胆道
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15 巻, 5 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 上原 圭介, 長谷川 洋, 籾山 正人, 小木曽 清二, 坂本 英至, 伊神 剛, 太平 周作, 森 俊治
    2001 年15 巻5 号 p. 347-353
    発行日: 2001/12/27
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    過去9 年間に経験した腹腔鏡下盟嚢摘出術中, 一般的に手術困難とされている胆嚢非造影例の難易度診断につきretrospectiveに検討した.術前胆道造影を施行した877例中, 胆嚢非造影例は164 例(18.7%) であった. 胆嚢非造彰例をA 群: 総胆管圧排像を伴わない胆嚢管のみ造影症例(143例) , B 群: 胆嚢管非造影あるいは総胆管圧排像を認める症例(21例)の2群に分類した.また,A群を胆嚢炎の有無により2群に分け検討した.B群は手術時間,開腹移行頻度から極めて困難な症例が多いと判断され,熟練した術者の選択が必要と考えられた.A群の非胆嚢炎症例(62/143)は比較的容易症例が多いのに対し,胆嚢炎症例(81/143)では非胆嚢炎症例に比し有意に困難症例が多かった.CRPの上昇期間は手術時間と有意な正の相関関係を呈し,胆嚢炎症例における衛前難易度診断を行う上で特に重要な因子と考えられた.
  • 島田 謙, 高橋 毅, 板橋 浩一, 古田 一徳, 吉田 宗紀, 佐藤 光史, 柿田 章
    2001 年15 巻5 号 p. 354-360
    発行日: 2001/12/27
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    【目的】腹腔鏡下胆嚢摘出術における自験胆道損傷症例につき分析をした. 【対象と方法】教室で施行した1,022例の腹腔鏡下胆嚢摘出術を対象に胆道損傷症例を調べ,入院病歴,手術記録を検討した.【結果】10例(0.98%)に胆道損傷を経験した.損傷原因は解剖学的誤認によるものが9例,電気メスの誤用による損傷が1例であった.解剖学的誤認は胆嚢管と誤認によるもの7 例, 胆嚢動脈との誤認が1 例, 副胆嚢管の見落としによるものが1例であった.損傷部位は総胆管が6例,総肝管が3例,副胆嚢管1例であった.【考察】胆道損傷は,術中に発見,対処できれば簡単な処置で済むことも多く,損傷の有無を確認できる術中胆道造影は必須と考えている.【結論】予防には注意深い手術操作と術前の充分な三管合流部の位置関係の把握が重要で,損傷の程度や発見時期に応じて適切な治療法が選択されるべきである.
  • 智 立柱, 松原 俊樹, 三浦 弘剛, 中村 康子, 長谷川 茂, 今津 浩喜, 桜井 洋一, 落合 正宏, 船曵 孝彦
    2001 年15 巻5 号 p. 361-368
    発行日: 2001/12/27
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    要旨: 胆管癌におけるp53蛋白発現およびp53遺伝子変異率を調べ, その変異特徴と臨床病理学的因子との関係を検討した.p53蛋白発現の検討には免疫組織染色を用い,p53遺伝子変異の検索はPCR-SSCP法にて解析した.p53蛋白の陽性率は,胆管細胞癌4例はすべて陽性で,肝外胆管癌は24例中7例(29.2%)であった.また,p53遺伝子変異は胆管細胞癌4例中3例に,肝外胆管癌では24例中15例(62.5%)に異常を認めた.コントロールの3例の胆石症では,いずれも陰性であった.遺伝子変異の部位はexon5,7,8に認められ,exon6には全く認めなかった.変異のパターンは点突然変異を18例,26カ所に認め,また欠失変異を1例に認めた.複数のexonの部位に変異を認めた症例は,18例中7例(38.9%)であった.また,点突然変異の中でtransversion typeが23.1%であり,transition typeは76.9%であり,変異原物質が作用した可能性もあった.p53蛋白発現症例とp53遺伝子異常症例とは必ずしも一致せず, 相互に関連を示さなかった. また, 臨床病理学的諸因子とp53遺伝子変異発現の有無との間に関連を認めなかった.しかし,胆管癌ではp53遺伝子変異が高率に検出されたことから,発癌過程に重要な役割を果たしていると考えられた.また,p53以外の遺伝子も関与している可能性もあり,さらなる検討を要すると思われた.
  • 三輪 健, 別府 倫兄, 二川 俊二, 有山 襄, 松本 俊治
    2001 年15 巻5 号 p. 369-374
    発行日: 2001/12/27
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    膵・胆管合流異常( 以下, 合流異常) と発癌との関係を知るため, 我々は病理学的検索の可能であった合流異常45例(胆嚢癌10例,非癌症例35例),合流異常を合併しない胆石症症例20例および合流異常を合併しない胆嚢癌20例を用い,胆嚢および胆管粘膜上皮の細胞増殖能およびp53蛋白発現の有無を検討した. Ki-67およびp53免疫染色をLSAB法で行った.合流異常症例のKi-67 labeling index (LI)は胆嚢癌症例の非癌部(18.9±7.7%),さらに癌を合併しない症例の胆嚢粘膜(8.9±6.9%)において,合流異常を合併しない胆石症症例に比べ,有意に高値を示した(p<0.01).胆管の拡張の有無と合流形式別に比較すると,非拡張型・膵管型の症例に細胞増殖活性が高い傾向があった.また,合流異常症例は癌を合併しない症例においても11.4%にp53蛋白の発現が認められ,すでに発癌の危険性を有するものと考えられた.
  • 藤井 義郎, 遠藤 格, 増成 秀樹, 齋藤 修治, 神谷 紀之, 永野 靖彦, 國廣 理, 三浦 靖彦, 田中 邦哉, 舛井 秀宣, 関戸 ...
    2001 年15 巻5 号 p. 375-380
    発行日: 2001/12/27
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    胆管切除, 胆道再建術を施行した症例に対する, 適切な術後抗菌薬の投与法を明確にする目的で以下の検討を行った. 対象は悪性胆道疾患70例で, 術前後の胆汁培養検査で同定された細菌と投与された薬剤の感受性試験を検討した.術後予防的に投与する抗菌薬は, 原期的にピペラシリン(PIPC) かスルバクタム/ セフォペラゾン(SBT/CPZ) を使用した. 術前の初回胆汁培養検査では細菌陽性率は40% (6/15) で, 減黄チューブ留置後,陽性率は上昇した.術後,3日以内の細菌陽性率は50%でグラム陰性桿菌が多く,4日以降では陽性率は79%に上昇し,グラム陽性球菌の割合が増加した.8日以降では細菌陽性率は100%で,再度グラム陰性桿菌の割合が増加した.術後感染症は53%(37/70)に認め,術後7日以内の感染症は胆管炎によると思われる敗血症7例で,8日以降の感染症は,縫合不全や胆汁瘻が原因の腹腔内感染であった.薬剤感受性試験は,SBT/CPZに対しては腸球菌が,PIPCに対してはStenotrophomonas maltophiliaが耐性を示したが,これらはバンコマイシン(VCM)やミノサイクリン(MINO)に対して感受性を示した.在院死6例はすべて葉切除以上の肝切除が施行され,そのうち2例は術後感染症を契機に肝不全へ移行した症例であった.術後4日目には酎性菌が出現してくるため,感染徴候が増悪,遷延する場合,腹腔内感染を念頭におき治療的抗生剤へ変更する必要がある.特に肝不全が危惧される拡大肝切除例では早期の対策が必要で,empiric therapyとしてVCMやMINOを追加投与すべきである.
  • -胆管造影CTを用いて-
    谷崎 裕志, 竜崇 正, 趙 明浩, 河野 至明
    2001 年15 巻5 号 p. 381-387
    発行日: 2001/12/27
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    104例に胆管造影CTを施行し,segment IXのb-c,d枝の流入形式を検討した.segmentIXの胆管枝の平均本数は1.74本であった.b-c,d枝の両方認めたものは57例(54.8%)で,b-c枝がspかcpと共通管を形成するものは38例(36.5%)であった.d枝が他のdorsal liver の胆管枝と共通管を形成したものはなく, d 枝はすべてが肝後区域胆管枝第2枝より末梢へ流入していた.b-c枝が横隔膜面まで達していたものは29例(30.8%)しかなかった.b-c枝の本数が1本の時より2本以上の時が横隔膜面まで達する頻度が有意に高かった.以上により,segment IXのd枝を含む右肝静脈背側の領域は肝後上区域(S7)と考えられ,肝門部胆管癌において切除する必要は無い.また,肝尾状葉の右縁はc枝までとするのが妥当であると考えられた.
  • 野村 幸伸, 乾 和郎, 芳野 純治, 若林 貴夫, 奥嶋 一武, 小林 隆, 三好 広尚, 中村 雄太, 三戸 隆, 江藤 奈緒
    2001 年15 巻5 号 p. 388-393
    発行日: 2001/12/27
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    症例は67 歳, 男性. C 型肝硬変症を伴う原発性肝細胞癌のため, 肝内側区の再発巣に魁して肝動脈塞栓術(以下TAE)を実施した.実施後第4病日に急性胆嚢炎を併発し,その後,肝左葉前外側区域にbiloma,胆嚢空腸瘻,総胆管結石,肝左葉に肝内胆管結石を合併した.
  • 三上 繁, 須賀 ひとみ, 大野 泉, 吉住 博明, 秋本 政秀
    2001 年15 巻5 号 p. 394-398
    発行日: 2001/12/27
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    我々は, 高齢で基礎疾患に肝硬変を有する症例に対して, 胆嚢炎の再発予防に内視鏡的胆嚢内瘻術が有効であった1例を経験したので報告する.症例は86歳,女性.糖尿病で近医通院中に浮腫,腹痛が出現し,当院紹介入院.肝硬変に合併した胆嚢炎と診断され,経皮経肝的胆嚢ドレナージ(PTGBD)を施行された.腹水が貯留しており,肝機能不良で高齢のため家族が手術を希望せず,PTGBD留置のまま退院となった.以後,経過良好で, 約1 年後には内瘻化を希望するようになり再入院. 内視鏡的経乳頭的胆嚢ドレナージ(ETGBD)による内瘻化を試み,両端ピッグテール型ドレナージチューブを留置した.以後,胆嚢炎の再発はみられず,経過良好である.胆嚢炎の再発予防のために胆嚢摘出術が必要と考えられる症例で,重篤な合併症があったり,高齢であるなどの理由で全身麻酔の危険性が考慮される場合には,ETGBDによる胆嚢内瘻術がよい適応になるものと考えられた.
  • 大塚 英郎, 鈴木 正徳, 海野 倫明, 片寄 友, 竹内 丙午, 佐藤 武揚, 水間 正道, 渡辺 みか, 松野 正紀
    2001 年15 巻5 号 p. 399-405
    発行日: 2001/12/27
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    胆管原発の悪性腫瘍のうち,比較的稀なものとして胆管腺扁平上皮癌があるが,その報告例の多くは高度な脈管侵襲を伴い,極めて予後不良とされる.症例は56歳・女性.胆道系酵素の異常で発症. 腹部CT検査で肝十二指腸間膜に一致した径2cm大の腫瘍を認めた. ERCP , MRCP では左右肝管から総胆管・総肝管まで約5cmにわたる狭窄と肝内胆管の拡張を認め,上部胆管癌と診断された.経乳頭的に腫瘍生検を行い確診を得た.術前診断が可能であった本症例では,疾患の生物学的特徴より周囲組織を含めた十分な切除が必要と考え,拡大肝右葉切除,尾状葉全切除,胆管切除,肝内胆管空腸吻合を施行した.切除標本の病理組織学的診断は胆管腺扁平上皮癌であった. 術後12ヶ月を経た現在, 再発の兆候を認めていない.
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