1988年から1992年に,田畑輪換を実施した岡山県立農業試験場の花嵩岩質崩積土壌水田において,田畑輪換に伴う三相分布と雑草発生の変化を検討した.水田を畑転換すると,固相と液相の割合が少なく,気相の割合が多くなった.この変化は,転換の1〜2年において大きく,転換3年目以降にはほとんどみられなかった.転換畑を水田に復元した場合には,逆に固相と液相の割合が多く,液相の割合が少なくなったが,その変化は,水田から畑への転換の場合と同様,復元の1〜2年に大きく,3年目以降には連作田と同様の土壌状態になった.雑草の発生は,それぞれの転換に応じて,転換後の1〜2年に水田雑草から畑雑草,あるいは畑雑草から水田雑草へと変遷し,3年目には転換畑あるいは水稲連作田固有の雑草植生になった.これらのことから,田畑輪換による雑草発生の変化は土壌水分を中心とした土壌状態の変化に連動すると判断された.
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