Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
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ISSN-L : 0915-7352
18 巻, 101 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • Shuhei Yamada, Akira Seko
    2006 年 18 巻 101 号 p. 163-164
    発行日: 2006/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • Tadahisa Mikami, Kazuyuki Sugahara
    2006 年 18 巻 101 号 p. 165-183
    発行日: 2006/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    コンドロイチン硫酸(CS)およびデルマタン硫酸(DS)はプロテオグリカンの側鎖部分に当たる硫酸化グリコサミノグリカン糖鎖であり、細胞表面や細胞外マトリックスに広く分布している。これまでの研究から、CS/DS鎖がいくつかの生物学的機能に重要であることを示唆する証拠が蓄積してきた。例えば、中枢神経系の発達や再生過程において、CS/DS鎖は見かけ上相反する作用を発揮し、神経突起の伸長を促進する分子として振る舞う一方、神経の軸索誘導や再生を阻害する主要分子としての一面を持つ。これらの機能は、CS/DS鎖に内在する特徴的な硫酸化構造と密接に関係し、少なくとも一部の機能発現にはCS/DS鎖とヘパリン結合性増殖因子との特異的相互作用を介する分子メカニズムが関与する。
  • Tarja K. Kinnunen, 山田 修平
    2006 年 18 巻 101 号 p. 185-195
    発行日: 2006/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    ヘパラン硫酸プロテオグリカン (HSPG) は、細胞表面や細胞外マトリックスに普遍的に存在する複合糖タンパク質である。ヘパラン硫酸(HS)とHSPGは多様な増殖因子、モルフォジェン、細胞外マトリックス (ECM) タンパク質、プロテーゼと相互作用し、細胞分化、組織の形態形成、ホメオスタシスの調節に不可欠の役割を果たしている。多くのヒトの遺伝病がHSPGやHS生合成酵素をコードする遺伝子の変異と相関していることが見い出され、HSとHSPGの重要性が注目を集めてきた。HSを介した種々の相互作用は、HSの生合成過程で糖鎖骨格上へ施された硫酸化修飾の違いによって生じる特定の構造に依存していることが多い。HSの微細構造は組織特異的に異なり、発生過程、病的条件によっても変化する。しかし、HS生合成の調節機構についてはまだ十分には理解されていない。細胞生物学的、生化学的なアプローチとともに遺伝モデル生物を使った最近の研究より、特定の発生過程におけるHSスルホトランスフェラーゼ群の特異的な役割が明らかにされ、特別なHS構造の発生過程における重要性が強調されてきた。
  • Takashi Angata
    2006 年 18 巻 101 号 p. 197-208
    発行日: 2006/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    シグレックは免疫グロブリンスーパーファミリーに属するタンパク質の一群であり、シアル酸を含む糖鎖を認識する。進化的に保存されたシグレックによる糖鎖認識は特異性が高いが、CD33類似シグレックのほとんどはシアル酸を含む糖鎖を比較的無差別に認識すると考えられていた。しかし最近の研究により、ヒトシグレック8やマウスシグレックFなど、一部のCD33類似シグレックは予想外に特異的な糖鎖認識を示すことが明らかにされた。CD22/シグレック2および myelin-associated glycoprotein/シグレック4の研究から、シス・リガンドとトランス・リガンドの両方がシグレックの機能制御に関与していることが示唆される。CD33類似シグレックの一部が特異的な糖鎖を認識するという事実は特別なトランス・リガンドの存在を示唆するとも考えられ、この可能性はかかるリガンドの検索と細胞ないし動物モデルを用いた生物学的機能解析によって検証する必要がある。
  • Akira Seko
    2006 年 18 巻 101 号 p. 209-230
    発行日: 2006/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    近年糖転移酵素が種々の様式で複合体を形成することが判ってきた。ある種の糖転移酵素はホモダイマーやホモオリゴマーを形成し、またあるものは糖転移酵素以外のタンパク質と会合し、ヘテロオリゴマーを形成する。糖転移酵素が複合体を形成する生物学的意義として、酵素の触媒機能の安定化や活性化、基質特異性の変化、効率的な糖鎖の合成、細胞内オルガネラにおける局在性や輸送、他のエフェクタータンパク質による触媒機能の調節、などが挙げられる。このように糖転移酵素の複合体は機能的・構造的に多種多様であるが、本稿ではこれら種々の研究例について概観する。
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