Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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7 巻, 36 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • A. Danguy, K. Kayser, N. V. Bovin, H.-J. Gabius, 秋元 義弘, 平野 寛
    1995 年 7 巻 36 号 p. 261-275
    発行日: 1995/07/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    ある担体を目的に応じて化学的にグリコシル化することにより、ネオ複合糖質が生ずる。このような合成プローブは糖の部分を露出しており、もしその結合部位が試料調製過程で壊されたり、アフィニティーの高い内在性リガンドでブロックされなければ、この合成プローブの糖部分は、細胞あるいは組織切片上で、レクチンのような適当な糖レセプターに対するリガンドとしての性質を示す。この標識ネオ複合糖質の組織学並びに病理学への適用(リバース・レクチン組織化学と名付けられている)は、組織から単離、標識された通常のレクチンの適用を相補う。ネオ複合糖質とレクチン、この2種類のマーカーを同時に用いて実験することにより、はっきりとした糖生物学的な相互作用に関して明確な組織化学的所見を in situ で得ることができる。このようにして得られた結果は、生理学的に重要な認識過程にこの種の分子がどんな役割を演じているのかを理解するのに非常に有用である。
  • タンパク質分解酵素による活性化に関する考察
    Jorma Keski-Oja, Katri Koli, Jouko Lohi, Juha Saharinen, Jussi Taipale ...
    1995 年 7 巻 36 号 p. 277-289
    発行日: 1995/07/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    TGFβ1は、TGFβファミリーの原形である。TGFβファミリーに属するタンパク質として、細胞の増殖、分化、そして形態形成における多くの異なったポリペプチドの活性調節因子が知られている。TGFβ遺伝子の発現はさまざまな方法で制御されている。それらの発現はオートクリン、パラクリン機構により、さらにはその他の増殖因子などによっても制御を受けている。TGFβは、またレチノイドやステロイドホルモン、ビタミンDなどにより制御をうけている。活性型TGFβは転写を制御しているのでそれゆえ、多くの遺伝子がTGFβによって影響を受けている。TGFβの生物学における特徴は、潜在型として細胞から分泌されることである。TGFβは最初、肉腫ウイルスによる腫瘍化細胞の培養上清から分離された。TGFβの純化は、不活性な潜在型を活性化することが今では知られている酸抽出による方法で行われた。血小板や胎盤はTGFβの豊富な組織である。われわれは、最近、TGFβが培養細胞から産生されるばかりでなく、細胞周囲、すなわち細胞外マトリックスに潜在型として蓄積されることを見い出した。TGFβの潜在型複合体は、TGFβとプロペプチドで構成されている低分子量潜在複合型と、タンパク質分解酵素に耐性な高分子量の潜在型TGFβ結合タンパク質LTBPとによって構成されている。マトリックスからタンパク質分解酵素により解放されることがおそらく分子の活性化の最初の段階であり、細胞表面でも同じようにおこっていると考えられる。潜在型TGFβの複合体と細胞外マトリックスとの結合および、タンパク質分解酵素によるTGFβの解離は、細胞の浸潤、組織の再生、創傷治癒などタンパク質分解が増強されたりあるいは集中的におこる場で数々の生物学的現象に密接に関与することを示している。
  • Gibbes R. Johnson, 灘中 里美, 菅原 一幸
    1995 年 7 巻 36 号 p. 291-302
    発行日: 1995/07/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    生物活性を持った哺乳類の成長因子と呼ばれるポリペプチドは、標的細胞の増殖、分化、移動、維持、アポトーシスに影響を与えている。上皮細胞増殖因子(EGF)や繊維芽細胞増殖因子(FGF)のような成長因子は、レセプターの細胞外ドメインと相互作用することによって、細胞に反応を引き起こす。この結合の結果、レセプター自身のチロシンキナーゼ活性とシグナル伝達が活性化する。本来のレセプターに付随して存在する補助的レセプターであるヘパラン硫酸プロテオグリカンが、幾つかの成長因子の作用に必要であることが明らかとなっている。FGFsの機能発現の機構は、この現象のよいモデルである。EGFレセプターの活性化に必要な2つのリガンドであるアンフィレグリンとヘパリン結合性EGF様成長因子 (HB-EGF) は、生物活性を発揮するために、細胞外HSプロテオグリカンを必要とすることが示された。アンフィレグリンとHB-EGFのヘパリン結合領域は、約20残基のアミノ酸配列からなる塩基性のペプチド断片にあることが示されており、それは分裂促進因子上のEGF様ドメインに非常に近接した位置に存在する。HSプロテオグリカンはアンフィレグリンの機能発現において必須の膜タンパク質であり、アンフィレグリンをレセプターに提示したり、あるいは、活性化されて二量体を形成したレセプターと一分子のアンフィレグリンの二価の結合を安定化するといったメカニズムが、データに基づいて提唱されている。
  • グリコゲニンとプロテオグリカンコア蛋白キシロース転移酵素とUDP-キシロース
    Elias Meezan, Stephen Manzella, Lennart Rodén, 矢田 俊量, 鈴木 旺
    1995 年 7 巻 36 号 p. 303-332
    発行日: 1995/07/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    ヘパリン、ヘパラン硫酸、またはコンドロイチン硫酸側鎖を持つプロテオグリカン-これら側鎖のコア蛋白への結合はすべてキシロース-セリン結合による-の多糖鎖の開始に関する研究は約30年前に始まった。思った通り、これらの研究によって蛋白性の受容体、おそらく当時研究中のプロテオグリカンコア蛋白セリン残基の水酸基へのUDP-キシロースからのキシロース転移が示されることになった。この反応はプロテオグリカンコア蛋白キシロース転移酵素によって触媒される。しかし、この研究はまた異なる生成物を与える第二のキシロース転移酵素をマウスの肥満細胞腫とニワトリの輸卵管の抽出物の中に発見するという成果をもたらした。この生成物の違いをはっきりさせたのは、プロテオグリカン中のキシロース-セリン結合を開裂する条件下でのアルカリ処理に対する抵抗性であった。我々はこれと類似のキシロース転移酵素を腎と筋肉中に見つけ、ラット腎からの可溶性酵素標品によって形成されるアルカリ安定性生成物の同定から、この酵素(そして受容体でもある!) はグリコゲニンであるという結論に達した。この物質はグリコーゲンプロテオグリカンのコア蛋白であり、そしてまた通常はUDP-グルコースをグリコシル供与体とするグリコーゲン生合成初期段階を触媒する自己グリコシル化酵素でもある。この総説で我々は、多糖鎖開始酵素グリコゲニンとプロテオグリカンコア蛋白キシロース転移酵素の現在の知見と、両酵素が共通の基質としてUDP-キシロースを使いうるという発見が、どのようにグリコーゲンとプロテオグリカン生合成とその制御に新しい洞察をもたらしたかについて概括する。
  • Jian-Guo Geng, 船越 陽子, 山川 直美
    1995 年 7 巻 36 号 p. 333-342
    発行日: 1995/07/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    P-セレクチン(CD62P) は、E-セレクチン(CD62E) やL-セレクチン (CD62L) と同じファミリーに属する細胞接着分子である。P-セレクチンは、N末端にCa2+依存性の動物レクチンとホモロジ-を持つ120アミノ酸からなる領域を持っており、血小板や内皮細胞が活性化されると細胞表面に誘導され、多くの白血球と結合する。
    P-セレクチンに対して高親和性を示すヒト白血球上のリガンドは、PSGL-1 (P-Selectin Glycoprotein Ligand-1) とよばれる膜貫通型の二量体シアロムチンである。この分子はE-セレクチンのリガンドとしても機能しているため、我々はこれをP/ESGL-1(P and E-Selectin Glycoprotein Ligand-1) と名付けたい。in vitro および in vivo の系における研究から、炎症時における白血球の血管内皮細胞や血小板への接着をつかさどるP-セレクチンの生理学的、病理学的重要性が明らかになりつつある。
  • 鈴木 匡
    1995 年 7 巻 36 号 p. 343-344
    発行日: 1995/07/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 荒田 洋一郎
    1995 年 7 巻 36 号 p. 345-347
    発行日: 1995/07/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 石原 雅之
    1995 年 7 巻 36 号 p. 349-350
    発行日: 1995/07/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 北岡 正三郎
    1995 年 7 巻 36 号 p. 351-364
    発行日: 1995/07/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 7 巻 36 号 p. 365-369
    発行日: 1995/07/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
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