左門脈の分岐様式は52例中49例(94%)が,門脈水平部からP 2が分かれ,その肝側でP3とP4が共通管となる型である.しかし,左胆管の合流様式は大きく3タイプに分けられ,内側枝が肝門部で合流しそれより肝側のB 2,B 3が共通管となるtype 1が26例(50%),同一部位にB 2,B 3,B 4が合流するtype 2が7例(13.5%),門脈と同様な形式をとるB 3,B 4共通管型のtype 3が15例(29%)であった.それぞれの胆管合流様式ごとに,B2の合流部と門脈臍部との関係を検討すると,type 1では門脈臍部の左側であるが,type 2,type 3ではいずれも門脈臍部の右側であった.B 2胆管とP 2門脈の非並走部の距離は,type 1では0.7±1.9mm,type2では17.3±3.1mm,type3では28.3±7.6mmとtype1が有意に短かった.すなわち,肝門部癌でB2に浸潤がある場合,type 1では右からの切除は困難であるが,type2の同一部合流型,type 3のB 3,B 4共通管型では,右からの切除でも十分根治切除となる可能性がある.術式決定に左肝管合流様式を検討することは極めて有意義であり,胆管枝と門脈枝の相互関係を把握できる胆管門脈同時造影CTは肝門部胆管癌の術前検査として有用であると思われた.
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