作物栽培にとって最適な耕うん法を明らかにする目的で, プラウ耕後ロータリで整地したPT区, ロータリで耕うん整地したRT区, ディスクハローで耕うん整地したDT区, 不耕起NT区を含む4種の耕うん法に対して, ダイズ, トウモロコシ, ニンジン, キャベツを栽培し, 出芽率, 活着率, 生育, 雑草, 収量などに与える影響を調べ, 以下の結果を得た.1)ダイズとトウモロコシおよびニンジンの出芽率は処理区間に有意差がなかった.キャベツの活着率は全処理区で100%となった.4種類の耕うん法に対して, キャベツの活着率および他の3種類の作物の出芽率には問題はないと判断される.2)ダイズ, トウモロコシおよびキャベツの生育において処理区間に有意差がなく, これらの作物生育にとって4種類の耕うん法は適用可能な耕うん法と判断された.ニンジンは播種後42日でDT区とNT区の生育に遅れが見られ, 処理区間に有意差が認められたことから, ニンジンの生育にとってこれらの耕うん法は適用できないと判断された.3)ダイズとトウモロコシの生育途中の雑草量(乾物重)を比較すると, NT区とDT区で多く, 処理区間に有意差が認められた.ニンジンとキャベツでの雑草量には処理区間に有意差がなかった, 特に定植栽培となるキャベツは生育が速く, 葉の位置が低く, また大きいため土壌表面の被覆率が高く, 不耕起条件においても雑草の抑制効果に対して有利な作物と言える.4)ダイズとトウモロコシおよびキャベツの収量は処理区間に有意差がなく, 4種類の耕うん法に対して栽培可能な作物と判断された.ニンジンはDT区とNT区の収量も低く, 裂根と岐根になるなど異変率が高かった.ディスクハローによる簡易耕うん法と不耕起条件での栽培は適切ではないと判断された.
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