目的 過渡的熱伝導測定装置によって得られる, 熱源と試料との接触時における最大熱流量qmaxが, 布の冷温感の測度として有用であることが, これまで, 官能試験により確認されている.ここでは, q初鋸値に関する理論的解析を行う.まず, 測定装置に即して, qn邸値の物理的意味を検討し, さらに, q加・値と冷温感の関係を, 皮膚の過渡的熱伝導現象の解析を通じて考察する.成果 測定量としてのqmax値の意味を明らかにし, 接触物体の熱的特性との関連について考察した.次に, 皮膚の過渡的熱伝導現象の解析を行い, 本過渡的熱伝導測定装置が接触時における皮膚と物体との熱移動現象をよく模擬していることを推測し, qmax値を得る回路に付加されているフィルタならびにその時定数値 (T=0.2sec) が, 模擬装置としての積極的意味をもつことを明らかにした.
抄録全体を表示