農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
11 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 近藤 謙介, 中田 昇, 西原 英治, 濱村 邦夫
    原稿種別: 本文
    2004 年 11 巻 2 号 p. 49-54
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2019/04/15
    ジャーナル フリー
    紅色非硫黄細菌(Rhodobacter sphaeroides)処理廃糖蜜液(PTB)の施用がホウレンソウの生育と品質に及ぼす影響を調査した.100培以上に希釈したPTBは,発芽を阻害しなかった.PTBと紅色非硫黄細菌処理前の廃糖蜜液(Pre-PTB)を用いた栽培実験において,100倍希釈のPTB施用が生育を最も促進し,品質を向上させたことから,廃糖蜜液の紅色非硫黄細菌処理が有効であることが示された.また,未滅菌区と滅菌区を比較すると,全糖及びアスコルビン酸含量は滅菌区で高くなる傾向がみられ,PTBの施用効果には土壌微生物との相互作用が関与すると推察された.
  • フセイン A.B.M. シャリフ, 水谷 房雄, オングソ ジャスタス M.
    原稿種別: 本文
    2004 年 11 巻 2 号 p. 55-62
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2019/04/15
    ジャーナル フリー
    強勢台木(野生モモ実生)に接がれたモモを細型紡錘形に維持するために,夏季剪定が有効かどうかを調べた.9年生のモモ'AB-1'('あかつき'×品種未詳ばんとう)を用いて,夏季剪定は果実収穫後の7月下旬に,比較のため冬季剪定は1月に実施した.剪定された枝の総重量は,冬季剪定よりも夏季剪定の方が小さかった.夏季剪定区は翌春の新梢と果実(子房)の生長が早かった.その後の枝の生長は夏期剪定区で劣ったが,果実の生長速度は夏季剪定区でわずかに高かった.新梢の葉や茎における無機養分含量と炭水化物含量は夏季剪定区が冬季剪定区に比べて高かった.夏季剪定区はより高い収量と果実数をもたらした.前年の夏季剪定の結果,冬季剪定に比べて新梢の生長が抑えられるため,樹冠内への光の透過が良く,果実成熟が促進され,糖度が高くなり,滴定酸度が低くなったように思われた.強勢台木に接いだモモの樹を細型紡錘形に維持するには収穫後の7月下旬の夏季剪定が有効と思われた.しかしながら,この技術は早生品種にのみ適用されるべきであると思われた.
  • 寺林 敏, 丸谷 成, 伊達 修一, 藤目 幸擴
    原稿種別: 本文
    2004 年 11 巻 2 号 p. 63-67
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2019/04/15
    ジャーナル フリー
    温度,光および外皮除去がオオクログワイ(Eleocharis tuberos Roem)塊茎の萌芽に及ぼす影響について調査した.11月から2月までの間,1か月ごとに塊茎を掘りあげ,温度条件15℃,20℃,25℃,30℃,暗黒条件下で萌芽試験を行った.各温度区とも,供試した塊茎の半数は外皮を除去し,半数は外皮を除去しなかった.外皮を除去しなかった塊茎は12月以降から萌芽が認められるようになった.一方,外皮を除去した塊茎は11月から萌芽し,12月,1月,2月はいずれも処理開始2週間後には100%が萌芽した.外皮の有無に関わらず,萌芽速度,萌芽率とも25℃がすぐれた.3月に塊茎を収穫し,芽が外皮で覆われた塊茎,萌芽を開始し芽の先端がわずかに外皮から出ている塊茎,外皮を除去した塊茎について25℃・暗黒条件下で萌芽試験を行った.芽の先端がわずかにでている塊茎は外皮を除去した塊茎と同様,処理開始6日後に100%萌芽したが,萌芽した茎数は前者の方が多かった.25℃,明および暗黒条件下で萌芽試験を行ったところ,萌芽速度,萌芽率ともに外皮の有無に関わらず暗黒条件下でわずかに促進された.
  • 栂野 康行, 藤本 順子, 小豆澤 斉
    原稿種別: 本文
    2004 年 11 巻 2 号 p. 69-73
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2019/04/15
    ジャーナル フリー
    県内を代表する3種類の土壌とブルーベリー4品種を用いて発芽期,開花期,収穫期,樹体生育,収量及び果実品質を調査した.1.黒ボク土では生育前半の土壌pHが好適値よりやや高かったが、その他の土壌のpHはほぼ好適値内で推移した.2.土壌による生態的特性の差異は認められなかった.3.移植後3年目の樹容積は'ウッダード''ティフブルー'及び'ノースランド'の場合,粘質土で最も大きかったが,'ランコーカス'は粘質土で最も小さく,黒ボク土が最も大きかった.4.着果は移植後2年目からはじまり,3年目の1樹当たり収量は'ウッダード'と'ノースランド'が粘質土で最も多く'ティフブルー'はマサ土で多かった.'ランコーカス'の収量は黒ボク土で最も多かった.5.'ティフブルー'と'ランコーカス'では屈折計示土が粘質土で黒ボク土より高くなった.その他に果実品質の土壌による差は認められなかった.以上より'ウッダード''ティフブルー'及び'ノースランド'は粘質土壌でも土壌pHを適正値内で維持させれば経済栽培が可能と考えられた.
  • アリ モハマド セイエド, グェン トアン クォク, 中野 浩平, 前澤 重禮
    原稿種別: 本文
    2004 年 11 巻 2 号 p. 75-82
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2019/04/15
    ジャーナル フリー
    本研究では、MA包装が熱処理ミニトマトの果皮色変化に及ぼす影響を評価した。緑色のミニトマトを39℃で90分処理した後、種々のMAガス組成を創出するために大きさの異なる微孔ポリエチレンフィルムで包装し15℃で10日間貯蔵した。果皮色変化は熱処理だけでは34%抑制され、また、酸素5%及び二酸化炭素4.6%のMA包装環境下では43%抑制された。熱処理とMA包装を組み合わせたところ、果皮色変化は59%抑制された。このことは、熱処理とMA包装の組み合わせ効果は、それぞれ単独での処理効果以上であることを示唆している。さらに、この抑制効果の主要因はMA包装による低酸素条件であることが示唆された。
  • 田中 史彦, 守田 和夫, 岩崎 浩一, 王 世清
    原稿種別: 本文
    2004 年 11 巻 2 号 p. 83-87
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2019/04/15
    ジャーナル フリー
    二元調湿換気式低温貯蔵車内にバラ積み貯蔵したイチゴ果実の品温変化を予測するモデルを構築し,このモデルの妥当性について検証した.この結果,品温の予測値は表面および温度中心点でそれぞれ計算誤差0.8,0.5℃程度で良く一致し,精度の良い予測が可能であることが明らかとなった.また,庫内温湿度変化の予測についても実用に値する結果が得られ,本モデルの妥当性が検証された.
  • イスラム モハメド タフィクル, 大森 けんいち
    原稿種別: 本文
    2004 年 11 巻 2 号 p. 89-96
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2019/04/15
    ジャーナル フリー
    開発政策及びその実行において貧困層に対して多大な注意を払うために、農村地域に貧困をもたらす条件に焦点をあてることは重要である。バングラデシュでは人口の80%以上が農村地域に居住しているが、そこでは貧困問題が常態化している。本研究では1974年から1999年にかけての、バングラデシュの農村における貧困の実態を明らかにする.そして、貧困率が都市地域よりも農村地域において明らかに高いことを示し,さらに貧困線が地域間で多様であることを示す.本研究では,また様々な貧困に関する定義や測定基準についても焦点をあてる.これは貧困に関する定義や適切な測定尺度なしに,貧困を緩和するために必要な努力水準を決定することは困難であることによる.
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