日本歯周病学会会誌
Online ISSN : 1880-408X
Print ISSN : 0385-0110
最新号
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ミニレビュー
原著
  • 藤友 崇, 森本 佳伸, 大井 潤, 澤井 典子, 石田 幸子, 松原 善, 一圓 剛, 皆川 直人, 鴨井 久博, 田中 司朗, 鴨井 久 ...
    2018 年 60 巻 2 号 p. 70-86
    発行日: 2018/06/29
    公開日: 2018/06/29
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    歯周病のリスク評価ができる自己申告アンケートは,歯周病の早期発見や疫学研究において有効な手段となるが,これまでに統計的,臨床的な妥当性を評価された日本人向けの歯周病リスク評価アンケートが開発された事例はない。本研究では,歯周病のリスクを評価できる日本語版自己申告アンケートを開発することを目的とした。

    歯周病患者50名と非歯周病患者51名に,歯周病で観察される症状の有無をアンケート形式で回答させた。アンケート回答に対して,多重ロジスティック回帰分析を実施し,歯周病を予測できるアンケート項目を抽出し,アンケートの質問項目の信頼性を確認した。また,ROC曲線解析を実施し,抽出されたアンケート項目による歯周病のリスク予測の精度を検討した。

    結果,50人の歯周病患者および50人の非歯周病患者を解析対象とした。多重ロジスティック回帰分析と歯周病の臨床的観点から,年齢,歯肉の腫れ,歯の動揺,プラークと歯石,口臭および掻痒感の6つのアンケート項目が自己申告によって歯周病のリスクを予測できる項目であることが分かった。また,ROC曲線解析によりAUCが0.90であった。

    本研究より,我々は,6つの自己申告アンケートで歯周病のリスクを判定できる日本人向けの歯周病セルフチェックアンケートを開発し,その信頼性,内部整合性及び精度を,40歳から83歳の大学病院歯科を受診した人を対象に検証した。

トピック紹介
症例報告
  • 土岡 弘明
    2018 年 60 巻 2 号 p. 95-104
    発行日: 2018/06/29
    公開日: 2018/06/29
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    歯周治療に不用意に矯正治療を組み込むことにより,歯周組織破壊が進行する可能性があるが,炎症が十分にコントロールされていれば禁忌ではないと報告されている。今回,歯科恐怖症の広汎型重度慢性歯周炎患者に対し,歯周基本治療,歯周―矯正治療を行い,supportive periodontal therapy(SPT)を行っている17年経過症例を報告する。患者は歯科恐怖症であり,歯周外科治療を拒絶されたため,非外科的治療で対応した。通常の歯周組織検査に加え,細菌検査,血清抗体価検査を行い,診断の補助とモチベーションの維持に活用し,治療を行った。患者の適切なセルフケアと術者のスケーリング・ルートプレーニングにより歯肉の炎症は劇的に改善し,その後の歯周―矯正治療により,術前に認められた歯間離開,歯列不正は改善され,歯周組織と咬合の安定が得られた。現在初診より17年経過し,歯周―矯正治療後13年間SPTを継続しているが,良好な状態が保持されている。したがって病的な歯の位置異常が認められる患者に対して,炎症のコントロールに加え,歯周―矯正治療を行うことは,歯周組織破壊の進行した歯の保存やより良好な機能と審美性を得るために有効であると考えられる。

  • 井手口 英隆, 山城 圭介, 下江 正幸, 山本 直史, 長島 義之, 高柴 正悟
    2018 年 60 巻 2 号 p. 105-116
    発行日: 2018/06/29
    公開日: 2018/06/29
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    歯周炎に対する検査方法は多数報告されているが,歯周組織炎症の程度を客観的に評価することが出来る方法は未だに確立されていない。我々は,医科領域で広く用いられているPET(18F-FDG)/CTが炎症組織の局在と炎症強度を可視化することができることに着目した。そして,乳がんの既往を有する慢性歯周炎患者に対する歯周治療の効果を,既存の歯周組織検査方法とPET(18F-FDG)/CTとで経時的に比較検討した。歯周治療が進むに従って歯周組織炎症は消失し,BOPの割合は56%から3%に,PISAは1143 mm2から27 mm2に改善した。さらに,歯周治療前にPET(18F-FDG)/CTで検出された18F-FDGの顕著な集積は歯周治療後には消失した。これらの結果から,PET(18F-FDG)/CTは炎症性口腔疾患に対する新規検査方法として有用と考えられる。すなわち本症例報告は,PET(18F-FDG)/CTが医科―歯科共通の検査項目となることによって,周術期の医科―歯科連携の強化や,全身疾患を有する多くの歯周炎患者に対してさらに効果的な歯周治療を行うことが出来る可能性を提案するものである。

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