連棟ハウスの温風送風式融雪システムにおいて,融雪能力の最大値を推定することを目的に,屋外実験により融雪量の経時的変化を評価するとともに,屋根面からの熱伝達量を数値計算で求めた.その結果,屋外実験で得られた融雪量の実測値は,降雪量の経時的変化とほぼ同様に推移し,最大で1.6kg・m^<-2>・h^<-1>であった.また,数値計算で得られた融雪量の推定値は2.0kg・m^<-2>・h^<-1>に相当し,強制対流領域による割合が全体の75%を占めた.したがって,強制対流領域の熱伝達に影響する送風ダクトの最適化により,さらに融雪能力が向上すると考えられる.例えば,送風ダクトを2段4列に増設した場合の融雪量を試算すると,1段2列の場合に比べて18%増加する.しかし,自然対流領域での熱伝達量が全体に占める割合は低く,保温用カーテンの開放は融雪能力の向上にあまり関与しないと考えられる.
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