希少糖D-tagatoseが促成栽培イチゴ(品種:'さちのか')の出蕾のタイミングと収量に与える影響を調べた.1mMもしくは5mMの濃度で,育苗期のみD-tagatoseを処理する育苗区と,定植後も継続して処理する継続区を設けた.育苗区では出蕾が促進される傾向があり,収穫が早まったため,総収量が増加する傾向が見られた.これに対し,1mMの継続区では出蕾が遅延する傾向が見られ,5mM継続区では出蕾が抑制された.これらのD-tagatoseの作用は短日の作用と類似していた.しかし,短日処理や暗黒処理と異なり,育苗期のみの施用では展葉速度の低下や葉柄長の短縮を伴わず,株の消耗や矮化を伴わずに花成誘導できる可能性が示された.
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