農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
22 巻, 3 号
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  • シリプトン インポン, 安延 久美
    原稿種別: 本文
    2015 年 22 巻 3 号 p. 69-79
    発行日: 2015/12/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    本研究では,洪水が起こりやすい米生産地域であるラオスのチャンパサック県サナソンボウン地区で低地米生産農家の農家経済およびフードセキュリティにおける洪水の影響について評価を行う.洪水年および標準年における世帯収入およびフードセキュリティについて2時点の比較分析を行ったところ,洪水は世帯消費用の米の生産能力および農家の生計に負の影響を与えることがわかった.洪水年の農家世帯の現金収入は標準年に比べ約24%減り,フードセキュリティを満たしていない農家割合は標準年の8%から16%に上昇したことを確認した.また,洪水で発生した影響への対処のため, 50%近くの農家が友人や親戚からの食料や金銭の助けを頼りにしていることもわかった.これらから,洪水が起こりやすい地域において政府は灌漑システムを改善する,ライスバンクを設立する等の事前対策に努める必要があると考えられる.
  • 安田 登, 山根 智子, 土倉 まゆみ, 土本 浩之, 広瀬 佳彦, 磯上 憲一, 春日 純子, 山岸 主門, 松本 真悟, 門脇 正行
    原稿種別: 本文
    2015 年 22 巻 3 号 p. 81-86
    発行日: 2015/12/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    島根県の砂丘地におけるサツマイモ品種'ベニアズマ'の栽培において収益が最大となる最適窒素施肥量を決定することを目的に実験を行った.その結果,窒素施肥量とサツマイモ収量との間には明確な関係性はみられなかった.窒素施肥量の増加に伴い,平均塊根1個重は増加する傾向にあり,市場単価の高いM,L規格の塊根の割合は窒素を10a当たり7.5kg施用した区で最も高くなった.また,蒸し芋の食味官能試験を行ったところ,食味の評価値は窒素を10a当たり7.5kgおよび8.75kg施用した区で慣行区(窒素を同5kg施用)より高くなる傾向にあり,蒸し芋糖度は窒素施肥量の増加に伴い上昇する傾向にあった.各処理区の生産額を算出したところ,窒素施肥量の増加に伴い高くなる傾向にあり,10a当たり7.5kg施用した区で最も高かった.以上の結果から,収益面から見た島根県の砂丘地でのサツマイモ品種'ベニアズマ'の栽培における最適窒素施肥量は10a当たり7.5kgであることが示唆された.
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