本研究では,営農型太陽光発電の設置が進んでいない地域に所在する日帰り温泉施設利用者を対象にアンケート調査を実施し,共分散構造分析により営農型太陽光発電の受容態度の形成要因を解明した.その結果,約1/3の回答者にNIMBY(Not In My Back Yard)傾向がみられた.受容態度への影響要因として,「興味・関心」,「信頼感」,「有用性・必要性」,「不安感」が抽出された.「有用性・必要性」は直接的に正の影響を,「興味・関心」と「信頼感」は間接的に正の影響を,受容態度に与えた.一方で「不安感」は直接的・間接的に負の影響を及ぼした.また,他施設と異なり「信頼感」だけでは「不安感」を抑制できない可能性が示唆された.このため,啓発活動を通じた有用性・必要性の具体的な訴求,対象属性に応じた情報提供,不安要因への具体的対策に関する情報発信が円滑な住民理解の獲得に不可欠である.