超音波パワードプラ法(PD法)の登場により,低速血流の検出能が向上した.そこで,胆嚢壁肥厚性病変の鑑別診断における,PD法(FFT分析を含む)の有用性について検討した.対象は,胆嚢癌16例,急性胆嚢炎95例,肉芽腫性胆嚢炎9例,慢性胆嚢炎20例,胆嚢腺筋症45例で,肝硬変症10例,健常群25例も対照として加えた.なお,診断装置はAcuson SEQUOIA 512を使用した.
PD法では全例に線状の血流表示が得られ,胆嚢癌や急性胆嚢炎では,他疾患に比してより豊富であった.FFT分析結果では,Vmaxは胆嚢癌,急性胆嚢炎,肉芽腫性胆嚢炎においては慢性胆嚢炎,胆嚢腺筋症,肝硬変症,健常群に比べ有意に高値を示した.ま.たま,PたI,,PI,RIは,腿嚢癌,急性胆嚢炎,慢性胆嚢炎,胆嚢腺筋症,肝硬変症で健常者に比べ有意に高値を示した.胆嚢癌と他疾患の鑑別診断では,胆嚢癌症例の最低値であったVmax 40cm/sec,PIl.29を境界値として設定すると,急性胆嚢炎例を除くと2例に鑑別困難例がみられるのみであった.
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