農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
7 巻, 2 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 野波 和好, 土肥 誠
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 2 号 p. 1-2
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
  • 藤本 順子
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 2 号 p. 3-7
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    メロンの着果以降に発生するカルシウム欠乏症の発生経過と化学分析による診断法を検討した.1)メロンを水耕栽培し,着果以降に培養液のカルシウムを欠除した.欠乏症は,まず茎に現れ,その症状は摘心位置から5〜10cm程度下の部分が水浸状に褐変し,折れ曲がった.次いで,側枝の先端葉が全体に黄化し,その後葉脈間が褐変枯死した.さらに,この症状は親づるの先端葉にも発生した.また,株全体が萎れ,最終的に枯死した.2)カルシウム欠乏症の診断には,開花期に第16〜18葉のうち1葉を採取し,葉中カルシウム含有率を測定すればよいと考えられた.3)第16〜18葉のカルシウム含有率が13.Og・kg dw^<-1>以下になると葉に症状が認められなくても茎にカルシウム欠乏症が発生すると考えられた.また,葉中カルシウム含有率が9.Og・kg dw^<-1>以下になると葉に欠乏症が発生し始めると考えられた.
  • 福元 康文, 西村 安代
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 2 号 p. 9-17
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    アールスメロン(Cucumis melo L.)の果実肥大に伴う葉内及び果実内無機養分について調査検討を行った.果実は生体重,乾物重ともに受粉後20日目まで急激に増加し,可溶性固形物含量は20日目以降に急激な上昇が認められた.果肉色は,L値と色相は交配後徐々に低下し,彩度は逆に上昇した.果実内無機成分含有率は,受粉後5日目から10日目にかけて急激に増加したが,カルシウムとマンガンは10日目以降緩やかに減少した.最上位葉と着果枝の第1・2葉におけるカリ含有率は緩やかに減少し続け,さらに受粉後20日目以降,着果枝の第1葉において急激な低下が認められた.着果枝の葉におけるリン含有率は受粉後の日数の経過とともに上昇していく傾向にあり,特に30日目以降において顕著に認められた.また同葉内におけるマグネシウム含有率は収穫時まで緩やかに上昇しているのに対し葉内のカリとカルシウム含有率は減少し,クロロフィル含有量も減少した.以上から,葉は果実と同様に受粉後,内外的に大きく変化し,果実からの距離により無機成分の含有率とその経時変化が異なることが認められ,葉が果実の肥大品質に果たす役割は葉位によって大きく異なる事が明らかとなった.
  • マズンダル B.ビブティ, 程 舟, 鮫島 沙子, 大谷 慶人, 鮫島 一彦
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 2 号 p. 19-25
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    In a search on kenaf as a paper making raw material for developing industrial plant resources, a practical kenaf cultivation trial was conducted in a Japanese mountainous village. Physical properties of the kenaf plant such as moisture content, weight percentage of leaf to stem, harvested yield and chemical compositions were found and changed regularly together during the growing period. Kenaf compositional characteristics and pulping properties were investigated dureing different growth stage. The maximum whole stalk yield of kenaf was more than 15 tons (oven dried weight) per hectare for the late maturity variety in this trial. Kraft pulp quality of kenaf whole stalk will be compared with that of commercial wood kraft pulp. However, pulp quality showed to be greatly influenced by cultivation practices including variety, plant population and harvesting time. A model cultivation of kenaf for whole stalk kraft pulping raw material was demonstrated for the optimum maturity period, population densities and harvesting time between October and November. Normal pressure pulping of the bast fiber also showed the feasibility to produce the promising pulp as a raw material for handmade paper making.
  • 阿部 一博, 大門 直喜, 和田 光生, 平井 宏昭, 黒岡 浩
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 2 号 p. 27-30
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    アレキならびにネオマスの穂梗へのラノリンペーストの塗布による果粒肥大効果を調べた.アレキ:GA_3処理によってすべての果粒は大きくなり,対照区の果粒重が7.83gであるのに対して,処理区の果粒重はすべて9g以上となった.特に開花後30日の5.0%処理区は,最も重かった.いずれの処理時期でも,2.5%より5.0%での処理効果が大きかった.ネオマス:GA_3もしくはGA_<4+7>処理によって果粒は肥大し,重くなり,開花後20日のGA_<4+7>-5.0%での処理効果が大きかった.また,いずれの処理時期でも,GA_3で処理するよりもGA_<4+7>で処理した果粒の方が大きかった.両品種ともラノリンペーストの塗布による果粒肥大効果がみられたが,果肉の糖含量がやや低く,成熟遅延が認められた.
  • エンリケス ファビオ ギメナ, 松井 年行, 池内 隆夫, 鈴木 晴雄, 川田 和秀
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 2 号 p. 31-38
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    グルタミン合成酵素(GS),アスパラギン合成酵素(AS)活性の季節変化が,3月から10月まで温室で栽培されたアスパラガス品種'E414'と'ウエルカム'若茎の上・下部位を使って検討された.両品種・両部位において,GS,AS活性は,春先(3月から4月)の収穫初期で高く,4月に最高となった.GS活性は,より高い温度下(5月から8月)で減少し,低い温度下(9月から10月)で増大した.若茎上部の累積的なGS活性は,両品種において,下部の活性の約2倍高かった.他方,AS活性は若茎成長中の温度変化で徐々に減少した.若茎上部の累積的なAS活性は,'ウェルカム','E414'で各々下部の1/3,1/4であった.若茎の上部は,下部よりGS,AS活性が有意に高かった.両品種のうちで,'ウエルカム'は'E414'よりAS活性が高かった.若茎上部のグルタミンとアスパラギン含量は,両品種とも下部よりも相対的に高かった.GS活性はグルタミン,グルタミン酸,アスパラギン酸,アスパラギン含量との間に相関が認められなかった.しかしながら,両品種において,AS活性とグルタミン,アスパラギン酸含量との間に正の相関が認められた.
  • 福森 武, 松島 秀昭, 山下 律也
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 2 号 p. 39-43
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    この報告は,生籾の品質保持を前提にテンパリング乾燥機のスピードアップを図り,低コストや省エネルギを目途に技術開発を行ったもので,その結果は次のようである.1)通風乾燥前に予措加熱を設けることは,生籾の初期乾燥速度を高め,高速化できることを見いだした.2)乾燥初期の高い温度は,粒内部の水分拡散係数を高めることにあるので,乾燥部の前に加熱管部を設けた.3)高い乾燥速度は,水分20%以下で胴割れ発生が生じるので,乾燥速度を許容域になるよう温度制御した.4)初期水分26%の籾は,処理時間が従来機の約1/2に短縮できることが判明した.5)この高速乾燥法は,食味や胴割れなどの品質低下が見られなかった.
  • 福森 武, 松島 秀昭, 後藤 清和, 山下 律也
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 2 号 p. 45-49
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    本報告は,前報に引続き呼吸量・品質評価・経済性評価から高速乾燥機の利用効果を考え,さらに乾燥施設への利用展開について検討を加えたもので,次のような成果が得られた.1)高速乾燥は,予措加熱により籾温度を短時間高める操作で乾燥の高速化ができ,積算呼吸量は従来機に比較して1/3程度に低減することができた.穀粒の呼吸による消耗が少なく品質向上面から価値が高い.2)乾燥速度は高水分域で高められるので,生籾からの利用が効果的である.生籾の水分にもよるが従来機に比較して1.5倍程度の性能向上が期待できる.3)乾燥機の運転経費は,乾燥速度のアップ分として50%程度の節減が期待できるが,除去水分量の減少に伴なって,その効果は低下する.4)ラック施設への高速乾燥機の併用は,ピーク入荷時の滞貨を著しく低減することに役立つ.事例では4.5tの新型機を2基併設することにより滞貨が80t程度減少した.
  • 李 進才, 松井 鋳一郎, 吉田 徹志, 福元 康文
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 2 号 p. 51-57
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    キュウリのロックウール栽培において開花直前から摘葉処理を始め,その後生育に伴い主枝及び第一次側枝の1/3及び1/2葉数の幼葉を出葉時に順次摘葉することにより,キュウリの生育に及ぼす摘葉の効果を検討した.摘葉区では,主枝,第一次側枝の個葉葉面積及び第一次側枝数は摘葉の影響をほとんど受けなかったものの,摘葉処理30日以降は,対照区より葉新鮮重,根増加割合が大きくなった.摘葉割合の多い区ほど主枝低位節葉の乾物重,含水率,SPAD値及びの溢泌液量,生育に伴う低下は顕著に小さかった.光合成速度は主枝及び第一次側枝の葉とも1/2摘葉区,1/3摘葉区,対照区の順で大きかった.摘葉処理30日に,主枝葉内のN,P含有率は摘葉区の方が対照区より高く,その差は下位節の葉ほど大きかった.摘葉処理10〜29日の平均果重,収量及び正常果率は対照区より劣ったが,摘葉処理30日以降はいずれも摘葉区のほうが高かった.
  • 金 相旭, 笠原 浩三
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 2 号 p. 59-64
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    本稿では消費の変化はタイムラグ変数の前期の消費によって影響されるとの想定,ナローブ型の時差モデルを基準に年次経過による生鮮肉の消費構造の変化と消費反応の推計方法について検討した.具体的に,推計パラメータを期間全体を一定とする計測方法と,タイムラグを導入した係数推計法の線形回帰分析の結果を比較し,実証的に検討を行った.その結果明らかになったことをまとめると次のようである.(1)消費構造の変化が時間の経過によって変化していくという想定のもとで,まず,家計費調査年報を基に消費構造の変化を確認した.(2)さらに価格や所得に対する消費への反応は,今まで固定的に考えられてきたが,この反応も時間の経過に伴い可変的に変化し,そのような分析モデルの必要性をナローブのモデルを用いて考察し,需要反応は前年の影響を一定程度受けていることが確認できた.(3)また,推計すべきパラメータそのものに,時間変数tを導入し,消費構造が時間変数と共に変わっていくと想定した需要関数の計測を行った.これは従来パラメータは固定的として推計していた考え方を変えて,推計パラメータを可変モデルとしたものである.推計のための対象期間が長期に及び,消費構造が変化していると思われる場合には一層効果的となるであろう.これによって,消費構造の変化に趨勢効果を確認し,弾力性係数そのものが一定の傾向を持って変化していくことを明らかにすることができた.
  • 阿部 一博, 宮原 晋作, 和田 光生, 平井 宏昭, 黒岡 浩
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 2 号 p. 65-73
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    緑熟果,催色果,着色果の3段階の熟度のミニトマト果実の品質や生理的特性に対する熟度ならびに栽培時期の影響を調べるとともに,物理的損傷に対する応答反応の差異を調べた.滴定酸含量:いずれの熟度においてもゼリー部の滴定酸含量は果肉部より多く,両部位の滴定酸含量に対する栽培時期の影響は小さかった.また,両部位とも催色果の滴定酸含量が緑熟果や着色果より多い傾向がみられた.糖含量:いずれの栽培時期でも着色果の含量が最も多く,緑熟果の含量が最も少なかった.8月収穫果の含量が最も多く,その後気温の低下とともに少し減少した.また7〜8月の果実では果肉部の含量がゼリー部より多かったが,冷涼期の果実では両部位の差は小さかった.遊離アミノ酸含量:ゼリー部の含量は果肉部より多く,催色果の含量が最も少なかった.7月収穫果の含量が最も多く,その後は減少した.CO_2排出量:収穫直後のCO_2排出量が最も多く,保持8時間後には減少して32時間後までほぼ同じレベルで推移した.収穫直後のCO_2排出量は緑熟果が最も多く,着色果が最も少ない傾向がみられた.C_2H_4生成量:緑熟果では7月と8月の収穫直後にわずかにC_2H_4生成がみられたが,保持8時間以降は生成がみられなかった.10月と11月の緑熟果では収穫直後でもC_2H_4生成はみられなかった.7〜8月中旬では,催色果のC_2H_4生成量は保持中に減少する傾向がみられたが,着色果より少なくなることはなかった.両果実とも8月下旬から冷涼になるにしたがってC_2H_4生成量は減少し,11月の果実の生成量は非常に少なかった.物理的損傷に対する生理的応答反応:栽培時期に関わらず,切断によってCO_2排出量は増加した.また,切断によって増加した緑熟果のCO_2排出量は保持中に減少したが,他の切断果実では保持中の変化は少なかった.3段階の果実とも切断によってC_2H_4生成量は増加し,増加は催色果て最も顕著で,着色果の増加が最も少なかった.切断によって増加したC_2H_4生成量は,保持32時間後には減少した.切断によってC_2H_4生成量が増加する傾向はいずれの栽培時期でもみられたが,冷涼期に収穫した果実における増加が最も少なかった.
  • 中野 尚夫, 小林 理恵, 今木 正, 浅尾 俊樹, 土本 浩之, 持田 正悦
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 2 号 p. 75-79
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    島根大学附属神西砂丘農場(出雲市)において,品種ベニアズマを供試し,砂丘畑におけるサツマイモの再生紙マルチ栽培の効果について検討した.再生紙マルチ栽培(再生紙マルチ区)では無マルチ栽培(露地区)や黒色ポリエチレンフィルムマルチ栽培(黒マルチ区)より,降雨の少ない7月上旬以降の生育が優れ,塊根収量が高かった.再生紙マルチ区の土壌水分は露地区のそれより低く経過したが,降雨水がほとんど土壌に浸透しない黒マルチ区と異なって,降雨2日後に露地区と同程度の土壌水分になり,降雨量の少ない夏期にも萎凋がみられなかった.また再生紙マルチ区では,黒マルチ区あるいは露地区より地温の日変化が小さく,日中の地温が低かった.これは,高温による生育低下を軽減すると考えられた.さらに,再生紙マルチ区では生育期間中の葉色が,黒マルチ区と同様,露地区より濃かった.これは,露地区では降雨水の土壌への浸透とともに肥料分か溶脱したのに対し,再生紙マルチ区では降雨水の土壌浸透量が少なく,しかも一旦再生紙に吸収された後の浸透になるため,養分溶脱量が小さかったことを示唆している.さらに再生紙マルチ区では,黒マルチ区と同様,雑草がほとんど発生しなかった.以上から,砂丘地での再生紙マルチによるサツマイモ栽培は有利と考えられた.
  • 青木 宣明, 女鹿田 博之, 坂田 祐介, 常松 定信
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 2 号 p. 81-88
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    'ハイヌーン'の花芽分化開始時期は9月上旬で,10月中旬にはすでに雌ずい分化が観察された.対照品種の'花競'の花芽分化開始時期は6月中旬〜下旬で,雌ずい分化は'ハイヌーン'と同じ10月中旬であった.'ハイヌーン'の促成栽培において,1年生株の開花率は予冷,無予冷にかかわらず50%以下であったが,2年生株の場合,100%の開花率を示した.また植え付け時期が早くなるほど,発芽と開花が早くなり,10月下旬に植え付けると12月中旬に開花した.以上のことから,'ハイヌーン'の12月出荷の年内促成栽培では,2年生以上の株を9月上旬に掘り上げて冷蔵し,10月下旬に植え付けるのが最適である.
  • 小林 和広, 植木 忠, 今木 正
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 2 号 p. 89-93
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    穂肥の時期と量を適切に決める上で必要である,穂数と面積当たり穎花数を幼穂形成期までに予測する技術の開発を試みた.ここでは分けつ数,株体積と葉緑素値(SPAD値)あるいは群落葉色から診断する技術を検討した.1.完全展開第2葉と分けつ数の積(7月6日;最高分げつ期)あるいは群落葉色と株周の積(7月16日;2次枝梗分化期)は不十分ながら,穂数の診断に利用できた.2.群落葉色と株体積の積は穎花分化始期では精度のよい面積当たりの分化穎花数の指標となる.それ以前の2次枝梗分化期でも指標として利用できる可能性を見いだした.
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