森林利用学会誌
Online ISSN : 2189-6658
Print ISSN : 1342-3134
23 巻 , 3 号
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特集巻頭言
論文
  • 毛綱 昌弘, 山口 浩和, 佐々木 達也, 岡 勝
    原稿種別: 本文
    2008 年 23 巻 3 号 p. 135-140
    発行日: 2008/12/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    フォワーダ等による作業路を用いた集材方法が普及し始めているが,作業路の総延長距離が伸びるに従い作業能率の低下が問題となっている。この問題を解決する方法として,作業路上を走行している有人の車両の後ろを無人で走行可能な車両が追従して走行することにより,複数台の車両を一人で運転して作業能率を向上させる方法を考案した。本報告では,制御を行うために必要となるセンサを試作し,実験用車両を用いて走行実験を行い,制御結果に影響を与える因子について検討を行った。実験の結果,有人の車両後部に超音波を発するスピーカ,無人の車両前部にマイクをそれぞれ二個ずつ装備することにより,追従走行制御が可能であった。先行する車両と追従する車両の車間距離を大きく設定すると,曲線走行時には内回りが大きくなる一方,車間距離を小さく設定すると,走行速度が大きくなると制御が不安定になるため,車間距離の設定が重要であった。また,作業路の幅員は直線であれば車幅の1.4倍程度でも走行可能であるが,曲線部では1.6倍まで拡幅しなければならないことが確認できた。
  • 陣川 雅樹, 山口 浩和, 古川 邦明, 大内 晃, 波多野 隆美, 佐竹 利昭, 蓬莱 圭司
    原稿種別: 本文
    2008 年 23 巻 3 号 p. 141-148
    発行日: 2008/12/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    急峻な森林地帯における森林作業の機械化を図るため,傾斜地走行に優れたモノレールを活用した軌条形ベースマシンを開発した。車両は動力台車と作業台車から構成される。動力台車は傾斜±45度の斜面を走行可能であり,作業台車は4本の脚式アウトリガ,クレーンチルト機構,リーチ長8mのグラップルクレーン,集材用ウインチを装備し,傾斜30度において作業可能である。運搬台車との組み合わせによる短幹材の木寄集材および搬出作業を行ったところ,生産性は1.37m^3/hr(8.2m^3/day)であり,急傾斜地における森林作業に有用であることが明らかとなった。
  • 田坂 聡明, 有賀 一広, 西川 明, 山崎 敏彦
    原稿種別: 本文
    2008 年 23 巻 3 号 p. 149-156
    発行日: 2008/12/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,積荷の受け渡し機構を持つ新型搬器を開発し,エンドレスラインを駆動力とする受け渡し動作と,荷上げ・荷下ろしなどの基本動作の確認を行った。この結果,無負荷時,負荷時ともに,材の受け渡し動作,荷上げ・荷下ろしが順調に進み,受け渡し搬器の基本的な構造,作動原理が確認できた。また,搬器が作動可能な主索中央垂下比範囲を測定した結果,中央垂下比0.08でも質量150kgの材の受け渡しが可能であることが確認できた。さらに,受け渡し動作の障害となる搬器横方向の傾斜角について,理論式の作成と測定結果との比較を行った。この結果,理論値は実測値とほぼ一致し,搬器の改善に活用するうえで有用であることが明らかにされた。その他,実験の過程で,エンドレス索ガイド機構の追加による搬器横揺れ低減や,搬器色の塗り分けによる視認性の向上など,さまざまな改善に関す,る知見を得ることができた。
  • 伊藤 崇之, 上村 巧
    原稿種別: 本文
    2008 年 23 巻 3 号 p. 157-168
    発行日: 2008/12/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    自走式搬器の自動運転技術の一部である自動荷おろし機構について,これまで開発した制御手法を丸太に適用するための改良を行った。長さ10mと4mの丸太を吊荷として荷おろしを行い荷吊索ドラム駆動用油圧モータの差圧を計測したところ,重心からある程度離れた位置で吊り上げた場合において,接地直後に丸太の倒伏速度と索降下速度との差から荷吊索が緩んで差圧が一時的に著しく低下することが明らかとなった。シミュレーションの結果これにより着地の誤検知が発生する可能性があることが分かったため,接地時のフック高が一定値以上の場合には接地直後の着地検知を無視するよう制御手法を変更した。また,接地後に索降下と搬器走行を交互に行うことで,丸太を主索方向に揃えることができるため,これを自動で行う制御プログラムを作成し,既存の制御に組み込んだ。丸太を使用して自動荷おろしを行ったところ,荷おろし動作は正確に行われ,また荷おろし後の丸太を想定したとおり主索方向に並べることが可能となった。丸太の自動荷おろしが実現したことで,既に実現している自動走行技術と合わせて目標とする実走行〜荷おろし〜空搬器返送の自動運転が可能となった。
速報
研究・技術資料
論文
  • 近藤 道治, 今井 信, 山内 仁人, 佐々木 達也
    原稿種別: 本文
    2008 年 23 巻 3 号 p. 179-188
    発行日: 2008/12/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    複層林の上木間伐により損傷を受けた下木が,その後どのような生育経過をたどるかを知るため,損傷を受けて5成長期が経過した長野県諏訪市の複層林で,下木ヒノキの生育状況を調査した。調査では,下木ヒノキの生死とともに,倒伏したヒノキは回復しているのか,幹折れや梢端が折れたヒノキに異常があるのかなどを確認した。また,標本木を伐倒して,樹皮剥離部分から変色の発生,曲がり部分の偏心やアテの発生について調べた。その結果,倒伏したヒノキの立ち直りは困難で,傾斜したヒノキも回復していないものが約30%みられた。梢端や幹が折れたヒノキは,折損部分から「S字状」や「ほうき状」に生育するものが多く,「S字状」や「ほうき状」の曲がり部分には偏心やアテが発生していた。梢端や幹が折れたヒノキの折損部分には変色が発生していたが,変色は上方へ広がらず,下方への広がりも大きくなかった。また,ヒノキの枝が25%以上折れた場合,傾斜するヒノキが多かった。樹皮剥離を受けた部分からの変色や腐朽の広がりは,ほとんどのヒノキで小さかったが,剥離被害が大きい場合は木材劣化が進んでいた.
  • 中澤 昌彦, 松本 武, 山田 容三
    原稿種別: 本文
    2008 年 23 巻 3 号 p. 189-200
    発行日: 2008/12/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    愛知県東三河計画区内の4市町において,森林施業の実施状況を比較し,目標道路密度をそれぞれ算定した。解析期間を1991〜2000年として,5つの基礎的な施業と,公道,林道,作業道を対象に解析を行った。施業の実施量は10年間で徐々に減少し,特に上流域で顕著であった。施業の実施に影響を与える道路から施業地までの到達距離は,中流域で最も長く,次いで上流域,下流域の順であった。1997年以降,木材価格の急落に伴って,上流域では施業地の到達距離は大幅に減少し,森林全域の到達距離との差は拡大傾向にあった。一方,中流域では施業地の到達距離は維持され,道路の新規開設によって森林全域との差は縮小傾向にあり,下流域では10年間で施業地の到達距離は減少傾向にあったが,森林全域との差は最も小さかった。これら施業の実施状況に即した目標道路密度は,中流域で最も低く,次いで上流域,下流域の順であった。上流域や中流域では,道路を効果的に配置し,森林管理の効率化を図る必要がある。一方,下流域ではもうすでに上流域の市町村の目標値に達しており,道路整備よりも森林整備への普及活動が重要になると考えられる.
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