目的 引張り, クリープおよび応力緩和過程中におけるFRP中の短繊維の配向角分布を測定し, 計算値と比較することにより, FRPの変形と短繊維配向角分布との関係を解明する.
成果 1) 変形前のFRP中の短繊維配向角分布が標準偏差σ, 平均値μ=0の正規分布をしている場合, 引張りおよびクリープ変形後の短繊維配向角分布は, 短繊維の長さやその位置には関係なく, FRPの変形による単位長さ当りの伸び (e) とそれに直角方向の縮み (s) により決定されると仮定して求めた次式の計算値と一致した.
φ (θ') =1/√2πσ・ksec2θ'/k2+tan2θ'・e- (tan-1 (1/ktanθ')) 2/2σ2ここでk= (1-s) / (1+e) である.
2) 変形前の短繊維が―βから+βの角度の問で一様に分布している場合, 変形後の短繊維配向角分布は次式の計算値と一致した.
φ (θ') =1/2β・ksec2θ'/k2+tan2θ'
3) 変形後のFRP中の短繊維配向角分布は, 変形前の短繊維配向角分布と変形によるFRPの単位長さ当りの伸びとそれに直角方向の縮みが求められれば, 計算により求められる.
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