P-セレクチン(CD62P) は、E-セレクチン(CD62E) やL-セレクチン (CD62L) と同じファミリーに属する細胞接着分子である。P-セレクチンは、N末端にCa
2+依存性の動物レクチンとホモロジ-を持つ120アミノ酸からなる領域を持っており、血小板や内皮細胞が活性化されると細胞表面に誘導され、多くの白血球と結合する。
P-セレクチンに対して高親和性を示すヒト白血球上のリガンドは、PSGL-1 (P-Selectin Glycoprotein Ligand-1) とよばれる膜貫通型の二量体シアロムチンである。この分子はE-セレクチンのリガンドとしても機能しているため、我々はこれをP/ESGL-1(P and E-Selectin Glycoprotein Ligand-1) と名付けたい。in vitro および in vivo の系における研究から、炎症時における白血球の血管内皮細胞や血小板への接着をつかさどるP-セレクチンの生理学的、病理学的重要性が明らかになりつつある。
抄録全体を表示