生活衛生
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7 巻, 5 号
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  • 1963 年 7 巻 5 号 p. 175-187
    発行日: 1963/10/30
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
  • 村上 靖, 岩村 智和
    1963 年 7 巻 5 号 p. 188-194
    発行日: 1963/10/30
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    過不飽和脂肪酸の代謝におけるヒリドキシンの役割HolmanとWittan (Arch. Biochem. Biophys., 41, 266 (1952)) はリノール酸またはリノレン酸で脂肪欠乏を補つた後ピリドキシン (以下PIN) 欠とPIN補足ラットを比較し, 多量のtetraeneとhexaeneを検出, PINがアラキドン酸へのリノール酸の変換を刺戟すると報告している。そこでKirschmanとConiglio (J. Biol. Chem., 236, 2200 (1961)) はPIN欠乏がアラキドン酸へのリノール酸の変換に特に関係があるかをSprague-Dawleyラット (離乳した) を用い測定している。
    ラットの組織はOxgen-freeN2中96℃加熱し, 10%アルコール性KOHで鹸化, 酸化防止剤としてハイドロキノンを加え試料とし, 全脂肪酸は石油エーテル抽出, 0.004Nアルコール性KOH (指示薬C.P) で滴定, 過不飽和脂肪酸はアルカリ異性化紫外線分光法で測定, 呼気中のC14O2はBaCO3とし, その放射能活性をWindowless Counterで, 脂肪酸のC14活性は塵閃光分光計で定量している。
    その結果PIN補足ラットの飽和脂肪酸とモノ不飽和酸量が欠乏ラットよりも多かつた。このことはPINが一般に脂肪酸の代謝に影響し, PIN欠乏が脂肪への炭水化物の変換を減じるというCarterら (Biochem, J., 49, 227 (1951)) の報告と一致している。またラット中のアラキドン酸量は組織の機能に関係し, PINが特にアラキドン酸へのリノール酸の変換に含まれていることを示していると述べている。
    更に必須脂肪酸代謝にPIN欠乏が特別巷影響を与えるかどうかをリノール酸1-C14を用い測定し, PIN欠乏ラットの肝臓の全脂肪酸量はControlラットよりも低いが, 脂肪酸の腸内吸収に対するPIN欠乏の阻害作用はみられなかつたといつている。
  • 清田 亮夫, 高尾 朔, 田中 薫樹, 外村 佳子
    1963 年 7 巻 5 号 p. 195-200
    発行日: 1963/10/30
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    幼児期の鉛中毒がなおった後の腎臓機能
    今日, 自動車交通量の増加に伴つて排ガス中の鉛による大気汚染が注目されてきた。工場などにおける高濃度曝露と異なり, 低濃度であるため身体への影響は未解決の問題となつている。Lloyd B. Tepper [Arch. Environ. Health; 7 (1), 76, 1963] は鉛中毒患者に病気恢復後に腎臓障害を誘発する例が多いことに注目し, 鉛と腎臓機能の関係について検討した。
    ボストンの3つの主な病院のカルテから20-35年前幼児期に鉛中毒にかかつたことがはつきりしている165名を抽出し, そのうち139名について検討出来た。その後の経過において腎臓病になつた人は1名で, 他はbene neoplasia, 蔓延性筋萎縮, リューマチ性心疾患, 膵臓癌, 中枢神経系異常が多かつた。更に, この中からポストンに近い人42名について腎機能スクリーニング。テストを行なつた。(1) 尿沈澱物: 血尿・膿尿は認めず, (2) クレアチニン・クリアランス: 男子11ml/min, 女子115ml/min (3) 尿濃度: 粘度を測定し1, 052mOsm/liter, (4) 尿中蛋白: 12例は63ng/hr, 30例は2-3mg/hr, (5) 尿中細菌: 陰性, (6) PSP排出テスト: 最初の15分間で39, 4%でいずれの項目も正常との差は殆んどなかった。この結果からは慢性腎臓病は幼児期の鉛中毒の続発症であることは示されなかつた。しかし, Nye (1929年) は34人の腎臓病患者中29人は幼児期に鉛中毒にかかり, それによる腎機能不全が発展したものであることを指摘, Hendersmは1915-1935年の間に鉛中毒になつた401名は, 死亡者165名中101名は腎障害, 存命者187名中20名は蛋白尿, 高血圧であつたことを指摘している。又, MathewsonはQueeuslandの15-30才の慢性腎臓病患者はSydneyの9倍もあり, 死亡者の骨中鉛は他の地域のものより明らかに高いと報告している。
    このように鉛と腎臓機能との関係は明白ではないが, 鉛による空気汚染が増していることと関連して注意を要する問題である。
  • 大柴 恵一, 川北 兵蔵
    1963 年 7 巻 5 号 p. 201-204
    発行日: 1963/10/30
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    食品中のアミノ酸類を微生物法で定量する場合, 試料液中に混在する種々な物質が微生物に対し生育促進作用や抑制作用をおよぼす。したがつてそれらの物質のうち比較的影響が大きいと思われる糖類と合成保存料について検討した。
    1) 糖類ではFructose, Starch solubleの影響が大きく, 特にStarch solubleはいずれの菌株の生育をも著しく促進した。Glucose, Lactoseは一般的に生育を阻害した。
    2) 合成保存料は一般にどの菌株に対しても生育抑制的に作用したが, P. H. B. Eのみが3種の菌株に対し各々異つた作用を示した。
    3) 高濃度のStarch sdubleは誤差の原因となるが, 他のものはいずれも定量値にさほど影響を与えず, 検出率で補正することのできる範囲内にあつた。
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