目的 布の風合いの計測において機器測定法にはKES法などがあり, その基本的な考え方はほぼ確立されている.しかしながら官能検査法ではまだ未熟な段階にある.本報では測色の官能検査法を念頭において, 布の風合い計測における官能検査法のあり方とその有効性を検討する.成果 (i) 実用的な官能検査を用いた風合い計測法を提案した.(ii) 2種類の梳毛織物について官能検査を試行し, この結果を用いて本官能検査法の有効な範囲や精度の解析を行った.その結果, 梳毛織物に関する曲げ剛性, 厚み, 圧縮率に関しては, 適切な仮標準試料を選べば, 官能法による風合い計測によって, おおよそ約20%の誤差のもとで機器計測値を推定できることが分かった.
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