農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
7 巻, 1 号
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  • 谷口 憲治
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2000/04/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
  • アラム シャミーム, 松井 年行, 池内 隆夫, 鈴木 晴雄
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 1 号 p. 7-11
    発行日: 2000/04/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    アスパラガス(品種'E414'と'ウエルカム')の根の関連酵素活性と糖含量への影響に及ぼす夜温(25/5℃、25/10℃、25/15℃)の効果を人工照明下のグロースキャビネットを用いて検討した。'E414'の可溶性酸性インベルターゼ活性は夜温の上昇に伴い高まる傾向がみられた。細胞壁結合性の酸性インベルターゼ活性は、25/10℃と25/15℃間で有意差を示したが、25/5℃と25/10℃間で有意差は認められなかった。ショ糖合成酵素(SS)とショ糖リン酸合成酵素(SPS)活性は、25/5℃で最も高く、夜温の上昇に伴い低下した。酸性インベルターゼ活性は'ウエルカム'(WC)より'E414'が高く、一方SSとSPS活性は、'E414'より'ウエルカム'が高かった。可溶性と細胞壁結合性画分のインベルターゼ活性は、ショ糖含量と負の相関を示した。他方、ショ糖含量は、SS,SPS活性と正の相関が認められた。糖のうちで、ショ糖が最も含量が高く、次いで、ブドウ糖、果糖の順であった。本報研究により、ショ糖含量は、温度の低下に伴って高まり、SSとSPSは、アスパラガスの根のショ糖合成に関係する主要な酵素であることが示唆された。
  • 西原 英治, 高橋 國昭, 近藤 謙介, 岩崎 正美, 中田 昇
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 1 号 p. 13-19
    発行日: 2000/04/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    夏期高温時の砂地において雨よけでホウレンソウを栽培する時の再生紙マルチの効果を地温及び生育について検討した。また,再生紙マルチが品種,潅水強度と関連してホウレンソウの生育に及ばす要因を,生長パラメータを用いて解析した。1.1996年に行った実験で再生紙マルチ区は,日中の最高地温を抑制するためのホウレンソウ'おかめ'の発芽率は高まり,収量は増加した。2.1997年に行った実験でも,雨よけハウスに寒冷紗カサガケした区より,再生紙マルチを併用した区の方がホウレンソウの生長は明らかに優れ,収量は高く,出荷規格区分でもLサイズとなった。3.寒冷紗カサガケと再生紙マルチを併用するとシルバーポリマルチと同様か同様以上の効果が見られ,特にLARを増加させた。それがLAIを高め,ひいてはCGRを大きくする結果を示した。再生紙マルチに適する品種としては'バージニア'が良いと考えられた。以上の結果,従来の砂地における慣行法であるカサガケ法に再生紙マルチを併用する方法は,夏期のホウレンソウ栽培では効果が高く,環境保全の面から考えてもシルバーポリマルチの代替は可能と考えられた。
  • 三野 真布
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2000/04/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    雑種強勢を発現するトウモロコシのF1雑種とその両親近交系の種子発芽に及ぼす低温と高温の影響を調査した。F_1雑種は幅広い温度域で幼根抽出率が両親よりも高かった。種子吸水後の様々なステージで種子に4時間の高温(42℃)または低温(6℃)処理を施し、その後に適温(30℃)に戻すと発芽遅延が認められた。発芽遅延は低温処理よりも高温処理で強くあらわれたが、その程度は両親系統よりもF_1雑種のほうが低かった。これらのことから、F_1雑種は不適温度条件下で両親と比較して表現型をより強く安定させる能力をもつことが分かった。この表現型を安定させる能力はF_1雑種が温度変化などの環境の変動に効率よく応答して成長し、結果として雑種強勢の発現につながるものと考えられた。
  • 三野 真布
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 2000/04/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    農業諸形質で強い雑種強勢を示すF1雑種(Oh545xW22)と示さないF_1雑種(Oh545XOh45)およびそれらの両親近交系を用い、発芽種子よりミトコンドリア粗画分を調整し、イソクエン酸脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素およびチトクロムC酸化酵素の活性を測定した。これまでの一連の研究で、雑種強勢を示すF_1雑種の芽生えが両親系統よりも強い呼吸活性を示すことを明らかにしたが、本研究で調査した酵素活性はF_1雑種と両親との間で大差なかった。そこで、呼吸代謝が雑種強勢の発現に係わる機作を探る目的で、呼吸阻害剤であるシアン化カリウム(KCN)とジニトロフェノール(DNP)存在下で発芽試験をおこなった。その結果、Oh545xW22はKCNに対して両親よりも有意に高い発芽率を示したがOh545xOh45は両親と同様に低い発芽率であった。逆交雑したW22xOh545はOh545xW22と同程度のKCN耐性を示したが、DNPに対してはW22とW22xOh545が最も強い耐性を示し、Oh545xW22の耐性はそれらを下回った。一方、Oh545XOh45はDNPに対する耐性も最低であった。これらの実験から、トウモロコシの発芽種子が示すシアン耐性は核遺伝子が、DNP耐性は細胞質が支配することを明らかにした。
  • 三野 真布
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 2000/04/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    D-(U-14C)-グルコースを用い、初期生育においても雑種強勢を発現するトウモロコシのF_1雑種の発芽種子でのグルコース代謝を解析した。CO_2中の放射能量の変動を見ると、F_1雑種が吸水24時間以降で両親よりも有意に高くなった。胚中のアルドラーゼ、アルコール脱水素酵素(ADH)活性は56時間目まで殆ど変化なかったが、グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PDH)と6-ホスホグルコン酸脱水素酵素(6PGDH)活性は32時間目以降に増加し始めた。しかし、どの酵素活性もF1と両親系統の間で大差なかった。さらに、C6/C1比より見たペントースリン酸サイクルの活性もF1と両親との間で同程度であった。調査した解糖系、アルコール発酵およびペントースリン酸サイクルの酵素活性ではF_1雑種の強勢を説明できなかったが、トレーサー実験の結果はF1雑種の活発な初期生育には旺盛な糖代謝が関与することを示した。
  • 佐竹 覺, 金本 繁晴
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 2000/04/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    白米を1粒単位で全数検査して,選別することを目的に,原料供給部の最適化設計について実験を行なった結果,米粒の重なり割合は,8.0%で,従来機の4分の1に低減され,米粒速度のバラツキについても改善が見られた。以上の実験結果から,米の高性能分光選別機における原料供給部の諸元は,次のように設定することにした。1)フィーダの制御は,MR素子によるフィードバック制御によって行う。2)シュートの材質は,アルミニウムの押し出し材の表面にフッ素樹脂を含浸させたものを使用する。3)シュートの形状は,平シュートとする。4)シュートの長さは,1,200mmとする。5)傾斜角度は,60度とする。この結果に基づき,他の構成部についても開発研究を行い,市場ニーズである,1次選別で着色部φ0.5mm程度の不良粒とφ2mm程度の異物の選別率が95%以上で,不良品濃度が限りなく100%に近い高性能の分光選別機の開発を目指している。
  • 佐竹 覺, 金本 繁晴
    原稿種別: 本文
    2000 年 7 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 2000/04/01
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    分光選別の検出系は,白米中に混入する不良粒と異物を100%近い識別率で検出するためで,実験の結果,以下のような分光検出部の最適設計条件の結果を得た.1)反射率の差と吸光度の差を利用して識別を行うため,波長域を選定し,乳白粒以外の不良粒に対して430〜470nmの可視光域を,異物には1550〜1650nmの近赤外域を採用した.2)可視光域の光源は,調光した蛍光灯を使用し,近赤外域には,ハロゲンランプを使用した.なお,光学フィルタは,採用した波長域に適合するものを選定した.3)背景板は,良品の明るさに自動校正することにより,不良粒および異物を安定して識別することができた.4)センサは,可視光用にSi CCDセンサ2048素子10KLPS,近赤外用にInGaAsリニアセソサ256素子4KLPSを採用し,対象とする不良粒と異物を100%識別することができた.
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