農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
22 巻, 4 号
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  • 佐久間 俊, 木庭 卓人
    原稿種別: 本文
    2016 年 22 巻 4 号 p. 105-110
    発行日: 2016/03/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    ライコムギ(×Triticosecale)はパンコムギ(Triticum aestivum L.)とライムギ(Secale cereale L.)を交雑して作った最初の新作物である.属間交雑を行う際に問題となるのが交雑親和性であり,パンコムギとライムギとの交雑親和性は主に優性遺伝子Skr(Kr1)に支配されている.劣性遺伝子skr(kr1)を持つ系統は交雑親和性が高く,比較的容易にライコムギを作ることができる.ライムギとの交雑親和性はコムギの倍数性進化において四倍性コムギの段階で高交雑親和性から低交雑親和性への突然変異が生じたとの報告があるが詳細は明らかでない.本研究ではアジアとロシアの在来四倍性コムギ25品種についてライムギとの交雑親和性の系統間,地域間差異を検討した.その結果,四倍性コムギにおいて,交雑親和性の低いグループ,中程度のグループ,高いグループの3グループに分けることが出来,遺伝的な多様性が存在することがわかった.また,四倍性コムギが示す交雑親和性はパンコムギよりも低く,パンコムギの一部品種が持つ高い交雑親和性は六倍性コムギが成立した後に生じた変異であることが示唆された.
  • 山浦 浩二, 西村 融典
    原稿種別: 本文
    2016 年 22 巻 4 号 p. 111-119
    発行日: 2016/03/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    水稲作後のレタスのアップカットロータリによる耕うん畝立てにおいて,生産者が容易に取り組める耕うん爪の一部小径化による耕うんの低動力化を検討した.その結果,回転半径245mm,総本数42本のアップカットロータリにおいて,中央部30本を回転半径175mmの小径爪とし,耕深を14cm程度とすると畝立て精度は維持されて,耕うん動力は22〜39%低減した.また,同数を回転半径が190mmの小径爪を利用した耕うん畝立て後のレタス栽培では,耕うん動力は13%程度の低減に留まったが,畝立て精度は維持されてレタス収量は標準爪利用の場合と同等であった.これらのことから,本技術の実用性が認められた.
  • 黒木 克翁, 竹村 圭弘, 武田 誠, 冨山 政之, 田村 文男
    原稿種別: 本文
    2016 年 22 巻 4 号 p. 121-126
    発行日: 2016/03/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    シアナミド処理がナシ受粉樹の開花期および花粉発芽に及ぼす影響を調査した. CU.600でのシアナミド処理は,'鴨梨','新興','長十郎'および'今村秋'の開花日を1〜8日早めることができた.特に,開花期の最も早い'鴨梨'では,6〜8日と他の品種と比べ著しく促進することができた.また,花粉の発芽率は,年次により差があり,'鴨梨'はシアナミド処理により殆どの温度処理区で発芽率が低下する年があった.その理由として,シアナミド処理により四分子期到達日が早まったことが考えられた.しかし,'鴨梨'は調査品種の中で最も開花促進効果が高く,大幅な労力削減が可能になるものと考えられた.
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