日本歯周病学会会誌
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52 巻, 2 号
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巻頭言
原著
  • 森 真理, 加藤 幸紀, 衣笠 裕紀, 湯本 泰弘, 伊藤 泰城, 粟倉 あずさ, 土居 多門, 門 貴司, 長澤 敏行, 古市 保志
    原稿種別: 原著
    2010 年 52 巻 2 号 p. 161-169
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/09/13
    ジャーナル フリー
    この後向き研究の目的は, 垂直性骨欠損に対しスケーリング・ルートプレーニング (SRP)のみ, またはSRPとOpen Flap Debridement 併用(SRP+OFD)を行い, その後メインテナンスを行った群と歯周治療もメインテナンスも行わなかった群を比較し, その予後を検討することである。被験者と被験部位は北海道医療大学歯科内科クリニック保存Iに通院している慢性歯周炎患者(歯周治療群)40名の100部位と, 慢性歯周炎と診断されたが歯周治療へ参加せず, 治療を途中で中断しメインテナンスも行わなかったグループ(対照群)10名の36部位であった。初診時のエックス線写真で垂直性骨欠損が認められ, SRPのみまたは, SRP+OFDを行った後, 3年以上経過した部位を対象とした。大臼歯の根分岐部病変に連続する垂直性骨欠損は除外した。検査項目の調査は処置時, 処置3年後, およびメインテナンス中の直近の来院時に行った。年齢, 性別, 喫煙の有無, 治療内容, 歯肉炎指数(GI), プロービング時の出血の有無(BOP(+)), プラークコントロールレコード(PCR)および4mm以上の歯周ポケット深さの割合(PPD>=4mm)を検査した。初診時と治療後3年以上経過したエックス線写真により, セメントエナメル境と骨欠損底部の距離を測定した。
    歯周治療群の処置後平均経過年数は10.4±4.7年であった。歯周治療群では処置後骨欠損深さは減少し, その後維持された。対照群の初診後平均経過年数は4.5±1.2年であり, 骨欠損深さは増加した。歯周治療群ではSRPとSRP+OFDでは骨欠損深さの減少量に有意差は認められなかった。骨欠損角度が45°より大きい場合よりも45°以下のほうが骨欠損深さは改善した。処置時にBOP(+)が認められても歯周ポケットは改善したが, 直近にBOP(+)があるとメインテナンスを行っても歯周ポケットの悪化が見られることが明らかになった。本研究結果から垂直性骨欠損に対してSRPやOFDを行い, 定期的なメインテナンスを行うことにより予後は良好であるが, 術後の炎症のコントロールが重要であることが示唆された。
    日本歯周病学会会誌(日歯周誌)52(2) : 161-169, 2010
症例報告
  • 渡辺 美穂
    原稿種別: 症例報告
    専門分野: -最優秀臨床ポスター賞受賞-日歯周誌52(2) : 170-179,2010
    2010 年 52 巻 2 号 p. 170-179
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/09/13
    ジャーナル フリー
    侵襲性歯周炎は急速な歯周組織の破壊を伴うことを特徴とする歯周炎であり, 治療早期からの徹底的な炎症性因子の除去と安定した咬合の確保が求められる。本報では, 侵襲性歯周炎と診断された40才女性患者に対し, 極力歯牙を保存し咬合の安定を図り, 歯周基本治療, 歯周外科治療, 歯周組織再生療法を行った。また前歯部の根面露出と歯間離開に対して露出根面被覆術と補綴治療を行い歯周組織の改善と審美的改善を得た。現在初診より10年以上が経過し安定した状態を維持している症例について報告する。
    日本歯周病学会会誌(日歯周誌)52(2) : 170-179, 2010
その他
  • レーザーによる歯石除去
    青木 章, 水谷 幸嗣, 渡辺 久, 和泉 雄一, 石川 烈, 冨士谷 盛興, 千田 彰, 吉田 憲司, 栗原 英見, 吉江 弘正, 伊藤 ...
    原稿種別: その他
    2010 年 52 巻 2 号 p. 180-190
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/09/13
    ジャーナル フリー
    近年, レーザーの歯周治療への応用が増加し, 様々な臨床応用が進んでいる。とくに, 水への高い吸収性を示すエルビウム・ヤグ(Er:YAG)レーザーの開発により, 歯周治療において歯周軟組織のみならず硬組織への応用が可能となり, 非外科的および外科的歯周ポケット治療においては, 歯石除去(スケーリング)を含む病的根面の廓清(デブライドメント)などに用いられつつある。本論文は, レーザーによる歯石除去について, その背景, 原理, 適応, 基礎的および臨床的エビデンス, 今後の課題と展望, 臨床応用上の注意および安全対策について概説する。
    日本歯周病学会会誌(日歯周誌)52(2) : 180-190, 2010
  • 吉成 伸夫, 有田 博一, 奥田 一博, 林 丈一朗, 若林 健史, 古市 保志
    原稿種別: その他
    2010 年 52 巻 2 号 p. 191-200
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/09/13
    ジャーナル フリー
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