シアナミド処理がナシ受粉樹の開花期および花粉発芽に及ぼす影響を調査した. CU.600でのシアナミド処理は,'鴨梨','新興','長十郎'および'今村秋'の開花日を1〜8日早めることができた.特に,開花期の最も早い'鴨梨'では,6〜8日と他の品種と比べ著しく促進することができた.また,花粉の発芽率は,年次により差があり,'鴨梨'はシアナミド処理により殆どの温度処理区で発芽率が低下する年があった.その理由として,シアナミド処理により四分子期到達日が早まったことが考えられた.しかし,'鴨梨'は調査品種の中で最も開花促進効果が高く,大幅な労力削減が可能になるものと考えられた.
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