日本歯周病学会口腔インプラント委員会は2021年から2022年にかけ,インプラント周囲疾患の定義,インプラント周囲炎のリスク因子,ならびにインプラント周囲炎の治療法について最新の知見をまとめ,今後の検討課題について協議を行った。
インプラント周囲疾患の定義および診断基準について,2017年のワールドワークショップ会議録を元に解説を行う。また,インプラント周囲炎発症のリスク因子として歯周炎の既往,喫煙,糖尿病,プラークコントロールの不良について調査したが,それぞれの因子がインプラント周囲炎発症の直接的要因となるためにはさらに調査が必要である。また,インプラント周囲炎の治療法について,抗菌療法,インプラントプラスティ,レーザー照射,あるいはエアーアブレージョンがあるが,いずれも進行例では治癒させることはいまだ困難で今後さらに詳細な検討が必要であることが示唆された。