歯周炎は,様々な要因によって引き起こされる多因子疾患である。これまでの歯周炎の遺伝子要因に関する研究では,疾患の発症機序等の前提を考慮した候補遺伝子研究が行われてきた。しかし未だ結果については議論の余地があると考えられている。近年では,疾患の発症機序等の前提を考慮せず,ゲノム全体を網羅的に調べ,疾患と関連する遺伝子を同定する研究手法であるGenome Wide Association Study(GWAS)が注目されている。本稿では歯周炎のGWASに焦点を当てて解説する。
【目的】東京医科歯科大学では歯学科6年生(以下D6)と口腔保健学科口腔保健衛生学専攻4年生(以下OH4)が協働して同一の患者を診療する新しい臨床実習(D6-OH4連携実習)を開発,実施しており,その学習効果および臨床的効果について検討した。
【方法】2016年度 D6が歯周治療中の患者44名に対して,OH4とペアを組み,事前打合せのうえ初回診察時に協働で検査し,OH4がD6からの依頼のもとで保健指導を実施した。診療2回目はOH4が再評価・保健指導を行い,3回目はD6が患者の口腔状態・行動変容を再評価した。各回診療終了時に自己・相互評価,実習終了時にアンケートを実施した。(東京医科歯科大学歯学部倫理審査委員会承認:第1204号)。
【結果および考察】再評価時のプラークコントロールレコード(PCR)の平均は実習開始前と比べて統計学的有意に低下した。また自己評価では「患者中心の歯科医療に必要な連携ができた」,「自分の専門の役割を意識して行動できた」,「リーダーシップ,フォロワーシップを発揮できた」の3項目においては両学科学生とも,肯定的な回答が有意に増加した。また,ほぼ全学生が「連携実習で各々の役割を果たせた」と回答した。
【結論】新規D6-OH4連携実習は,患者のPCRの改善の効果だけでなく,学生の専門職としての意識向上や職種間協働への理解に有用であることが示唆された。
日本歯周病学会会誌第56巻4号に誤りがございました。
訂正申し上げます。
P435 症例報告レビュー 創傷被覆材を応用した歯肉増大法 ―長期経過症例―
著者名
(正)北條彩和子
(誤)北条彩和子