尿定性検査における尿色調の判定は,装置判定と実際の色調に差異が生じるケースがある。特に「RED」および「OTHER」と判定される例で実際の色調と異なることが課題となっていた。そこで我々は,栄研化学株式会社が改良した色調判定アルゴリズムを適用した全自動尿分析装置US-3500の色調判定機能の性能評価を行った。当院検査部に提出された1,190検体を対象とし,測定した色調結果の収集および測定後の検体の色調をデジタルカメラにて撮影し,改良前後の判定を比較した。1,190検体中「RED」判定となったのは従来アルゴリズム(以下,従来)で7検体,改良アルゴリズム(以下,改良)で3検体,「OTHER」判定となったのは従来で12検体,改良で3検体であった。次に従来で「RED」または「OTHER」と判定された計19検体について撮影画像を確認した。従来で「RED」と判定された7検体のうち,改良でも「RED」と判定された3検体は赤色の色調を認めた。残りの4検体は「DARK BROWN」と「AMBER」で画像と相違ない判定であった。また従来で「OTHER」判定された12検体のうち9検体は,改良により「AMBER」,「YELLOW」,「STRAW」,「LIGHT YELLOW」に判定された。以上の結果から,改良アルゴリズムの適用により,特に「RED」および「OTHER」判定の精度向上が認められた。
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