区のキャベツ畑の40cm厚土壌を対象として, タンクモデル法を用いて過去49年間(1964∼2012年)の灌漑期間中における土壌水分量と日消費水量を推定した.解析は灌水を行った場合と行わなかった場合の2ケースについて行った.そして日消費水量を目的変数とし, 降水量, 気温, 相対湿度, 風速, 日照時間, 土壌水分量を説明変数とする重回帰分析を行い, 各説明変数が日消費水量に与える影響の強さを標準偏回帰係数により評価した.各気象要素が日消費水量に与える影響の強さは, 灌水の有無にかかわらず, 日照時間が最も大きく, 以下気温, 風速, 相対湿度, 降水量の順番であった.土壌水分量による影響の強さは, 灌水を行った場合には, 相対湿度による影響の強さよりも小さかったが, 灌水を行わなかった場合には, 日照時間による影響の強さを上回る大きなものであったことが示された.
研究ノート
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