温度,光および外皮除去がオオクログワイ(Eleocharis tuberos Roem)塊茎の萌芽に及ぼす影響について調査した.11月から2月までの間,1か月ごとに塊茎を掘りあげ,温度条件15℃,20℃,25℃,30℃,暗黒条件下で萌芽試験を行った.各温度区とも,供試した塊茎の半数は外皮を除去し,半数は外皮を除去しなかった.外皮を除去しなかった塊茎は12月以降から萌芽が認められるようになった.一方,外皮を除去した塊茎は11月から萌芽し,12月,1月,2月はいずれも処理開始2週間後には100%が萌芽した.外皮の有無に関わらず,萌芽速度,萌芽率とも25℃がすぐれた.3月に塊茎を収穫し,芽が外皮で覆われた塊茎,萌芽を開始し芽の先端がわずかに外皮から出ている塊茎,外皮を除去した塊茎について25℃・暗黒条件下で萌芽試験を行った.芽の先端がわずかにでている塊茎は外皮を除去した塊茎と同様,処理開始6日後に100%萌芽したが,萌芽した茎数は前者の方が多かった.25℃,明および暗黒条件下で萌芽試験を行ったところ,萌芽速度,萌芽率ともに外皮の有無に関わらず暗黒条件下でわずかに促進された.
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