農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
9 巻, 2 号
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  • 廣瀬 友二, 田邊 猛
    原稿種別: 本文
    2002 年 9 巻 2 号 p. 97-100
    発行日: 2002/11/15
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    25年生の茶樹を用い,中切りせん枝が根の生長周期および根系にいかなる影響を及ぼすかを検討した.せん枝による影響は細根に最も現れ、枯れ込みによって減少し,とくにうね間中央部の細根が減少した.しかし,細根中に占める活性の高い白色細根の割合は,せん枝により増加した.また,白色細根の増加は,地上部の生長中の8月期からみられ,せん枝によって根の更新が早まったと推察した.
  • 矢野 隆, 薬師寺 博, 新開 志帆
    原稿種別: 本文
    2002 年 9 巻 2 号 p. 101-105
    発行日: 2002/11/15
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    カキ'刀根早生'成木を用いて遮光処理ならびに生理落果抑制処理が早期落果と果実の内生IAA含量に及ぼす影響を検討した.無遮光条件下では,満開後55日目における無処理区の結実率がIO%以下であったのに対して,N-(2クロル-4ピリジル)-N'-フェニール尿素(CPPU)散布ならびに環状はく皮で明らかに落果が抑制された.50%の遮光条件下では,満開後16日目で無処理区の結実率は10%以下と低かったが,GA区および環状はく皮区では約65%,CPPU区でも約35%の結実率であった.しかし,遮光条件下ではいずれの落果抑制処理を行っても,満開後55日目までにほとんど落果し,効果は持続しなかった.満開後20日目の果実とへたのIAA含量は,無遮光条件下では,へたが果実より高くなる傾向が認められたが処理間に大きな差は認められなかった.遮光条件下では,無遮光条件下に比べていずれの処理区もへたのIAA含量が低くなる傾向にあった.満開後20日目のへたと果肉のIAA含量比は,いずれの処理区とも無遮光条件下で約1.9,遮光条件下で約1.0であった.
  • 松島 秀昭, 福森 武, 水野 英則, 河野 元信, 劉 厚清, 新谷 康夫
    原稿種別: 本文
    2002 年 9 巻 2 号 p. 107-112
    発行日: 2002/11/15
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    静置乾燥方式の乾燥速度を向上させるために,穀温を上昇させてから穀物を通風乾燥する方法を考案し,実験により検証を行った.(1) 穀粒加温を行うことにより乾燥開始から1時間までの間に全層にわたって乾燥が進み,乾燥速度が大きくなる.そのため,攪拌時間間隔を短くして,攪拌および穀粒加温の回数を増やすことにより乾燥速度が向上する.(2) 撹拌後に穀粒加温を行ってからテンパリングを加えると,穀粒間および穀粒内の水分移動の効果が大きくなり,水分むら,胴割れの発生を抑制することができる.(3) 作成した穀粒加温乾燥のシミュレーションによる平均水分の計算値と実験値の差は0.2%w.b.であり,本シミュレーションが穀粒加温乾燥の乾燥速度予測に有効であるといえる.
  • 松島 秀昭, 福森 武, 水野 英則, 河野 元信, 新谷 康夫
    原稿種別: 本文
    2002 年 9 巻 2 号 p. 113-117
    発行日: 2002/11/15
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    ラック乾燥システムの送風特性について実験およびシミュレーション手法を用いて解析を行い,次の結果が得られた. (1) 送風機に近いコンテナと遠いコンテナの風景比の差はほとんどみられず,コンテナの位置によって風量が変化しない.(2) コンテナにおける穀物の堆積高さの変化により風量比が変化するため,ラック乾燥では堆積高さが最も乾燥速度に影響する.(3) コンテナに穀物を張り込んだときに生じる堆積高低差は,乾燥速度に影響しない.
  • 松島 秀昭, 福森 武, 河野 元信, 住川 伸二, 劉 厚清, 毛利 建太郎
    原稿種別: 本文
    2002 年 9 巻 2 号 p. 119-125
    発行日: 2002/11/15
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    穀物用高速乾燥機はテンパリングタンクと脱水部の間に穀粒の加温部を設置し,加温部の穀層内を貫通する加温管により穀物を放射,伝導および対流の伝熱方式で加温する.加温管の遠赤外線放射効果を検討するため,加温管のサンプル板と黒色塗装面のサンプル板を用いて試験を行い,次の結果が得られた.(1) 穀物用高速乾燥機の加温部に取付ける加温管は,353K(80℃)に加熱された場合,約0.6の遠赤外線放射率が得られる.(2) 穀物に到達する遠赤外線の放射強度は,放射体からの放射距離により変化し,放射距離が離れるほど放射強度が弱くなる.高温・遠距離よりも低温・近距離の放射は同等な放射強度であれば,省エネルギーとなる.(3) 穀物用高速乾燥機の加温管から放射される遠赤外線の放射中心波長は,籾の吸収波長域に入っているので,籾が効率的に遠赤外線を吸収することができる.
  • 山岸 主門, 伊藤 憲弘, 小数賀 仁也, 安田 登, 磯上 健一, 小角 奈美
    原稿種別: 本文
    2002 年 9 巻 2 号 p. 127-132
    発行日: 2002/11/15
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    農作業の労働負担を簡易に評価するために,測定法が簡便で,作業者の装着負担が少ない小型軽量の加速度計を利用し,その有用性を検証した.ブドウ摘粒,加工トマト収穫,茶摘採および刈払い機除草の4作業について加速度計から得られる簡易作業強度と心拍数を比較した結果,1) 両者の間には正の相関が確認され,とくに大きな動きや重量物運搬を伴う動的筋作業で相関が高いことがわかった.さらに,作業者3名の日常作業について加速度計を用いて2年間継続調査した結果,2) 対象作業内容のもつ特徴の概略を簡易作業強度の変化で把握できること,3) 作業者の体重変動と簡易作業強度間の相関が高いこと,4) 栽培方法の相違による身体活動パターンの変化を評価する指標として簡易作業強度が有用であること,5) 加速度計を装着することにより,自身の健康維持・増進および作業性向上に対する意識が変化することを確認した.
  • 山浦 浩二, 西村 融典, 十川 和士
    原稿種別: 本文
    2002 年 9 巻 2 号 p. 133-139
    発行日: 2002/11/15
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    広幅高畝4条のレタス栽培に適合してグラスファイバ製のビニルトンネル支柱を1本ずつ繰り出して畝に等間隔で打込むことができる全自動支柱打込み装置を開発した.1. 開発機は,輪距を調整できるクローラ式の走行台車に支柱タンク,支柱繰出し部,支柱打込み部,制御・発電部を搭載したものである.2. 作業は後進方向で,走行台車が所定間隔で自動間欠走行する間に支柱を打込む.3. 幅1.8mのレタス畝に対する作業能率は,作業速度0.20m/sにおいて,1.0h/10aであり,打込みミスは0.6〜2.8%みられたものの,斉一な打込み状況となり実用性が認められた.
  • 田中 史彦, 岩崎 浩一, 守田 和夫, 菅原 晃美
    原稿種別: 本文
    2002 年 9 巻 2 号 p. 141-146
    発行日: 2002/11/15
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    本報はサツマイモの知的選別システムによる形状判定の基礎となる研究である.本システムによる形状判定の結果,以下の知見を得た.1) Windows98 OS内部に含まれるAPI(Application Program Interface)関数を用いることによって, Visual Basic環境下におけるサツマイモの形状判定システムを構築した.本判定プログラムはWindows対応のビデオキャプチャデバイスを有するコンピュータで利用できる.2) 画像処理による特徴抽出の結果得られた形状に関する7つのパラメータ,すなわち,面積,フィレ長比,曲がり度,複雑度および太さ(3点)を入力値として,ニューラルネットワークモデルによる等級判定を行った結果,2モデルのニューラルネットワークを組み合わせたときの正解率が86.1%となり,最も良い判定結果を得た.3)A,BおよびC等級についての判定正解率はそれぞれ96.2,83.3,77.3%となった.4)出力値の分析の結果,誤判定された場合でも,出力結果に正解形状についての情報が含まれることが示唆された.5) 出荷管理データベースの作成を行うことによって等級・階級選別結果の分布を把握することが可能となった.以上,本研究はマシンビジョンによるサツマイモの知的形状判定を行った結果であり,今後は,表面色による判定や傷の検出などへの対応を考えて行きたいと考える.
  • 鈴木 重俊, 小池 安比古
    原稿種別: 本文
    2002 年 9 巻 2 号 p. 147-148
    発行日: 2002/11/15
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー
    ゼラニウムの生育開花に及ぼすわい化剤の影響について調べた.ウニコナゾール,クロルメコートおよびパクロブトラゾールを用い,濃度を変えて3回の茎葉散布処理を行った.いずれのわい化剤を使用しても草丈の伸長抑制効果が認められたが,なかでもパクロブトラゾール処理が花径の低下を最小限に抑え,しかもわい化効果が最も高くなった.
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