農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
19 巻, 1 号
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  • 近藤 謙介, 圖師 一文, 和島 孝浩, 森 太郎, 松添 直隆
    原稿種別: 本文
    2012 年 19 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2012/06/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    'プリンス'と他メロンの果実内成分(糖,アミノ酸,アスコルビン酸,β-カロテン)を測定し,'プリンス'の差別化のための基礎的知見を得ることを目的として行った.'プリンス'は他の品種と比較して,肝障害の改善効果があるアラニン含量および抗酸化成分であるアスコルビン酸とβ-カロテンの含量が多いことが明らかとなった.
  • 米田 基人, フレイレ クルス アンドレ, 石井 孝昭
    原稿種別: 本文
    2012 年 19 巻 1 号 p. 7-11
    発行日: 2012/06/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    本研究では,ウメ(Prunus mume)の衰弱樹(主に白紋羽病(Rosellinia necatrix))における有益細菌接種による樹勢回復効果についてPCR-DGGE法を用いてその細菌の生存を調査した.供試した有益細菌はナギナタガヤ(Vulpia myuros)およびバヒアグラス(Paspalum notatum Flugge)の茎葉および根から発見した白紋羽病菌を抑制する3種類の細菌であり,それらの混合液を草生ウメ園における衰弱樹の根圏に接種した.接種後の樹勢の回復性を葉色および根の拡がりで調査するとともに,接種細菌の生存をPCR-DGGE法で分析した.その結果,接種後,衰弱樹の葉色は黄から緑にもどり,幹近くにしかみられなかった衰弱樹の根は健全樹の広がりと同様までに回復した.また,衰弱樹周辺土壌に接種した有益細菌3種類の存在が見られた.これらの結果から,土壌潅注接種した有益細菌の生息を確認するための生物的土壌診断法として,PCR-DGGE法が有用であることが明らかとなった.
  • 池浦 博美, 徳田 貴彦, 早田 保義
    原稿種別: 本文
    2012 年 19 巻 1 号 p. 13-17
    発行日: 2012/06/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    ズッキーニ3品種'ダイナー','ブラックトスカ'および'ゲリーントスカ'を用いて,ズッキーニポット栽培での品種比較とその有効性を検討した.品種の違いによる総花数および雌花数は'ダイナー'が他の2品種に比べ有意に多くなった.栽培終了時の最大葉長は,'ダイナー'が約75cmと最も長くなり,また露地栽培(92cm)に比べ3品種ともそれぞれ約15cm短くなった.雌花率は,品種間に差は認められなかった.ポット栽培における品種別収穫本数は,'ダイナー'で最も多く,続いて'ブラックトスカ','グリーントスカ'の順となり,3品種ともに露地栽培に比べ多くなった.以上の結果から,ポット栽培のズッキーニ品種は,生育が旺盛かつ多収量であった'ダイナー'が最適であると判断された.また,ズッキーニにおけるポット栽培は,根域が制限されることで露地栽培よりも草姿がコンパクトになり密植が可能となるとともに,各ポットの土壌が独立しているため,土壌伝染病の拡大防止に有効な栽培方法であることが判明した.
  • 望岡 亮介, 黒田 絵美, 高木 理美
    原稿種別: 本文
    2012 年 19 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 2012/06/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    落葉果樹であるブドウの芽の休眠打破剤には石灰窒素,シアナミド剤が広く使われてきたが,使用条件によっては人体に有害な場合もある.そこで,人体に毒性の低い希少糖での休眠打破効果について調べた.休眠の深い野生種クマガワブドウの切り枝に希少糖のD-プシコース浸漬処理を行ったところ,発根は見られなかったが,休眠打破効果が認められた.自発休眠期に,1節に調製した'ネオ・マスカット'の切り枝でD-プシコースの浸漬処理と塗布処理を比較したところ,塗布処理の方が休眠打破効果は高かった.'マスカット・オブ・アレキサンドリア'の自発休眠期と他発休眠期に4種類の希少糖(D-プシコース,L-プシコース,L-フルクトース,D-アロース)を芽に塗布処理したところ,自発休眠期ではD-プシコース,D-アロース, L-フルクトースが萌芽を促進した.他発休眠期には,処理による明確な影響は見られなかった.以上の結果より,希少糖の中には自発休眠の打破効果が認められるものもあり,人と植物に生理障害のない新たな休眠打破剤としての可能性が考えられた.
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