著者等が2003年に開発し,その後,商品化された野菜用半自動多条移植機の移植ユニットについて,移植精度の向上を図るための改良を行い,次の結果を得た.1.移植ユニットの改良点は,移植部ヒンジ・レバーのヒンジ点を"くの字"状としたこと,及び移植カップの開閉にもヒンジ・レバーを用いたことを特徴とした.2.万能試験機による移植ユニットの作動状況を調査したところ,移植深さを決定する押さえ板位置が同じ場合,改良ユニットでは標準ユニットより移植完了までの移植カップの降下深さが小さく所要力も小さかった.3.圃場で移植精度を調査したところ,畝面硬度22.7kPaおよび48.1kPa,砕土率61.8%,表層O〜5cmの土壌水分29.1%(d.b.)の条件で,改良ユニットの正常植え率98.8〜100%で,標準ユニットの66.3〜98.8 %より高く,移植深さも安定した.
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