農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
4 巻, 2 号
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  • 山浦 浩二, 西村 融典
    原稿種別: 本文
    1997 年 4 巻 2 号 p. 1-8
    発行日: 1997/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    水稲の被覆剤による被覆法と被覆種子の性状について検討した。主な結果は次のとおりであった。1.回転数25rpm,傾斜角40度のドラムに浸種籾を投入し,被覆剤(A粉粒剤)と水を徐々に添加,噴霧して被覆種子とする場合,被覆剤質量に対する噴霧水質量の比率(水/剤比率)は22.8%とすると被覆作業中に籾に触れることなく円滑な被覆ができた。2.被覆,陰干し後の被覆種子単粒の質量と体積,硬度には高い直線の相関があり,質量が大きいほど体積は大きく,硬度も高かった。この場合,被覆中の水/剤比率が大きいほど質量増加に対する硬度上昇割合が大きくなった。3.被覆種子の発芽率は被覆種子の質量が大きく,硬度が高いほど低下した。発芽率を維持できる被覆種子質量はA粉粒剤で80mg,16粉粒剤で90mgと考えられ,硬度はいずれも9.6Nであった。4.播種作業に支障のない程度に陰干しを短縮し,被覆種子の水分低下を所定域に抑えることで硬度の上昇を防ぐことは発芽率の維持に有効と考えられた。5.無浸種で乾籾を直接被覆した場合,陰干し後に被覆にひびが生じ,硬度は低下したものの,発芽率は高く維持された。このことは被覆法改善の一法にできると推察された。
  • 望岡 亮介, 村井 泰広, 原田 久, 高木 敏彦, 向井 啓雄
    原稿種別: 本文
    1997 年 4 巻 2 号 p. 9-12
    発行日: 1997/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    実ウメ'南高'の一年生実生苗を用いて組織培養による台木の大量増殖を検討した。シュートの生育はMS培地,WP培地及びB5培地のうち,WP培地が最も優れていた。シュート増殖に適するBA濃度は5または10μMであったが,ゼアチンや2iPではほとんど効果が認められなかった。一方,シュートの伸長にはこれら3種類のサイトカイニンで大きな差は認められなかった。シュートの発根には,1μMのIBAまたはNAAが適していた。発根した植物体はミスト装置下で順化することで,容易に活着した。
  • 魏 亜玲, 岩尾 俊男, 林 圭〓, 藤浦 建史, 竹山 光一, 土肥 誠
    原稿種別: 本文
    1997 年 4 巻 2 号 p. 13-17
    発行日: 1997/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    本研究では,樹皮ベッドの平均pFが1.3〜2.4の範囲において,不規則に変化させた照度に対する作物の茎流量,茎径変化,及び根圏のpFの応答特性,相互相関関数を求めた.主な結果は次のとおりである.1.作物の茎流量は,pFの増加とともに減少し,pFが1.6〜1.7の範囲から2.0にかけて急激に減少した.2.不規則な照度に対する茎流量,茎径変化,pFの入出力間の時間差は,それぞれ10分,9〜18分,8〜10分であった.それらの入出力間の時間差は,茎流量とpFではpFの値に関係なくほば一定であった.一方茎径変化の入出力間の時間差は,pFが約1.6以上では,急激に長くなった.以上のことから樹皮ベッドによる作物栽培のかん水限界点はpF1.6〜1.7であることが明らかとなった.
  • 陳 永波, 毛利 建太郎, 難波 和彦
    原稿種別: 本文
    1997 年 4 巻 2 号 p. 19-28
    発行日: 1997/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    本研究は,CCDカメラでリンゴ損傷果の判別を目指し,ここでは品種富士と王林の分光反射特性を計測し,カラー画像から得られる三刺激値の理論からRGB,HIS,Lab,XYZ,xy,rg及びW^*U^*V^*の表色系で,リンゴの正常部と損傷部の色彩特性を表す.損傷リンゴの表色値は,正常果より小さくなった.富士の表面色正常部と損傷部の各表色系による差は,何れの表色系でも小さくなり,判別は難しい,富士の地色と王林は,大きい差が存在しており,判別が可能である.
  • 平塚 貴彦
    原稿種別: 本文
    1997 年 4 巻 2 号 p. 29-34
    発行日: 1997/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    In this paper, the issues in regard to structural, price and income support policies in the New Basic Law on Food, Agriculture and Farming Villages (tentative name ), were analyzed. The following topics were examined : (1) the policy objectives in regard to food, agriculture and farming villages in the above legislation; (2) the questions involved in helping farmers, and the price and income support policies needed to stabilize farm managements; (3) the income support policies needed for farm management in farming villages with economic ploblems; (4) the perspectives and limitation of farm management and agricultural areas in regard to the requisite price and income support policies.
  • 古塚 秀夫
    原稿種別: 本文
    1997 年 4 巻 2 号 p. 35-40
    発行日: 1997/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    芝の主産地である鳥取県西部において芝生産農家の聴き取り調査を実施して,企業利潤の最大化に関する経営行動について以下のことを明らかにした。すなわち,(1)短期的には,集約度の高度化や生産効率の向上によって収穫割合を高めることが,(2)長期的には,規模拡大によって収穫量を増加させることが企業利潤を最大化させることを明らかにした。また,企業利潤の最大化を目標とした場合の損益分岐点上の収穫割合は75%〜80%であることを明らかにした。
  • 姚 剣亭, 中尾 清治, 土肥 誠
    原稿種別: 本文
    1997 年 4 巻 2 号 p. 41-46
    発行日: 1997/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    本研究は,農作業にRCヘリコプタを広く利用し,容易に操作できるような飛行安定性に優れたRCヘリコプタを開発するための基礎研究として,4軸RCヘリコプタを試作し,その操作特性について検討した。1.フリージャイロの傾斜角とロータを駆動するモータのパルス幅との関係をみると,±10°程度の傾斜角までは,搭載したフリージャイロで精度よく水平に制御することができた。2.試作機(4軸ロータ)の上下,前後,左右方向の移動及び水平旋回の作動は,送信機操作により各軸のロータ軸回転数を変化させて行うが,フリージャイロとレートジャイロによりロータ軸回転数を制御して,飛行の安定を保持することができた。3.試作機(4軸ロータ)の最大揚力は,ロータピッチ角12°ロータ軸回転数1312rpmのときで,38.66Nであった。これは1軸ロータの揚力の2.3倍程度で小さかった。隣り合うロータの軸間距離を920mmから1100mmに大きくすると,揚力は13.6%増加した。4.試作機の隣り合う2つのロータ相互の先端間隔が狭いと,ロータの回転による空気に干渉が生じ,揚力に負の相互作用を及ぼしていることが確認された。
  • イスラム A.F.M.S., 平井 宏昭, 北宅 善昭, 簗瀬 雅則, 森 源治郎, 谷 晃, 清田 信
    原稿種別: 本文
    1997 年 4 巻 2 号 p. 47-53
    発行日: 1997/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    低湿地圃場において、土壌の通気性を高めるため、ロックウールを土壌と混合して(混合区)、あるいは塊として(塊区)畝内に埋設し、サツマイモを栽培し、通常の形状の畝(対照区)と比較した。各区とも、栽培期間を通して、畝間を湛水状態(水深20mm)にした。植物体全体の生体重および乾物重は、混合区および塊区が対照区より大きくなった。混合区の地下部乾物重および塊根乾物重は、それぞれ対照区の2.4倍および2倍となった。塊根/全体の乾物重比率は、混合区が最大となり、塊区、対照区の順に小さくなった。廃棄ロックウールを土壌と混合することにより、低湿地圃場でのサツマイモ栽培が可能である。
  • 劉 厚清, 毛利 建太郎, 難波 和彦
    原稿種別: 本文
    1997 年 4 巻 2 号 p. 55-60
    発行日: 1997/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    乾海苔の等級と色相,明度,彩度及び光沢度との関係を調べた。また,海苔を高品質に乾燥する乾燥方法を確立する目的で,棒状の遠赤外線ヒータを用いた乾燥装置で乾燥実験を行い,乾燥因子及びその因子の組合せにより,乾燥条件が品質に与える影響を調べた。(1)乾海苔の等級は色相,光沢度と高い回帰性があるが,明度及び彩度には回帰性が認められない。つまり,色相及び光沢度を測定することにより,乾海苔の等級を推測できる。なお,生産地により同じ等級でも,多少の差がある。(2)遠赤外線を用いて乾燥した場合に,乾燥方法及び乾燥因子の組合せの違いにより,乾海苔の製品に等級の差が認められる。すなわち,乾燥工程により仕上げ製品の品質に影響が生ずる。(3)乾燥因子及び因子間の相互作用は製品の品質に影響を及ぼす。もっとも影響が大きい因子は,送風速度である。
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