農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
3 巻, 2 号
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  • 井上 興一, 近藤 悟, 真部 孝明, 横田 弘司
    原稿種別: 本文
    1996 年 3 巻 2 号 p. 1-7
    発行日: 1996/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    水耕で栽培したレタスの根を種々の濃度を変えたCaCl_2およびCa(NO_3)_2の高濃度単一溶液に48時間浸し,葉部におけるCaおよびClあるいはNO_3の増加の有無を検討した。外葉および内葉のCa含有率は,処理溶液のCa濃度の増加に伴い増加し,この増加したCaの大部分は水溶性Caであった。葉部Ca含有率は,CaCl_2処理区においてCl含有率との間に,Ca(NO_3)_2処理区においてはNO_3含有率との間に1%レベルで有意の相関が認められた。硝酸カルシウムの処理は葉部Ca含量の増加に伴い,多量のNO_3も集積するので,本浸漬処理には不適当と判断された。また,処理液のCa濃度が40mM付近であれば葉部の萎凋や障害を発現させずにCa含有率を著しく増加させることが認められた。塩化カルシウム処理のCa40mM区の葉部Ca含有率は1.95gkg^<-1>・新鮮重であり,この値は対照区の(0.75gkg^<-1>・新鮮重)2.6倍であった。
  • 浅尾 俊樹, 内藤 整, 伊藤 憲弘
    原稿種別: 本文
    1996 年 3 巻 2 号 p. 9-12
    発行日: 1996/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    松江城外堀の底泥が,コマツナ,ホウレンソウおよびトウモロコシの生育に及ぼす影響について検討した。1.コマツナは,施肥区および無施肥区とも底泥の含量が多くなるほど生育が抑制された。2.ホウレンソウは,耐塩性が強く,施肥区では底泥60%区でも顕著に抑制されなかった。無施肥区では,養分が不足し,底泥を含む区ではほとんど生育できなかった。3.トウモロコシは,底泥100%区では施肥の有無に関わらずすべて枯死した。その原因として底泥に含まれる塩分の関与が考えられる。
  • 谷 光, 岩尾 俊男, 青木 宣明, 林 圭〓, 土肥 誠, 竹山 光一, 藤浦 建史
    原稿種別: 本文
    1996 年 3 巻 2 号 p. 13-18
    発行日: 1996/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    本研究は,ストック苗の自動鑑別システムを開発するための基礎研究として,画像計測処理により求めた苗のサイズ,形状及び色を表現する各特徴量をもとにして,ファジィ積分理論を用いて処理し,ストック苗の八重咲き鑑別方法を検討した。その結果は次のとおりであった。1.ストック苗の形状及び色の特徴を表現する各特徴量の分布から,苗の複雑度と彩度の特徴量は,八重咲き苗と一重咲き苗との差が,ほかの特徴量より大きく,八重咲き鑑別に有効であると考えられた。2.画像計測処理で求めた苗画像の面積,複雑度,彩度の3つの特徴量をもとにしたファジィ積分理論によって八重咲き鑑別ができた。鑑別精度は,88.4%で,苗の利用率は42.0%であった。
  • バー アルファ マムドウ, 平塚 貴彦, バー ファトウマタ
    原稿種別: 本文
    1996 年 3 巻 2 号 p. 19-30
    発行日: 1996/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    ギニア国農業の基本的性格を,その生産システムの類型化とそれぞれの長所,短所などの検討によって明らかにした。資料は,農業省から収集したものと現地調査で得られたものを使用した。ギニア国農業の問題は耕地や労働力の不足ではなく,機械,肥料,農薬,技術,経営能力などの不足が決定的に重要である。生産システムは,農家,様々な協業経営体そして国営農業企業体の3つに分類された。最大の生産シェアを持つ農家には資本や教育の不足という弱点がある。協業経営体も資本不足の弱点はあるが,効率性と所得面で優れている。国営農業企業体は,農業に加えて加工,技術指導や信用供与などの面で優れており,一方で投資された資本は効果的な運用はなされていない。ギニア国農業の発展には協業経営を育成する必要があることも明らかになった。
  • 劉 厚清, 毛利 建太郎, 難波 和彦
    原稿種別: 本文
    1996 年 3 巻 2 号 p. 31-35
    発行日: 1996/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    海苔を高品質,高能率で乾燥する乾燥方法を確立する目的で,遠赤外線ピークを用いた遠赤外線乾燥装置で乾燥を行い,海苔の乾燥に関する基礎データが得られた。1.海苔は他の農産物と同じように遠赤外線を吸収する波長に選択性があり,蒸発率δ_gについては,ピークと谷を示す波長がある。ヒータから放射される遠赤外線の中心波長を4.75μmより短くすると,海苔の温度が高くなり,表面にクモリが生じて品質が悪くなる。波長が4.75μmより長い場合には,蒸発率δ_gのピークが5.5,6.6μm付近に表れた。これらの波長を中心波長にして遠赤外線を照射するのが適当と考えられる。2.海苔の乾燥過程においては恒率乾燥期間と減率乾燥期間が明確に表れた。3.海苔表面に送風した場合,水分の蒸発をそく進させる。送風速度の増加にしたがって蒸発速度も大きくなるが,送風速度が一定値(0.75m/s)を超えると,蒸発速度も一定になった。これは水の蒸発を助ける送風速度に限界が存在していることを示している。
  • 村井 泰広, 原田 久, 望岡 亮介, 向井 啓雄, 高木 敏彦
    原稿種別: 本文
    1996 年 3 巻 2 号 p. 37-39
    発行日: 1996/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    切り花鮮度保持剤の浸漬処理がウメの緑枝挿しの発根に及ぼす効果について検討した。ウメの緑枝挿しを行う前に,市販の切り花鮮度保持剤(PT)処理を行うことにより,挿し穂の生存率,発根率を対照区より改善することができた。また,PT区の吸水量や水ポテンシャルの値が常に対照区を上回っており,道管の通道性が確保されていることが示唆された。
  • 望岡 亮介, 堀内 昭作, 松井 弘之, 黒岡 浩, 村井 泰広, 原田 久
    原稿種別: 本文
    1996 年 3 巻 2 号 p. 41-44
    発行日: 1996/10/01
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル フリー
    日本原産野生ブドウの台木利用について検討した。1.ヤマブドウ(Vitis coignetiae),サンカクヅル(V.flexuosa)及びエビヅル(V.ficifolia var. lobata)を台木とし,'デラウェア','巨峰'及び'マスカット・オブ・アレキサンドリア'を穂木として接ぎ木したところ,ヤマブドウを台木とした場合が最も生存率が高かった。2.ヤマブドウを台木として'デラウェア'を接ぎ木した3年生苗木と,'デラウェア'の3年生自根苗木を用いて栽培温度を変えて生育させたところ,大部分の処理区でヤマブドウ台の方が萌芽は早く,新梢伸長量も旺盛であった。しかし,開花日については,ヤマブドウ台と自根との間にほとんど差が認められなかった。
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