目的 BD200型ロータをモデル化 (寸法2倍) したロータを用い, 繊維供給管のロータ内挿入角度および挿入長さを変化させてロータ内部の気流状態を実験的に調べる.
成果 ロータ内部の気流状態を示す諸量として, 気流の周方向速度分布, 軸方向および半径方向速度分布, 静圧分布をとり, 繊維供給管のロータ内挿入角度および挿入長さがロータ内部の気流状態に及ぼす影響を調べた.得られた結果は次のとおりである.
1) 繊維供給管付近 (γ=20~80°) の子午面では周方向速度分布, 静圧分布にくぼみを生じ, その位置は繊維供給管の半径位置 (rf) とほぼ等しく, またくぼみの程度は繊維供給管に近づくほど大きくなる.
2) 繊維供給管挿入角度が大きい場合 (90°), ロータ内の気流の乱れが大きくなり, かつ周方向速度分布や静圧分布におけるくぼみの程度が大きくなる傾向を示す.
3) 繊維供給管挿入角度が小さい場合 (30°), 周方向速度分布におけるくぼみの程度が小さく, また静圧分布も直線状となる.
4) 繊維供給管挿入長さが長いほど周方向速度分布, 静圧分布におけるくぼみの程度が大きくなるが, その傾向は周方向速度分布についてはγ=40°の子午面までであり, 静圧分布についてはγ=80°の子午面ではなくなり, それ以上の子午面では繊維供給管挿入長さの影響はみられない.
5) 繊維供給管挿入長さが短く, また挿入角度が小さいほどロータ内の気流を乱すことは少ない.
6) 繊維供給管挿入長さが長く, また挿入角度が大きい場合には, 繊維供給管より流入した気流がまずロータ内底面に衝突し周囲に四散するためロータ壁面近くで大きな逆流を生じる.
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