農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
23 巻, 1 号
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  • 2016 年 23 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/09/02
    ジャーナル オープンアクセス
    D Cryo-plate 法を用いてキク属植物茎頂の超低温保存法を確立した.具体的には,キク培養体の低温馴化(4 oC,30 ~ 40 日間),前培養(0.3 M ショ糖含有1/2MS 培地:4 oC,3 ~ 5 日間),ビーズ包埋処理(アルギン酸ナトリウム溶液:23oC,15 分),LS 処理(LS液:23 oC,30 分),風乾処理(風速0.6m/sec:23 oC,90 分間)および急速冷却196 oC)により超低温保存する.再生育は,昇温処理(1.0 M ショ糖含有1/2MS 培地:23 oC)をおこなった後,ビーズに包埋された植物体のまま固形培地に置床する.上記の方法により,キク園芸品種で96.7% の生存率が得られた.また, 二倍体から十倍体まで倍数性の異なるキク属6 種においても66.7 ~ 100% の高い再生率が得られた.本研究成果,キク遺伝資源のジーンバンク・クライオバンキング事業において実用可能な保存方法であると考えられる.
  • 2016 年 23 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/09/02
    ジャーナル オープンアクセス
    ウンシュウミカン「愛媛中生」の植栽圃場において太陽光の特定の波長,すなわち短波長(420 ~ 470nm),中長波長(520 ~ 570 nm),長波長(570 ~ 620nm),全ての波長を反射する試作マルチシート,および既製品のT ベックシートを敷設,対照は露地として光環境と昆虫の飛来状況の変化を調べた.試験の結果,樹冠外地上1 m における反射光量はTベックシートが一番多く, 露地と全反射のマルチシートがそれに次いだ.樹冠内では露地の光量はほとんど なく,マルチシートの敷設によって地上0 m および1m における光量が増加した.昆虫を粘着トラップにより捕獲し,種類別(目別)の飛来数を調査したところ,供試したマルチシートの種類によって個体数に相違があった.また総個体数では短波長,中長波長ならびに長波長シートでは露地の半分前後,全反射シートとT ベックシートではこれらよりもさらに有意に減った.以上の結果より圃場でのマルチシート敷設は樹冠内外の光環境のプロフィールを変化させ,同時に昆虫の飛来数にも影響を与えると考えられた.
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