農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
13 巻, 1 号
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  • 今川 順一, 杉村 輝彦, 脇坂 勝
    原稿種別: 本文
    2006 年 13 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2006/05/15
    公開日: 2019/04/15
    ジャーナル フリー
    カキ'刀根早生'を促成栽培する時は,自発休眠の覚醒程度を考慮しないで,最低温度を8℃から上げていく漸昇法により加温するのが一般的である.7.2℃以下の遭遇時間やDVI(Developmental Index,発育指数)と発芽期や満開期との関係および加温開始期から満開期にかけての発育と積算温度との関係について検討した.カキ'刀根早生'を最高温度を30℃,最低温度を15℃で管理した場合,DVIが0.7以上の時は加温開始期が早いほど発芽期や満開期が早くなる傾向がみられたが,DVIが1未満の時では加温開始期から発芽期までの生育日数は多くなった.カキ'刀根早生'において,12月下旬加温の作型では,年次によりDVIが1に満たない時があるので、加温開始時の最低温度を8℃とし,約10日毎に2℃上げていき,最高温度を30℃で管理するのが適当であると考えられる.また,発芽期から満開期にかけての積算温度は,約700℃必要であった.
  • グエン クォク トアン, 中野 浩平, 前澤 重禮
    原稿種別: 本文
    2006 年 13 巻 1 号 p. 7-13
    発行日: 2006/05/15
    公開日: 2019/04/15
    ジャーナル フリー
    催色期のトマト果実を38℃の温風で6時間から6日間の範囲で処理し,その後,追熟させるため20℃で貯蔵した。重量減少,全糖含量,滴定酸度および硬度を,赤熟時とその後の3日目,および6日目に測定した。1日以上処理した果実では果皮色の進行が遅延され,処理時間が長くなるほどその程度は大きくなった。エチレン生成は温風処理期間中では抑制されたが,その後20℃におくと回復した。有意に高い重量減少が2日以上長時間温風処理した果実において認められたが,外観品質への影響はなかった。全糖含量,滴定酸度および硬度は,対照の果実と同様であった。1日から3日間までの温風処理は,トマト果実の追熟を遅らせ,品質保持に有効であった。このような処理は,トマト果実の収穫後の品質管理に有用となるであろう。
  • 遠藤 昌伸, 渡邊 洋平, 切岩 祥和, 糠谷 明
    原稿種別: 本文
    2006 年 13 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 2006/05/15
    公開日: 2019/04/15
    ジャーナル フリー
    繊維状ヤシ殻と混合ピート(ピートモス:バーミキュライト:パーライト=6:1:1)を主体とする有機培地の使用回数(新品,再使用培地)が理化学的特性に及ぼす影響及び,それらの特性とイチゴの生育・収量との関係について調査した.培地の化学的特性では,新しい培地を使用した直後には無機成分の溶出・吸着傾向に大きな変化が生じたが,その後はほとんど変化がなかった.一方,物理的特性はヤシ殻繊維混合比率が高い培地ほど,使用回数の増加に伴い水分保持力が増加した.ヤシ殻繊維混合比率が高い培地では,使用回数の増加に伴うC/N比の低下が顕著であった.イチゴの可販果収量は2〜3月(2月3日〜3月29日)でのみ培地による差が生じた.2〜3月の可販果収量は,使用回数に関わらずヤシ殻繊維混合比率との間に,高い負の相関がみられ,ヤシ殻繊維混合比率が高くなるにつれ減少する傾向がみられた.しかし,ヤシ殻繊維混合比率の増加に伴う収量の減少程度は,新品培地に比べ再使用培地の方が小さかった.2〜3月の可販果収量と培地の理化学的特性との関係をみたところ,使用回数に関わらず培地の含水率(r=0.74)との間で高い正の相関がみられた.
  • オングソ ジャスタス M., 水谷 房雄, フセイン A. B. M.シャリフ, エリ-シェリフ アリ R.
    原稿種別: 本文
    2006 年 13 巻 1 号 p. 21-27
    発行日: 2006/05/15
    公開日: 2019/04/15
    ジャーナル フリー
    遮光率の低い白色寒冷紗(遮光率10%)でモモ樹全体を覆い、枝条の生長と果実品質に及ぼす効果について調査を行った。寒冷紗で覆った樹の先端枝の伸長生長は著しく抑制された。寒冷紗自体の遮光率は低いが、覆いをかけると外へ向う枝の生長が抑制されて、枝による相互遮光が生じた。果実の成熟は対照区に比べて処理区で遅くなった。寒冷紗で覆った樹は台風による落葉が抑制される効果があった。新梢の先端部からのエチレン生成量とACC含量およびABA含量は処理樹で高かったので、処理樹の枝条の生長抑制はエチレン生成の促進とABAの集積によるものと思われた。
  • 古野 伸典, 佐瀬 勘紀, 石井 雅久
    原稿種別: 本文
    2006 年 13 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 2006/05/15
    公開日: 2019/04/15
    ジャーナル フリー
    連棟ハウスの温風送風式融雪システムにおいて,融雪能力の最大値を推定することを目的に,屋外実験により融雪量の経時的変化を評価するとともに,屋根面からの熱伝達量を数値計算で求めた.その結果,屋外実験で得られた融雪量の実測値は,降雪量の経時的変化とほぼ同様に推移し,最大で1.6kg・m^<-2>・h^<-1>であった.また,数値計算で得られた融雪量の推定値は2.0kg・m^<-2>・h^<-1>に相当し,強制対流領域による割合が全体の75%を占めた.したがって,強制対流領域の熱伝達に影響する送風ダクトの最適化により,さらに融雪能力が向上すると考えられる.例えば,送風ダクトを2段4列に増設した場合の融雪量を試算すると,1段2列の場合に比べて18%増加する.しかし,自然対流領域での熱伝達量が全体に占める割合は低く,保温用カーテンの開放は融雪能力の向上にあまり関与しないと考えられる.
  • 青木 宣明
    原稿種別: 本文
    2006 年 13 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 2006/05/15
    公開日: 2019/04/15
    ジャーナル フリー
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